< 承前 >
芭蕉庵の傍らには芭蕉の句碑がありました。
うき我をさびしがらせよかんこ鳥 (芭蕉)
金福寺のパンフレットでは当寺にての句とされているが、元禄2年伊勢長島の大智院で詠んだ「うきわれをさびしがらせよ秋の寺」の改作である。
西行の「訪ふ人も思ひ絶えたる山里のさびしさなくは住み憂からまし 」
(山家集937) と「
山里へたれをまたこは喚子鳥
(よぶこどり)
ひとりのみこそ住まんと思ふに 」
(同49) とを踏まえた句でもある。
では、芭蕉庵の背後の小丘にあるという蕪村の墓に参ることと致しましょう。しかし、その前に蕪村句碑を紹介して置きます。庭に入って先ず目に入った句碑でありました。
(蕪村、百池の句碑)
花守も野守に劣るけふの月 (蕪村)
西と見て日は入りにけり春の海 (百池)
蕪村の「花守も・・」の句は、前頁記事で紹介済みである。
百池は寺村百池。蕪村の門人。京の糸物問屋・堺屋の主人。
小丘の細い径を上って行くと蕪村の墓がありました。右隣には月居の墓があり、左隣には大魯の墓がある。月居も大魯も蕪村の門人である。
蕪村は門人たちに囲まれて眠っているのである。
しら梅に明 (あく) る夜ばかりとなりにけり (蕪村)
蕪村辞世の句である。
春夏秋冬で掲示される句は取り換えられるようであります。
少し離れて月渓の墓がある。弟の景文の墓と並んでいる。
上の大魯と下の月渓は、小説「恋しぐれ」にも登場するので、「やあ」という感じでありました(笑)。
月渓は、呉春とも号したが、大阪の池田に住んだこともあり、池田の酒「呉春」はこの月渓こと松村呉春に因む命名であるとのこと。呉春という酒の名は以前から知っていましたが、松村呉春のことは今回初めて知りました。
周辺には俳人や画家の墓や句碑が沢山ありましたが、全て存じ上げぬ名前でありました。一応、写真だけ掲載して置きます。
高浜虚子が蕪村の墓にお参りした時に詠んだ句もありました。
徂 (ゆ) く春や京を一目の墓どころ (虚子)
本堂に上がらせて戴くと、蕪村関連のこのような展示もありました。
(同上)
※写真をクリックしてフォト蔵画面に切り替え、それを再度クリックすると
写真サイズを拡大できます。他の写真も同様です。
どうやら字数制限のようです。本日はここまでとします。( つづく )
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