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Jul 24, 2011

近藤未奈美さんの「線像」作品に再会＠ Exhibition C-DEPOT 2011 “Gravity” ＠スパイラルガーデン

テーマ：美術館・展覧会・ギャラリー(8880)

カテゴリ：美術館・画廊メモ

（みなみ）さんの作品に平成23年春の東京藝大デザイン学科卒展で出会ったのは衝撃だった。
今回スパイラルガーデンのグループ展であらためて、その魅力を再認識した。

スマホの画面を親指で押す男、本を読みながら寝転ぶ女、パソコンのキーボードにさわる赤ん坊。
その軽妙なドローイングを黒い太目の針金で作ってしまったとしようか。

平面をかたちづくるドローイングの線を3次元に曲げ拡げて statue にした。彫像ならぬ「線像」にした。
そこに無い立体が虚空に浮かび出る。針金細工を契機として、ぼくの目と脳が像を生み出す。その快感。

凡作であれば、たとえば指の形をつくるためには、縦の U 字型の針金をいくつもの輪で囲むことで立体をあらわすだろう。
近藤未奈美さんの技法はそうではない。ドローイングで描くであろう線だけ。その曲がり具合だけで、そこに無い立体を見せる。

手法からしてミニマルだが、それでいてドローイングの線としては都市感覚の快い饒舌さもたたえている。

立体喚起力のあるカーブを見つける技は天才的だ。
彼女の作品がニューヨーク近代美術館（MoMA）入りすることを発作的に予感した。

卒展会場のノートに住所を残したので、近藤さんが今回のグループ展の案内をくれたのである。
会場に行って記帳したら、受付の女の子が
「ブログを書いてくれた方ですか」
と聞く。なんと、近藤未奈美さんそのひとだった。

卒展のときの感想を再録する：

平成23年2月3日ブログ「再訪　東京藝大卒業・修了作品展　学部生は総合工房棟のデザイン科作品がおもしろい」

≪◆ 近藤未奈美さん（学部・デザイン）　「始まりは一本の線」

総合工房棟3階に展示。

彫像は見る角度によってほとんど無限にカタチを変え、どのカタチも作品だ。
見る角度選択の無限の可能性から最適の角度、彫像が自ずと求めているカタチを発見するのがひとつの楽しみ。

さて、近藤さんの作品は「彫像」ならぬ、言うならば、その、「線像」とでも呼ぶべきだろうか。木や石を彫る代わりに、針金細工で像をつくってしまった。
彫像とちがって、作家が想定した「見る角度」が容易に類推できる。針金細工の場合、角度がズレると顔が福笑い状態になるからね。

近藤さんがフランスで絵日記に描いた人物の線画を、針金で立体化した作品たち。
彫像よりも見る角度は限定されるが、逆にこの針金細工軍団はほんの少し見る角度が変わっただけで劇的に表情が変わる面白さがある。

展示室のノートに学友たちが盛んに書き込んでいた。人気の学生さんのようです。≫

ご活躍を！

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