零れ種

零れ種




昔、ハイビスカスの花が綺麗に咲いていた頃
ママは云ったの

貴方は生きて

ぎゅっと抱きしめられた暖かさが
今でも忘れられない


昔、向日葵の花が上に向かって伸び始めた頃
パパは云ったの

有難う

大きな掌で頭を撫でられた


昔、私はココから旅に出たの

戻ってきた時には
もう何もなかったけど
パパとママはずっと私を待っていてくれたような気がする


2005.08.26


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: