偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2009.10.26
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カテゴリ: 偐万葉

偐万葉・大和はまほろば篇(その6)

 本日は雨にて朝から家に燻ぶって居りました。このような日は偐万葉日和でありますな。という訳にて偐万葉・大和はまほろば篇(その6)であります。まほろば氏の俳句と偐家持の下付け和歌の妙(?)をお楽しみ下さいませ。
  (参考) <大和はまほろばさんのブログ入口>

   偐家持が大和の国まほろばの麻呂に贈りて詠める歌34首

葉のうへの 露のきらりと キャベツ畑
        秋陣営の 朝の
甘藍 ( かんらん )  (甘藍の月)

甘藍に きらりと光る 朝の露
      大和の秋の 景色なりけり (モンシロチョウ)

川柳の キャベツ気どりて 甘藍と
      名乗りてみれば 俳句なりけり
(カブラの蕪村かバナナの芭蕉)
20091006葉のうへの露のきらりとキャベツ畑.jpg20091006初鴨の水尾追ひたる後の鴨.jpg

初鴨の 水尾追ひたる 後の鴨  たゆたひ ( ) ぬる 恋にあらなく

水鳥の 尾のながれ尾の さざ波の
( ) ぬるいのちの をしくもあるか (柿本鴨麻呂)

長雨の 水にさからふ 秋の蟹  お伊勢参りか 遍路の旅か

ザリ蟹は 海老にあらザリ 然れども
       蟹とも見えず エビガニといふ (ニセエビ)
20091007長雨の水にさからふ秋の蟹.jpg20091007雨の中草の香のする苅田かな.jpg

雨の中 草の香のする 苅田かな
田臥 ( たぶせ ) にありて ひとりし ( ) へば

野分去り 雨の溢れる 芋畑  葉に白玉の 露や残れる
20091008野分去り雨の溢れる芋畑.jpg20091008背番号十八をつけ野分来る.jpg

背番号 十八をつけ 野分来る
      わたしピンクの サウスポーかな?(偐魔球)

実柘榴の 口開け過ぎて 顎はずす
       笑ふはよけど ほどほどにせよ (整形外科医)
20091009実柘榴の口開け過ぎて顎はずす.jpg20091009野分過ぎローカル線の客まばら.jpg

野分過ぎ ローカル線の 客まばら  大和国原 朝風寒し

おこたこは 片腹痛し そばいかと
        怒れる烏賊の いかにとやせむ (重々承知)
20091010「こなもん」を食べる日なり「おこたこ日」.jpg20091010木犀香長くなりたる立ち話.jpg

木犀香 長くなりたる 立ち話  途切れて風の 運び来るかも

新しき 蔵が建ちたり 秋日和
      鳥もや来鳴く 
吾家 ( わぎへ ) の苑に (大和道長)
20091011新しき蔵が建ちたり秋日和.jpg20091011秋夕焼代はりて行きぬ街の灯に.jpg

秋夕焼 代はりて行きぬ 街の灯に  生駒の山も 眠りゆくらし

地蔵堂 飾ってありぬ 秋の草
      こともなくあれ この世はなべて (秋の祈り)

法被着て 親の世話役 秋祭 山車 ( だし ) の子供に 引かれ行くかも

落日の 銀杏紅葉に 降りそゝぐ
      我が
( ) ひなほし 燃ゆるものあり

夕稲架 ( ゆふはざ ) に 真の豊かさ 思ふかな
       千代につなげる 里のいとなみ

夕暮れに 木犀匂ふ 無人駅  ぴーひょろ ( とんび ) も 家路つくらし

柿の実が つぶらなる日の 三輪の路
       さやけき風に 恋ひてし行けば

どこまでも  稲塚 ( ぼっち ) のつづく 卑弥呼の地  兵馬俑なき 九条の国

忘れたる 団栗残る 社かな  子らの声絶え 日の暮れ行けば

枳殻 ( からたち ) の 棘ばかりなる 恋の路  踏みてこそ知る 愛もやあらむ

痘痕 やら 笑窪などあり まるめいら
       さらえをとこの いつとや待ちつ
20091022痘痕やら笑窪などありまるめいら.jpg20091023冬瓜の強さの秘密シトルリン.jpg

冬瓜の 強さの秘密 シトルリン
      のほほんとシトル だけのことなリン (寝トルリン)

山の宿 露天風呂にも 秋茜  夕風寒く なりゆくらしも

南港の ビルの上なる 秋の雲
      庁舎移転は 波のまにまに (波下知事)

実の青く 葉だけ 紅葉 ( もみ ) づる 櫨並木
竜田の姫の 駆け行きたるか

木蝋は のちに採らむと 櫨の実を 染めや残せる 秋の風かも

花時計 装ひを変へ 秋色に  染みて 古都 ( みやこ ) の 時 ( きざ ) むらし

をさなごの 駆け上がる来る 花野かな
秋の日差しの うらうら照れば
20091025をさなごの駆け上がる来る花野かな.jpg20091025花の精息吹きかける秋野かな.jpg

八千草に 息吹きかける 花の精  秋野染めたり  千種 ( ちぐさ ) の色に

 (注)
色字の575 はまほろば氏の俳句。下77は偐家持が勝手解釈で付しました。
 写真は全てまほろばさんのブログからの転載です。






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最終更新日  2016.05.15 23:24:13
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Re:偐万葉・大和はまほろば篇(その6)(10/26)  
小万知 さん
からたちの棘ばかりなる・・・を詠んで何故か思い出されるのが、北原白秋の「からたちの花」ではなく、島倉千代子の「からたち日記」なのは私だけでしょうか?(古い!!)
まるめいら(花梨)の笑窪にはからたちの痛い棘も届かないでしょうね(笑)
奈良町の花の精は季節ごとに息吹きかけた彩りをプレゼントしてくれているのですね。 (2009.10.27 12:55:15)

小万知さんへ  
けん家持  さん
 大和はまほろばワールド偐万葉風解釈お楽しみ戴けましたでしょうか(笑)。
 古くはありません。島倉千代子の「からたち日記」は、北原白秋よりは新しいです(笑)。
 「心で好きと叫んでみても、口では言へぬ・・」ですね。万葉歌とつながっていますな。万葉歌は「演歌」と通い合うものがあります。
 万葉の恋は「孤悲」と表記するように、片恋の状態の心的状況を「恋」と言っていますからね。
 人知れず、自己主張するでもなくひっそりと、しかし、しっかりと美しく楚々と咲いている花こそが万葉歌には似合う花のようです。からたちの花もその資格ありですが、何故か、万葉で「からたち」の歌と言えば、
「からたちの 棘原(うばら)刈り除(よ)け 倉立てむ 屎(くそ)遠くまれ 櫛つくる刀自(とじ)」
という、酷い内容の戯れ歌しかありませぬ。
 もっとも、万葉の戯れ歌は、吉本興業のそれとは違って、不吉なことに出会ったら、普通は使わない言葉を使って戯れ歌を作り、その笑で邪気を払うという、呪術的な意味があったらしいので、今の感覚で「何と下品な・・」と言うのは当たらないのではありますが(笑)。
(2009.10.27 15:59:21)

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