山田企画事務所_研究室

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歴史をこういう見方で


Y004(プランナーの眼)2000年原稿■■■■■
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以下、山田の色々な本を読んでのまとめなので、歴史の学説でいうと認められ
ていない説なども盛り込んであります。歴史をこういう見方も出来るのではと
いう形なので、面白く見てみるというテーマ、間違いなど多々あります。お
許しください。

●小京都「鎌倉」に関が原・明治維新を見る?●
「鎌倉」幕府あと源頼朝の墓100m範内にその遺構は残っている。2つの墓。
毛利家は、大江広元を租とする。大江広元・公文所の初代別当。この人が、守
護・地頭の献策者です。博学者といわれて大江匡房の曾孫。文章道(紀伝道ー
漢文学・史学)の教官を文章博士といいいますが、菅原・大江氏が主流です。
この大江広元の子供。毛利季光(すえみつ)の墓。また島津家は、この鎌倉時
代に九州大隈へ差し向けた御家人を租とします。島津忠久の墓。ここに関が原
・明治維新をみるわけです。登りは細い道なのでご注意。

●小京都「鎌倉」に平泉を見る?・永福寺跡●
奥州合戦により源頼朝に平泉は滅ばされる。がこの平泉にて、藤原秀衡の中尊寺
毛越寺に感動した 源頼朝は鎌倉に同じような寺院を建立。いまに残る二階堂の
地名はこの寺院(中尊寺・大長寿院)に因む。宇治にある平等院風の建物で在
ったといわれています。鎌倉宮の東・テニスコートの近くの空き地。
以上2項は山川出版社「神奈川県の歴史散歩下」より。自分の目で確かめました。

●崇徳上皇の怨霊●
1156年「保元の乱」を、「武者(ムサ)の世」のはじまりといわしめた慈円
(じえん)は藤原氏の人間であり、関白・九条藤原兼実の弟。源頼朝の宗教的
指導者となった。歴史書を著し・1220年に著わした愚管抄にこの言葉があります。

武者の世は、崇徳上皇と後白河天皇の争い「保元の乱」より始まり、その崇徳
上皇の「怨霊」は明治まで尾を引く。現在サッカー神社として名高い「蹴鞠神
社」の京都白峯神社は、明治元年。明治天皇によって建立され、白峯神社は讃
岐・香川県にある。「保元の乱」の後崇徳上皇はここに流される。現在の四国
88箇所巡礼の地である。明治帝は「崇徳」上皇の地鎮のためにこの神社を作っ
たが、鎌倉から江戸までずっと約700年、武者の世が続いたわけである。
1156年保元の乱で明治維新が1868年で。約700年ですね。
京都白峯神社は京都御苑西・今出川通り堀川通りの交差点側。讃岐・香川県の
白峯神社は坂出市です。

●「海の国」●
前回の「海の国」から続きますが、国家という概念です。瀬戸内海は、一つの
文化圏です。いわゆる船で往き来できる大きなクニです。
平安末期の平家の福原を中心とした海商国家、大輸田泊は現在の神戸港の一部
です。中世以降、兵庫島とよばれて、現在の兵庫県の名前の由来です。また同
じ頃、奥州平泉を中心とした満州沿州地方を東アジア貿易圏も考えられます。

現在のNHKテレビは元寇文永・弘安の役。を扱っていますが、「元寇」も実
は2回だけではなく、何度も計画されています。むろん、元から日本侵略の
計画があったわけです。逆に日本から高麗への侵攻計画もありました。この
時期、鎌倉の御家人が地頭として、日本全国へ敬っていったわけです。

時代が下がって「豊臣秀吉」時代の九州・畿内にはキリスト教徒が30万人いた
と言われています。当時のヨーロッパのスウェーデンの全人口が100万人程度で
あったことを考えると、日本に住むキリスト教徒で一つの国を作りあげるこ
とは可能だったでしょう。さらにはこの時期、イエズス会は日本占領計画を
立てていました。イエズス会の公式記録にもその記述はあるとされています。

同じ時期、九州の松浦家を中心に倭寇国家あるいは海賊国家といえるので
しょうか。長崎県の平戸は中世・松浦党の基地で遣唐使・南蛮貿易でも栄える。
九州・朝鮮・中国の海岸を中心に、一つの「クニ」を作っていました。

江戸時代初期、近松門左衛門の国姓爺合戦「鄭芝竜が、日本人妻の子
鄭成功を伴い、明を再興する話」で描かれている「鄭成功」の帝国と比較し
てみましょう。この時期、中国アモイを中心に5,000艘の艦隊が支配下にあっ
たと言われています。
岩波新書382「華僑」より

瀬戸内海が思ったより、昔から発展していて、沿岸の物量が盛んであっ
たことは「兵庫北関入船通帳」で有名になったわけです。これは、林屋先生
が京都の古本屋で発見したもので当時の関税をとっていた東大寺の資料です。
ちなみに、瀬戸内海とは明治以降の言葉で、それまでは「瀬戸」あるいは
「うちうみ」「うちのうみ」という表現です。
中公新書1466「瀬戸内海の発見」より




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