vvぴんきぃの豪州留学日記vv

灰色



家路を急ぐ車も多くなく

賑やかだった鳥のさえずりさえも聞こえない

湖に映えゆらぐオレンジの街灯

漆黒の墨が何もかも包み込む

静寂な夜



人間、日を増すごとに過去を忘れ去る

ここで眠りについたら明日の朝日を浴び

あの人のことも忘れてしまうのか

あの日の喜びも消え去るのか

初めて眠ることを拒んだ夜



星は毎晩心を照らすのに

今夜は灰色の雨雲で隠された

焦がれた未熟な想いも隠れてしまったか

素直になれない自分が闇の中ひとついる

真実を失った夜



外が騒がしくなってきた

椰子の木の葉が摩擦しあい冷たい音をたてる

風よ、私の心まで吹き飛ばさないでおくれ

この想いが遠くならないように、近づけるように

最初の第一歩を思い出した夜



















***PUCHI KAISETSU***

ヒトは日を重ねるごとに、美しかった日々も、焦がれて幸せだった想いも忘れていってしまいます。

そんな美しかった日々は、今ここで眠りにつくことによって、忘れられてしまう。

雲がかかってくると、夜空にキラキラ輝く星と自分の心の中のものと照らし合わせ、

せっかく星に照らされ誰よりも輝いてるのに、シャイな心が覆い隠してしまう、そんな自分に苛立ちを覚えました。

嵐が到来して、外が異様に騒がしくなり、そのような想いまでも吹き飛ばされることを恐れ、

でもここで一生懸命ふんばれるようにと、あの焦がれたときの自分を思い出した夜のことでした。
























2005/09/17


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