第2章 転校生


2032年8月29日日曜日

 俺の名前は横田達彦。親父の仕事の関係で北海道からこっちに引っ越してきた。
 小さなアパートに父と妹と三人暮らしている。
 母は、俺が小さい頃、虚血性心疾患に掛かり30歳という若さで亡くなり、
若かった親父が男手一つで俺と妹を育ててくれた。
 親父には感謝している。
 俺も、もう高校二年出し、そろそろ親父にも楽させてやらなきゃなあ。
 せっかく都会に来たんだからバイトでもするかあ。
 学校の始まるのは、三日後だからそれまでバイト先でも探そう。
 俺は、まず紀伊国屋に行き、就職情報誌を買って来ると、めぼしいものをピックアップし、
片っ端から電話で詳しい内容を聞いた。
 その中で条件のいいものについて、面接に行くことにした。
 時間は、明日の午前十時に、その店で行うことになった。
 情報誌の中にあった履歴書の用紙を取り出し、氏名:横田達彦、住所:○○市○○○、
経歴:北海北中学校卒業、白鳥学園高校二年、特技:う~む、何て書こうかな。
元気がいい、誰とでも仲良くなれる、とでも書いておくか。
 こんなんでいいのかな。
 俺は、今書いた用紙に目を通し、写真がいることに気が付いた。
 どうするかな?近所に写真屋なんてあったかな?ちょっと、探してみるか。
 俺は、玄関で靴を履いてる時、後ろから声がした。妹の恵である。
 「兄ちゃんどこ行くの?」
 「今から履歴書に貼る写真を撮ってくるんだ」
 「兄ちゃん、バイトするの?」
 「親父に少しでも楽させてやりたいからな」
 「私も、やった方がいいかな?」
 「恵は、来年高校受験だから勉強をしっかりとやるんだ」
 「兄ちゃん、一人で大丈夫?」
 「もちろんさ。俺はもう高校二年だからな、もう、大人なんだぞ」
 「兄ちゃん、頼もしいよ、頑張ってね」
 「ああ、じゃ行って来るよ」
 「行ってらっしゃい」
 俺は、手を振って見送ってくれる妹を残し、家を出た。
 写真屋はどこにあるんだ?
 ん、あれは?家を出て50mと歩かない所で、足を止めた。
 自分に関係ないものは殆ど目に入らない俺だから、気が付かなかったんだなあ。
 看板には、椎名写真館と書いてあった。
 よし、ここにしよう。
 俺は、自動ドアの前に立ち、ドアが開いたのを確認すると、中に入った。
 「すみません」
 「は~い、ちょっと待って下さいね~」
 店の奥から返事が返ってきた。その声は、若い女性の声だった。
 「はい、どうしました?」
 中から出てきたのは俺とあまり変わらない女の人というより、女の子という感じだ。
 「あの、履歴書に貼る写真を撮って欲しいんですが」
 「分かりました。ここで靴を脱いでこちらに来てください」
 俺は、言われるままに付いて行った。そこは、薄暗い部屋で白いスクリーンがあり、
その前に椅子が一つ置いてあった。
 「その椅子に腰掛けてお待ち下さい」
 女性にそう言われ、俺は椅子に座って待った。
 暫らくすると、年配の男の人がやって来て、俺の3mほど前にあるカメラをいじり始めた。
 やがて、男の人は俺に
 「それじゃ、このカメラを見てくださいね。4回撮影しますよ。はい、撮ります」
 ”パシャ”
 「はい、2回目撮ります」
 ”パシャ”
 「はい、3回目」
 ”パシャ”
 「最後ですよ」
 ”パシャ”
 「はい、終わりました。それでは、こちらのモニターの方に来てください」
 俺は、言われるがままに、モニターの前に行った。
 先ほど撮った画像がモニターに映し出されていた。
 男の人は、モニターを見ながら
 「この画像がいいんじゃないでしょうか?」
 俺は、その画像を見て
 「はい、それでお願いします」
 「それでは、入口にある椅子に腰掛けて、お待ち下さい」
 俺は、男の人の言葉が終わったと同時に、店の入口の方に向かって歩いていた。
 椅子に座って待っていると、奥から女の子が、手に写真を持って現れた。
 「履歴書用の写真をお待ちのお客様、お待たせ致しました」
 俺は、カウンターまで行き、写真を受け取ると、
 「幾らですか?」
 「800円になります」
 俺は、ポケットから1000円札を出すと女の子に手渡した。
 「200円のお釣りです」
 女の子は、笑顔でお釣りをくれた。
 俺は、お釣りを受け取ると、この店を後にした。
 家に着いた俺は、履歴書に先ほど撮った写真を貼り付けた。
 「これで、準備OKだ!」
 俺は、カバンにそれをしまうと、妹の部屋に行った。
 「コンコン」
 俺は、ドアをノックし、妹の返事を待った。
 「は~い」
 「兄ちゃんだ。入るぞ」
 「いいよ」
 俺は、ドアを開けて中に入った。妹は机に向かって座っていた。
 「勉強中済まないなあ」
 「いいのよ、たまに息抜きしたいから。それより、どうしたの兄ちゃん?」
 「ああ、俺さあ、明日バイトの面接に行くんだけど、もし、採用になると恵の面倒も
 見れなくなっちゃうから、一度、話し合った方がいいかなと思ったんだ」
 「私なら大丈夫よ。もう、子供じゃないんだから心配しなくても。それより兄ちゃんこそ、
 あまり無理しないでね」
 「その言葉を聞いて安心したよ。恵にも心配かけるかもしれないけど二人仲良く
 やっていこうな」
 「うん」
 「それじゃ、勉強の邪魔したら悪いから、行くわ。晩飯、何か食べたいものあるか?」
 「兄ちゃんの作くるもの全部美味しいから何でもいいよ」
 「そうか、じゃ、期待して待っててくれ」
 そう言うと、俺は、妹の部屋をでた。
 さて、晩飯は何を作ろうかな?冷蔵庫を開けて、食材を確認すると
 「めぼしいものは無いなあ。ちょっと買い出しに行って来るか」
 俺は、妹の部屋の前まで行き、声を掛けた。
 「恵、兄ちゃん買い物に行ってくるから」
 「は~い、気を付けてね」
 「OK!」
 俺は、近くの大型スーパーに向かった。
 店に入って、食料品売り場で物色していると、なんと牛肉が半額以下に。
 「BSEの影響で、ここまで牛肉が落ちぶれてしまったのか?確かに、イギリスでは
 BSEの牛を食べてクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)にかかって亡くなった事例は
 あるが、牛肉自体は、内蔵や骨髄などよりは安全(断定は出来ないが)だと思う。
 よし、今日は牛肉料理にするか」
 そうと決まれば、必要な材料をカゴに入れ、レジに並ぶ。そろそろ夕食の時間なんで、
買い物をする主婦の姿が多い。レジも結構込んでいた。その中で一番並んでる人の
少ないところを選んで列の後ろに付いた。
 なかなか順番が回って来ない。他のレジは回転が速いのに、どうしてだろうと前を
見るると、レジのお姉さんの胸元に実習生と書かれた名札が付いている。なるほど、
通い慣れた主婦の皆さんは、そのことを知っているから、違うレジに並んでいるんだ。 
 俺も並び替えるかなあ、と思ったがレジのお姉さんに対して失礼になっちゃう。
 まあ、俺はそんなに急いでいるわけでもないので、じっくり待つとするか。
 そして、俺の番になった。
 黙々とレジを打つお姉さんに、
 「2532円になります」
 と言われ、3000円を渡した。
 「468円のお釣りとレシートです」
 俺は、お釣りとレシートを貰うと、
 「お姉さん、頑張って下さい」
 と、一言だけ告げてその場を離れた。
 皆、それぞれに頑張っているんだよなあ、俺も頑張らなくっちゃなあ。そう思いながら
家路に付いた。西の空は、夕焼けに染まっている。それを見ていて
 「明日も良い天気になりそうだ」
 と独り言を言っていた。
 家に着くと、台所へ直行し、食材を袋から取り出していると、妹がやってきた。
 「どうした?」
 「ちょっと、休憩。」
 「今日スーパーに行ったら牛肉の安売りしてたから、いっぱい買って来ちゃったよ」
 「やったあ!お肉だ~い好き。今日の夕食は、焼肉かな?すき焼きな?」
 「今日はビーフストロガノフだ」
 「えっ、兄ちゃんそんなの出来るの?」
 「俺には、強い味方があるんだ、これだよ」
 俺は、妹にそれを見せた。
 「な~んだ。料理の本を見て作ってるんだ」
 俺は、『やさしい料理』という本をペラペラ捲って中身を見せた。
 「そんなに馬鹿にしたもんじゃないぞ。今まで、兄ちゃんが作った料理、美味いって
 言ってただろう」
 「うん、兄ちゃんの作る料理、美味しいよ」
 「今日だって美味しいビーフストロガノフを作るから期待してろよ」
 「うん分かった、お腹すかして待ってるね。出来るまで部屋に戻って勉強してるね」
 「恵、第一志望校は決めたか?」
 「本当は、白鳥女子高校にしたかったんだけど、兄ちゃんと一緒にいたいから、
 同じ白鳥学園高校に決めた」
 「おいおい、そんなんで決めちゃっていいのか?白鳥女子高校の方がレベルは
 上なんだから、受かる可能性があるんだったら、女子校を受けた方がいいんじゃないか?」
 「いいの。私もう決めたんだから」
 「そうか、それなら兄ちゃんは何も言わない。親父はそのこと知ってるのか?」
 「まだ、言ってない」
 「早いうちに言った方がいいな。今日でも親父帰ってきたら話してみるか?」
 「でも・・・」
 「兄ちゃんは、恵の味方だ。話すだけ話してみよう。それじゃ、兄ちゃんは夕飯の
 支度をするから」
 「うん、分かった。部屋に戻ってるね」
 妹がそんなこと考えたなんて思ってもみなかった。たった二人の兄妹なんだもん、
助け合って生きて行かなきゃ。
 「おっと、もう、こんな時間か。早く支度しなきゃな・・ブツブツ」
 俺は、米を研ぎ、炊飯器にかけると『やさしい料理』の本を広げながら手順通りに
作っていった。
 「結構、煮込まないといけないから、時間がかかったなあ。そろそろ、恵を呼びに
 行かないと、腹すかせているだろうなあ」
俺は、妹の部屋の前まで来て、ドアをノックした。返事が無い。
 「お~い、恵。居ないのか?」
 俺の呼びかけにも反応がない。ドアのノブに手を掛けると、それを回してドアを開けた。
 部屋の中は、電気が付いて無く薄暗かった。
部屋の中をぐるっと見渡すと、ベットに横になっている妹がぼんやりと見えた。
 かすかに寝息が聞こえている。
 「疲れているみたいだなあ。朝から晩まで勉強してるからなあ、そっとしておいて
 やろう」
 「・・・・・・」
 「今、寝言を言ったような気がするけど」
 「・・・兄ちゃん・・・大好き・・・だよ」
 「アハハ、何言ってるんだ、コイツは」
 俺は、妹をゆっくり寝かせてあげようと、静かに部屋の外に出た。
 居間に行くと、俺はテレビのスィッチを付けた。七時前なんでニュースしかやってない。
 ぼんやりとニュースを聞いていた俺は、一つの事件で我に返った。その事件は、
通り魔殺人未遂事件であった。それだけ聞くとよくある事件じゃないの、と言われ
そうですが、この事件には続きがあるんです。その事件は俺の家からそう遠くない場所で
起こったんです。と言っても、近所ではなく隣町での話なんですが、犯人は、
まだ捕まってないそうでどこに身を潜めているか分からない。もしかすると、
この町のどこかにいるかも知れない。
 「物騒な世の中だよなあ。警察は何をしてるんだ」
 と、言っても何も変わらない。それが現実なんだ。
 などと考えていると、
 「ピンポ~ン」
 誰か来た。この辺には知り合いはいないはずなのに、誰だろう。俺は、玄関まで行くと
 「どちら様ですか?」
 と尋ねた。
 「俺だ」
 最近は、電話だけでなく直接来るオレオレ詐欺も流行っているのかな?
 「おまえ、親の声も忘れたのか?」
 「親父か?鍵持っているだろう」
 「鞄に入れたつもりだったんだけど、見つからないんだ。いいから早く開けてくれ」
 俺は、のぞき穴から親父を確認すると、鍵を解除してドアを開けた。
 「なんで早く開けないんだよ、ホントに」
 俺は、さっき見たニュースのことを親父に話した。
 「そうだったのか。それは悪かったなあ」
 「それより、鍵どうすんだよ。ポケットに入ってるんでないのか」
 親父は、上着の外ポケットに手を突っ込んで、声を出した。
 「ごめんごめん、有った」
 「そそっかしいんだから、親父は」
 「今回のことは済まなかった」
 「いいんだよ。それより晩飯は食べた?」
 「いや」
 「今日は、牛肉が安かったんでビーフストロガノフを作ってみたんだ」
 「いつも悪いな。父さんがもっとしっかりしてたら、こんなことにはならなかったのに」
 「親父のせいじゃないよ。母さんは、神様の気まぐれによる運命だったんだよ」
 「ありがとう。達彦」
 「そんなにしんみりするなよ。さあ、飯でも食おう。今、用意するから」
 「済まない・・・」
 俺は、潤んだ瞳を親父に見せまいと、背を向け台所に向かった。
 「達彦、恵はどうした?」
 「自分の部屋で寝てるよ。勉強で疲れたんじゃないのかな」
 「ちょっと、見て来るか」
 親父は、立ち上がると恵の部屋に行った。
 「恵、入るよ」
 「お父さん、お帰りなさい」
 「起きてたのか、どうだ、勉強の方は?」
 「ちゃんとやってるよ」
 「そうか、でも、あまり無理するなよ。体壊したら元も子もないからな」
 「分かってる」
 「お腹空いてないか?お兄ちゃんが晩ご飯作ってくれたから、久しぶりにみんなで
 食べよう」
 「は~い、今、行く」
 「じゃ、先、行ってるよ」
 「親父、出来たよ」
 「おう、そうか。今、恵も来るからちょっと待ってよう」
 「親父、恵のことなんだけどさ。・・・」
 「お待たせ」
 「それじゃ、食べようか。俺が腕によりをよって作ったから美味しいぞ」
 「達彦・・・」
 「いっただきま~す」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「ごちそうさまでした。どうだった?」
 「美味しかったよ。兄ちゃん、コックさんになったらいいんじゃない?」
 「料理の本見ながら作るコックなんかいないぞ」
 「・・・達彦、さっき言いかけたことってなんだ?恵がどうしたんだ?」
 「まあ、大した事じゃないんだけど、恵が俺と同じ高校を受けるって言ってるんだ」
 「兄ちゃん・・・」
 「俺としては、白鳥女子高校の方がレベルが上だし、恵がそのレベルにあるなら
 白鳥女子高校を受けた方がいいと思うんだよ」
 「父さんもそう思うけど、受ける本人が白鳥学園高校を受けたいと言うなら父さんは
 何も言わない」
 「お父さん・・・」
 「良かったな、恵。でも、レベルが低くても、勉強怠けると・・・分かるな」
 「分かってるって、兄ちゃん」
 「ハハハ、よし、風呂入って寝るか」
 俺は、椅子から立ち上がると、風呂場に向かった。
 「今日は、疲れたな、風呂入って、早く寝よう」

2032年8月30日

 次の日、俺は家を九時二十分に出た。バイトをする店は学校の近くにあるため、
学校が終わってすぐ行ける場所というのが良かった。
 歩いて三十分ほどで目的の場所に着いた。
 その店の営業時間は、十時から十九時までである。
 「今は十時十分前だからもう少ししたら開店の時間だな」
 と考えていると、ドアが開いて中からオジさんが出てきた。店の前の花壇に水を
やり始めた。俺は、声を掛けてみた。
 「お早うございます」
 オジさんは、水をやるのをやめて俺の方を見た。
 「やあ、お早う。最近の若い者にしちゃ、挨拶が出来るとは珍しい。で、何じゃ?」
 「アルバイトの広告を見て、昨日、電話した者です。十時から面接して貰えると
 聞いて来ました」
 「あんたが、そうじゃったか。ちょっと、そこで待ってて貰えるかのう」
 「はい」
 オジさんは、再び花に水をやり始めた。一通り花に水をやり終えると、振り返って
 「お待たせしたのう。それじゃ、中に入って貰おうか」
 俺は、言われる通り、オジさんのあとに付いて、店の中に入った。
 中に入ると、
 「採用じゃ」
 俺は、耳を疑った。まだ、何も話しをしていないのに。
 「えっ、まだ面接してませんよ」
 「さっきのあんたの行動で全て分かった」
 さっきの行動、まだ挨拶しかしてないのに。
 「うちは、商売をしておる。商売に必要なのは挨拶がちゃんと出来るかじゃよ。
 あんたは、それがちゃんと出来た。他に理由などいらんのじゃ」
 「あ、でも、素性の分からない人間を採用して、あとで何かあったら困るのでは」
 「アハハ、あんたは、しっかりしてる。大丈夫だ」
 「でも、俺は高校生なんだけど良いんですか?」
 「うちの店は、大人相手だけじゃない。小中高生だって相手にしてるんだから
 心配ないって。で、どこの高校じゃ」
 「この近くです。でも、この夏休みに引っ越して来たばかりだから、まだ一度も
 学校には行ってません」
 「ほー、どこから来たんじゃ」
 「北海道からです」
 「わしも昔、北海道に住んだことがあるんじゃ。もう、三十年になるかな。
 地平線の彼方まで牧草畑が広がっていた。家に戻ると、家畜舎があって、そこで
 牛の鳴き声が辺り一面に響き渡っていた。懐かしいな」
 「オジさんは、どこに住んでいたんですか」
 「わしは、帯広と言うところじゃ」
 「俺は、札幌しか知らない」
 「今の札幌はどうじゃ」
 「こっちにはかなわないけど、北海道の中では一番都会だよ。ビルが建ち並び、
 道路は、拡張され、地下鉄が縦横無尽に張り巡らされている」
 「そうか、北海道も変わってしまったんだなあ。さ~て、そろそろ、時間じゃな。
 と言っても、客が大勢来るわけでもないけど」
 「俺、どうしたらいいでしょう?」
 「いつから、来れるかな?」
 「本当は、今からでもと言いたいんだけど、妹が来年高校受験なんで、休みの日は
 面倒見てやらないといけないんです」
 「お母さんは?」
 「病気で俺が小さいときに亡くなりました」
 「そうだったかあ。じゃ、おまえさんが来れる時でいいぞ」
 「分かりました。明後日から俺も妹も学校が始まるんで、その日からお願いします。
 学校が終わる三時頃に来ます」
 「よし、分かった。おまえさんに頼むとするか」
 「ありがとうございます。一応、履歴書置いていきます」
 「うむ」
 「それでは、失礼します」
 俺は、オジさんに一礼すると、家に戻った。


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