guilt










僕はあなたを絞め付けた

出来る限りの強い力で

いつか消えてしまうのならば

今ここで 僕の手で

嫌がるあなたを泣きながら...


冷たく濡れた瞳に映るのは

僕に向けられた軽蔑か

もしくは暗い絶望の影か


あなたを想うことで僕は

どれだけ助けられただろう

あなたを想うことであなたは

どれだけ壊れてしまっただろう


僕の代わりにあなたが傷付くなど

あっていいことなのだろうか

僕があまりに傷付けるからあなたは

だんだんと面影を無くしていく

どうしたらいいのか この僕は

罪悪感で死にそうになる

結局辛くなってしまうなら

僕独りで傷つけばよかったのに


傷付いたあなたは酷く苦しそうに

息を荒げて僕を呼ぶ

あぁ 僕は何をしたんだろう

あなたがあなたでなくなるほどに

傷付けてしまうなんて どうして?


苦しみから救うためにあなたを消してしまおうか

あなたがそれを望むのなら

僕は何をしても構わない

それが罪になるとしても

あなたを傷付けたこと それが一番の罪だから


震える指であなたを絞めた

それがあなたの望むこと

「嫌と言っても放さないで」決意を固めた表情で

きっといつかは消えるのだから

心が崩壊した時 きっと

僕の手に伝わる温もりが

もうすぐ消えてしまうのか

けれどあなたの望みなら それがあなたの幸せなら

あなたに対する償いなのか 償いにもならないだろうが


僕はあなたを絞め付けた

あなたがそれを望んだから


出来る限りの強い力で

早く休ませてあげたくて


いつか消えてしまうのならば

僕が傷付けた苦しみから


今ここで 僕の手で

それが僕なりの償いだから


嫌がるあなたを泣きながら

放さないでと言ったから...


あなたのことを想いすぎて

壊れてしまった僕の代わりに

傷付いて崩れたあなたの身体

罪を犯した僕の手は

どうやっても汚れたままで

あなたのもとへ僕も行くよ

今度はちゃんと愛せるように...




guilt/20051204



















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