< 承前 >
三瀬駅で鶴岡方面行きの電車を待つ。駅のホームで一人の男性と言葉を交わす。彼は小生とは反対方向の村上方面行きの電車に乗るという。村上の手前の駅で降りるという。地理感もなく駅の名も知らぬから「それは何という駅か」ときくこともしませんでした。
彼は小生が乗るという鶴岡方面行きは向かいの1番線ホームから出る筈だが2番線で大丈夫なのかと盛んに気にしていました。次の鶴岡方面行きの普通電車だけが2番線ホームから出ると駅待合室に表示されていたことを説明すると納得したよう。
やがて、彼が乗る電車がやって来て彼が去る。貨物列車が通過するとアナウンスがあったので、その通過を待ち構えて写真に撮る。ホームの端から端まで歩き、それぞれの方向の景色を撮影する。要するに手持無沙汰なのでありました(笑)。
何やら鉄道マニアのような写真になりましたが、ずっと先まで続く線路の眺めは旅愁を感じさせる。吹き来る風も亦然りであります。
そして、わが乗るべき電車がやって参りました。
三瀬駅からは羽前水沢駅・羽前大山駅を経て鶴岡駅は三つ目の駅。羽前大山駅の手前で羽越線は右にカーブし東西方向に走ることとなる。鶴岡駅に向かって左側の車窓に雪の山が見えて来た。北方向にあるから鳥海山でしょうな。
そして反対側の右窓にも高い山が。これは月山でしょう。手前にある低い山が羽黒山や湯殿山であるのでしょうが、どれとも分からない。この二つはもっと左側にあって写真には写っていないのかも知れない。所謂「出羽三山」でありますな。
芭蕉は奥の細道の旅で、出羽三山に登っている。
雲の峰幾つ崩て月の山 (芭蕉)
<参考>
六月三日、羽黒山に登る。(中略)八日、月山にのぼる。 木綿
しめ身に
引きかけ、 宝冠
に 頭
を 包
、 強力
と 云
ものに道びかれて、 雲霧山気
の
中に、氷雪を 踏
てのぼる事八里、(中略)息 絶
身こごえて頂上に 臻
れば、
日 没
て月 顕
る。笹を 鋪
、 篠
を枕として、 臥
て 明
るを 待
。日 出
て雲 消
れ
ば、湯殿に 下
る。(「おくのほそ道」岩波文庫より)
鶴岡駅前出発。先ず山王日枝神社を目指す。
境内の弁天堂の脇に芭蕉の句碑がある。
めづらしや山をいで羽の初茄子 (芭蕉)
この句は、「奥の細道」には掲載されていないが、随行した河合曽良が記録した「俳諧書留」の中に掲載されている句。奥の細道の旅の途中、元禄2年6月10日鶴岡城下にて、長山重行なる武士の招きで行った俳諧での発句である。これに続く長山重行の脇句は「 蝉に車の音添る井戸 」である。
その長山重行の屋敷跡が山王日枝神社の南700m位の処にあるということで訪ねることに。
長山邸に3日滞在した後、芭蕉は内川船着場から川船に乗船、赤川を下り酒田に向かう。
奥の細道でも「羽黒を立ちて、鶴が岡の城下、長山氏重行と云ふもののふの家にむかへられて、俳諧一巻有り。左吉も共に送りぬ。川舟に乗りて、酒田の湊に下る。」との記述がある。
芭蕉は酒田へと発ちましたが、ヤカモチの鶴岡市街地銀輪散歩は未だ続きます。しかし、文字数制限のようです。
続きは明日とします。( つづく
)
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