夢工房 『浩』~☆”

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赤ずきんちゃん気をつけて


「えー、宅急便とか郵パック使えばいいのに、けちなんだから。
(まぁいいわ、いつもおばあちゃんのところへなにか持って行くと必ずお駄賃くれるし)」
「途中で知らない人に声をかけられたら急いで回りの大人に助けをもとめるのよ。」
「わかってるよ、もう小学6年だし。分別も付く年頃だから。」

赤ずきんは、お使いかごを持っておばあちゃんの家に向かいました。
途中は街中でブテッィクのショウウインドウ越しに、洋服や雑貨屋さんの店頭を見て歩きます。

「もしもし、おじょうさん?」
声が聞こえる後ろを向きました、すると30代くらいの男の人でした。
「…(ださ、今一いや今三くらい)あの、なんですか?」
「私はこういうものですが」
男の人が名刺を渡しました。
『アバウトスカウトカンパニー 営業 小林 修司』
(なんてアバウトないい加減な会社名?でもスカウトか~♪)

「でおじさんが何のようですか?」

「(え、おじさんかぁ~)いやたまに街中を通る美少女がいると言ううわさを聞きつけてね。」

「それで、ずっとまってたんですか?」

「そうそう。
ね、どうかな?内の会社の専属モデルにならない?」

「わかりません、ママやパパに聞いて見ないと。」

「そ、そうだよね。じゃさ、内緒のアルバイトってどうかな?」

「(なにか きもい~)今は急いでますので。」

「あ、おばあちゃんの家にいくんだよね?」

「どうして知ってるんですか?」

怪訝そうに聞くと、小林さんは

「そ、そんな怪しいものじゃないから。あはは。
じゃ、いってらっしゃい。」
と、手を小刻みにふりました。

小林さんは後をつけた訳じゃないが、プロダクションの営業はマネージャーも兼務することがあって、たまたま赤ずきんの祖母の付き人をやっているとき孫娘の自慢話を聞いて本当に会って見たい気になったのでした。
携帯にメールです、
『ちょっと頼みごとがあるんだけど。家に来て。』
「まじっすか、今お孫さんにあったばかりなのに…」
小林さんはしぶしぶ赤ずきんの祖母の家に先回りしました。

「なんですか?頼みごとって?」
「わるいわね、今日彼氏とデートの約束をしててとんと忘れちゃって」
「おさかんなことでー」
「悪いけど、私の変わりにベッドに寝ていてくれないかしら?向こうの家に内緒でつきあってるし~♪」
「えーそれは」
と、いいかけたが遅くおばあちゃんは家を出てしまった。
ぶつぶついいながらも、おばあちゃんの用意したパジャマやナイトキャップをかぶってベッドに寝ました。

しばらくして赤ずきんがやってきました。
「おばあちゃん、こんにちは。ママからたのまれたもの持って来たわよ。」

そこはマネージャーも兼務していた小林さんでした。
声色はマスターしていたのです。

「はいはい、ありがとね。あかずきんちゃん。そこのテーブルの上においてちょうだい。」
「はい、おばあさま。」

見るとあかずきんはおばあさんの方をニコニコしながら見ています。

「え、あかずきんちゃんもう家に帰っていいのよ。」
「あの今日は何も…、」
「?」
「いりませんから。」
ちょっと変と思った赤ずきんでしたが、あまりずうずうしいのもお行儀が悪いと思いお駄賃の話はやめました。

帰り支度の赤ずきんが玄関で靴を履いてるとき、また小林さんの携帯が鳴りました。

「あ、はい すいません。スカウトはしてましたが、石井さんに頼まれごとで。
はい、20時までには戻れると思います。」

「あ”~! さっきのおじさん! きゃー!なんでこんなところにいるの!」
騒がれては小林さんもたいへんです。パパラッチの餌食になってはまずいと、赤ずきんちゃんの口に手を当てようとしました。

「心配しないで、おじさんは怪しいものじゃないから。」
「もごもご(たすけて~)」
しょうがないな、あまりこんなことはしたくないんだけど、枕カバーで猿轡にしてシーツで赤ずきんの手足を縛り上げます。
「とほほ、まるで犯罪者じゃないか…」

とっさの判断で携帯で自宅に電話をしていた赤ずきん。
異変を感じたママが警察に通報していました。
『ファンファンファン』パトカーが家の前に横付けです。
刑事さんと制服のおまわりさんがおばあさんの家をノックしました。

「石井さん!石井さん!なにかあったんですか?」

ドア越しに小林さんも懸命です。
「いや、なにもないわよ。孫がいたずらして、テレビの番組を携帯でながしたようでー
(ごほごほ)」

そこに赤ずきんのママもやってきました。
合鍵でおばあちゃんの家のドアをあけました。
すると、ママと小林さんはどういうことでしょう。
二人で気まずい雰囲気になっているようです。
あわててママはこの方はおばあちゃんの会社の方で、
今日はたまたまなにかのわけがあってと刑事さんたちに弁解しました。

「お宅のお嬢さんを猿轡で監禁ですか?」
あくまでも刑事さんは冷静です。

家の周りにひとだかりが出来てきました。
フラッシュの撮影があちらこちらで・・・

おばあちゃんはその騒ぎの奥のほうで
「いやぁーまずった。」
とベロを出しました。


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