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「フランスパンはこね時間も少なく」と言われています。例えば、バターロールや各種食パンなどは27度の捏ね上げ温度で20分ほど捏ねますが、バタールなどのフランスパンでは24度の捏ね上げ温度で12~3分程度です。フランスパンではリッチなパンのように砂糖や油脂が使われていませんので、長く捏ねると生地を傷めてしまう心配があるからです。 こね上げ温度が低いのは、前回お話したように、少ないイーストで、しかも活動し難い低温の条件のもとで捏ね上げ、さらに低温長時間醗酵で、本当に少しずつアルコールや炭酸ガスを発生させてフランスパン独特の風味を出すためです。 ただ、コネはどうでも良いというのでは決してなく、グルテンを発展成長させるためにコネは必要です。このコネの効果を増幅させてくれるのが、今日の話の「オートリーズ」です。わたしは、フランスパンの場合は小麦粉と水(ビタミンC含む)、モルトを入れて2分捏ねます。それから約30分こね器を止めて休ませます。これが「オートリーズ」です。その後イーストを入れてチョット捏ねてから、塩を入れ約10分間こねて終了です。 オートリーズの効果は、こね時間を短縮してくれる事と生地を滑らかにして伸張性を増してくれる事です。終わってから見ると見た目でも生地が滑らかに艶が出ていることが分かります。ここでも塩はイーストの活動を抑えますので、イーストを入れて少し捏ねてから塩を入れます。やむを得ず同時にこねる時ででもイーストと塩は反対側に置きます。 このようにこだわりで愛情を持って作ったフランスパンは美味しくないはずがありませんね。
2004.03.14
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今日はイーストの話です。ベテランの皆様はそんなことはとっくに知っていると仰るかもしれませんね。 フランスパンは砂糖やバターなどを入れずに、小麦粉と塩とイースト、水、若干のモルトやビタミンCのみで作ります。このイーストについて言いますと、普通の食パンやアンパンなどでは、小麦粉に対して2%ほどのイーストを入れますが、フランスパンでは0.6~0.7%ほどしか入れません。実に三分の一ですね。 これは何故でしょう?フランスパンの場合は、イーストを少なくして、しかも23~24度という活動し難い条件の元でじっくりと時間をかけて醗酵をさせるためです。もし、大量のイーストをここで使ったら、醗酵中にに生まれるはずの風味や成分が得られ難くなるからです。イーストの活動適温は28~32度ですが、23~24度というイーストにとっては活動し難い条件で少しずつアルコールと炭酸ガスを発生させながらフランスパン独特の風味を作っていきます。逆にバターロールやクロワッサンなどのリッチなパンでは、バターや砂糖などの材料の持ち味を第一に考えるためにイーストを多めに入れて醗酵時間を短くしています。 私たちのように家庭で作るこだわりが持ち味のパン作りは、専門のお店のように人件費やコストなどを考える必要のない強みがあります。「家庭ではフランスパンは無理』などという人がいますが、この点だけ考えても、少ないイーストで低温長時間醗酵をして、こだわりと愛情をもって作るフランスパンは、むしろ私たちに向いているといえるかもしれませんね。 今日では写真のような便利な「インスタントドライイースト」があります。ミキサーボールに直接入れるだけで酵母が活動しますが、それでも冬季はミキシングを開始してから1~2分後にイーストを投入しています。あまりの低温では醗酵が遅れてしまうからです。 「フランスパンはこね時間もやや少なく」と良く言われます。次回はこねの問題から「オートリーズ」の取り方について買いてみたいです。
2004.03.13
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ナショナルスチームオーブン(NE-J720)です。今日はこのオーブンの使い勝手についてお話します。 このオーブンは、庫内は30L、横長型でターンテーブルはありません。自動焼成のプログラムは、フランスパンとバターロールのみで自動焼成のときのみ、約50ccの水でスチームを発生させます。 まず、高温で約20分予熱(季節で違う)しておいて、予熱終了のブザーで二段に生地を入れて扉を閉め、自動焼成に入りま。手順としては上段は捨て棚の感じで、比較的低いブールとかエピを前もって鉄板に乗せて用意しておきます。従ってこの上段の鉄板は予熱無しです。 下段に入れるバタールは、予熱終了と同時に、スリップピールに移してクープを入れます。そして扉を開けて高温予熱した下段の鉄板に素早くスリップピールでバタールの生地を二個投入して扉を閉め自動焼成します。すぐに50ccの水が投入されてスチーム焼成が開始するわけです。 何故このような面倒な事をするのかと言いますと、予熱終了で扉を開けてしまうと2分で自動焼成に入らないと、また高温予熱が再開されてしまう事、上段は横長型のため高さが足りず、バタールの焼きが悪い事などの理由があります。 とにかく、このオーブンでは少なくとも下段は当たりはずれがなく、失敗のないバタールが焼けます。自動焼成ですから使い方のコツさえ掴めば職人さんが一定のプログラムでパンを焼くようなものです。 また、自動でしか蒸気が出ませんが、最初自動で蒸気焼成をして、すぐに手動で好きなレシピでパンを焼くと良いでしょう。ただ、このオーブンは最高温度が250℃です。電気オーブンの場合は同じ焼成温度でもガスオーブンと比べて20度近い差がありますので、火力の点ではどうでしょうか?私は、各種食パンやフランスパン系統のみにこのオーブンを使っています。それで言えばセカンドオーブンということでしょうか。
2004.03.12
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専門店の大きな釜では、一度に多くのパン生地が焼かれますが、これを一つずつ入れていたのでは仕事になりません。そこにはスリップピールといってキャタビラのような大きな器具で一度に多くの生地が放り込まれます。 さて、私たちの家庭用のオーブンでも、高温予熱した庫内に生地を入れるのですが、モタモタしていたら庫内の温度が下がりますし、あわてて生地が引っ付いても困ります。焼けども跡を絶ちません。そこで、家庭オーブン用のスリップピールのようなものが出来ないかを考えました。当時yahooの掲示板でベテランの方が色んな参考意見を頂き、出来上がったのが写真の「ワンタッチスリップピール」です。 クッキングシートまたはオーブンシートを鉄板ギリギリの大きさの袋状に作り、この中にチリトリのような冶具を入れて袋ごと生地を庫内に入れます。写真はバタールですが、高温の庫内に3秒以内で二つのバタールを整然と放り込めます。詳しくはHPにも掲載していますので参照くださいませ。
2004.03.11
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ガスオーブンでフランスパンを焼く場合は、蒸気を得るために小石や耐火煉瓦などを入れて、これを高温予熱してから水をかけて蒸気を作ります。 まず、小石か煉瓦ですが以前は耐火煉瓦を使用していましたが、小石の方が蒸気が勢い良く立ち上がります。小石は私は園芸用の五色石(安物です)。那智黒石のような硬いものが最適です。岩状の石やささくれている石は、高温で割れてしまうことがあります。五色石も時々ヒビ割れが出ていないかチェックしています。 小石を上段に入れて上から蒸気を下の生地に落とし込むか、下段に小石を入れて下から上段の生地に蒸気を立ち上げるかは人それぞれのようですが、私は蒸気の性質上、下から上に立ち上げるのが良いと思っています。出来るだけ細かい質の高濃度の蒸気を一気に上に立ち上げて上段の生地にゲル上にしみ込んで欲しいです。 水の量は、オーブンによって違います。シャープのオーブンでは100ccも入れるらしいですが、私のガスオーブンでは50~60ccが丁度良いようです。あまり多くの水の投入を繰り返すと故障の原因になる可能性が高くなります。これも実際にご自分のオーブンで色々試されて最良の水の量を確認して欲しいです。 なお、水はお湯ではなくて冷水を使っています。以前はお湯を使っていたのですが、240度に熱しられた小石に、冷たい水を掛けると、急激に水が、蒸発して、熱湯の時より、蒸気の粒が小さく飛び散るとプロの職人さんに教えていただきました。勿論、水を投入する時は、コップではなくノズル付きの入れ物を使います。凄い蒸気ですので火傷の危険があります。 順番をおさらいしますと、最初に小石を入れておいて240℃で20分ほど高温予熱しておいて生地を入れます。小石の入っている鉄板を少し引いてだし、水を投入します。この時一気に蒸気が立ち上がりますが、すぐに扉を閉めて3分ほど待ってから焼成のスイッチをいれます。すぐに焼成に入るより、蒸気が全部生地の表面にしみ込んでからの方が良いと思っています。 このように色んな方法があり、これらの組み合わせのやり方で結果が違ってきます。その時にどんな組み合わせで焼いたかを記録して、焼き上がりの写真を添えてフランスパンノートを作っていますが、その時の生地の状態も大きく影響しますのでなかなか結果が出ません。
2004.03.10
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私のガスオーブンは、リンナイRMC-12Eです。庫内は33Lとこのクラスでは広く、大変気に入っています。ただ、蒸気の出ないこと、ファン方式なので上下の火力調節はありません。また、パンの外皮に必要なだけの熱風をかける機能もありません。この辺りは数万円の家庭用オーブンですから仕方ないでしょうね。専門店の数百万円ものする機器との違いを創意工夫で何処までカバーできるかがポイントでしょう。 このガスオーブンでバタールなどを作るのは本当に難しいです。写真は下段の小石に水を入れて蒸気を発生させていますが、小石をどんな種類で(例えば耐火煉瓦)のどれくらいの大きさのものをどれだけ入れるか、小石を入れた鉄板を下段にするか上段にするか、入れる水は冷水かお湯か、水の量は何ccか、小石の予熱をどれくらいにするか、水を入れて蒸気を発生させ、扉を閉めてからすぐに焼成をかいしするか、3分ほど待って焼成を開始するか、などなどの問題があります。 こねから醗酵、成形、クープなどの工程だけでも大変なのに焼成でも焼成温度や時間だけでなく色んな使い勝手の組み合わせがあり、そこがフランスパンの面白さではまってしまう所でしょうね。次回はこれらのガスオーブンでの使い勝手の組み合わせについて、私なりの経験をまとめてたいと思っています。
2004.03.09
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バタールは、ナショナルスチームオーブン(NE-J720)とリンナイガスオーブン(RMC-12E)の両方でやいています。写真のバタールは、スチームオーブンで焼いたものです。どんなオーブンでも仕上げ醗酵が終わって、クープを入れた後で生地がどのような状態であるかが前提条件ですが、これまでの工程が最良で通過しても、これからそれぞれのオーブンの使い勝手が待っています。スチームオーブンではフランスパンの自動焼成のプログラムで焼成しますので、ガスオーブンよりは簡単ですが、上下の鉄板の利用の仕方で下段のバタールの焼き上がりに大きく影響します。現在は下段にバタール2個、上段には小型ブールかエピを置いて焼成していますがこれが一番下段のバタールの焼き上がりに良いようです。 ガスオーブンの場合は、小石を高温余熱して水を入れていますが、色々なやり方、組み合わせがありこちらの方は複雑で研究し甲斐があるようです。これについては次回にでもお話したいと思っています。
2004.03.08
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今日もバタール。もう何百回焼いたでしょうか。未だこれで完璧というバタールを焼いた事はありません。普通パン職人が使っておられる機器類とは対極と言ってよいほどの簡易的な家庭用のオーブンや器具類でフランスパン専門店のパンに匹敵するものを作る所に、遠くて奥深い道があるのかもしれませんね。 とにかく、今は一つ一つの工程を丁寧に作る事。全ては生地次第、クープを入れていても生地の感じで焼き上がりが大体分かりますね。
2004.03.07
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