< 承前 >
橘諸兄さんにお別れし、元のまともな道に戻り、再びトレンクル君で出発。北へ。坂を下ると再び玉川である。玉川を渡り、再び坂を上る。つばき坂という名の坂。これを上り切ると府道321号に突き当たる。府道321号の坂を下った処に橘諸兄が創建したという井手寺跡があるが、今回はパスして上りへと入る。
正面奥に見えているのが山吹山なのか手前右手の山がそれなのかはよく分からないが、左手山裾の道が府道321号である。山を越えて安積皇子墓の前までこの道をずっと走ることとなる。
道は予想通りの坂道。延々と上る。時々一息ついて山の紅葉に目を遊ばせる。途中で
三脚のカメラを構えて山を撮影されている男性に出会った。こんにちは。「おはよう」には「おはようございます」という丁寧な言い方があるが、「こんにちは」と「今晩は」にはそれがない。「こんにちは、好いお天気でございますね。」など、後ろの言葉が省略された言葉だから仕方がない。
猛スピードで走り下って来る自転車族にも何人かすれ違った。
羨ましい(笑)。まあ、こちらも何れ下りとなるのだが。
名勝岩壺なる文字が目に入る。かなり足がだるくなり、息も荒くなっていたので、これを口実に自転車を降りて見学して行くこととする。
壺と言うからには、これがそうなんだろう。
漸くにして大正池への登り口に到着。
ここからは、草が茂り、落ち葉も降り積む凸凹の急坂で自転車は押したり担いだりして行くしかないのでありました。
ダムサイトに到着。大正池というのはダム湖であったのですな。上にはログハウスも見えているからキャンプ場になっているようです。何のことはない。もう少し先の方からは舗装道路でキャンプ場に入ることができたのでした。
キャンプ場には休日とあって、子供たちも大勢。
キャンプ場から眺める大正池はなかなかに宜しい。
池を巡る遊歩道もあるが、自転車で走るには少し難のある道のようなのでパスして、先を急ぐこととする。まだ、上りは続くのだから。
やがて杉林、檜林の中の道となる。井手町から和束町に入る。更にも坂道をうねうねと上って行く。いつの間にか隣を流れていた玉川も姿を消している。すると突然に目の前が開けて明るくなる。どうやら坂を上り切ったようである。杉林を抜けるとそこは茶畑であった。和束は桃源郷を文字って「茶源郷」と称しているそうだが、その言葉通り峠で迎えてくれたのは茶畑でありました。
途中休憩はあったものの、321号は自転車を押すことなく全行程を漕いで上ることができたのは、我ながら天晴れ。それを測ったかのように、和束の里の方からチャイムの音。正午の時報であった。
さればとて、この素敵な眺めを独り占めにして、お弁当タイムとしました。多分山の中でお昼だろうと弁当を持参したのでありました。
たたなづく 遠き青山 吹く風も いよよさやけし 和束の峠 (偐家持)
昼食の後は一気に下るだけ。天国と地獄は峠を境に接しているのですな。上って来た時の汗が嘘のよう。風が頗る心地よい。
九十九折りの坂を下った処に寺があったので立ち寄ってみた。
寺の由緒などは分からぬが真言宗の寺。まあ、いい雰囲気のお寺。
そうそう、今回は和束の茶畑の風景を見に来たのだから、その写真をお見せしなくてはなりませんね。
しかし、今日はここまでとし、茶畑の、これぞ和束という景色は次回ということに致しましょう。( つづく
)
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