娼婦と絶望と壊滅ファンタジー










ねぇ、 って叫びたい

揺れる並木

ハイビスカスはもう季節外れになるの?

仮面が白くて 眩しい

黒いネクタイで絞め殺しても


アルコールの臭い

冷たい氷は熱いうちに

夢から覚めれば

ブラックのままのコーヒーも冷めた

ミルクが混ざらなくて 泣いた

アイスは嫌だってば


許して ねぇ?


爪痕だけ残して 帰らないで

ダイヤモンドはプラスチックにして

ガラスは水と煮詰めてしまって


ねぇ、 って叫ぶのよ

お伽話 聞いてよ

灰色の猫は王子に

桃色の鼠は姫になるの

夢みたい 夢見たい


ハイヒールに隠す

冷たい


ねぇ、 って。




娼婦と絶望と壊滅ファンタジー/20070902



















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