この経験から,CISA(Certified Information Systems Auditor,公認情報システム監査人)やCIAには以前から興味を持っていた。CISA試験に関しては,2007年2月に無事合格することができた((関連記事)。そして,CISA試験に合格した後,すぐにCIA資格の取得を目指すことを決断した。
CIAは,次の4つの試験科目(Part)から成る。
PartI:ガバナンス,リスク,コントロールにおける内部監査の役割(The Internal Audit Activity's Role in Governance, Risk, and Control) PartII:内部監査の実施(Conducting the Internal Audit Engagement) PartIII:ビジネス分析と情報技術(Business Analysis and Information Technology) PartIV:ビジネス・マネジメント・スキル(Business Management Skills)
問題は世界共通であり,各Partとも出題数は125問で試験時間は3時間30分。試験方式は択一式のマークシート方式だ(2008年5月から 100問,2時間45分のCBT=Computer Based Testingに移行する)。試験の得点は250~750ポイントのスケールドスコアに換算され,各Partとも合格ラインは600ポイント以上となっている。全Partに合格したうえで(1)教育要件(4年生大学卒業など),(2)CIAなどの資格保持者の推薦,(3)実務経験(内部監査,監査役監査・公認会計士監査,財務・法務のいずれかの実務経験を2年以上など)があれば,CIA資格の認定を受けられる。
試験概要:CIA(Certified Internal Auditor,公認内部監査人) 内部監査人の能力の証明と専門性の向上を目的として,内部監査に関し指導的な役割を担うIIA(The Institute of Internal Auditors)が認定する国際的な資格。現在は毎年2回,5月と11月の第3水・木曜日に全世界約80カ国(日本は東京,名古屋,大阪,福岡)で試験を実施している。2008年5月からはCBTに移行するため,通年で受験可能になる。資格取得には,2年以上の内部監査・監査役監査・公認会計士監査,財務・法務の実務経験が必要。日本での累積合格者数は1993名(2006年)。
理想的なのは,試験に合格するとともに実務経験を証明することで資格を取得できる制度だろう。この制度を採用しているのが,システム監査に関する国際資格「CISA(Certified Information Systems Auditor,公認情報システム監査人)」であり,以前から大きな興味を持っていた。2002年から,システム監査関係の実務経験を積んでいた筆者は, 2005年にこの資格の取得を目指すことを決断した。
分厚い教材をこなせず
CISAは6つのドメイン(科目)から成り,
(1) IS Audit Process(情報システム監査のプロセス)10% (2) IT Governance(ITガバナンス)15% (3) Systems and Infrastructure Lifecycle(システムとインフラストラクチャーのライフサイクル管理)16% (4) IT Service Delivery and Support(ITサービスの提供と支援)14% (5) Protection of Information Assets(情報資産の保護)31% (6) Business Continuity and Disaster Recovery(災害復旧と業務継続)14%
という比率で出題される。
教材としては,CISAを認定する「ISACA(Information Systems Audit and Control Association,情報システムコントロール協会)」が販売している「レビューマニュアル」,「試験サンプル問題&解答・解説集」(625問),「試験サンプル問題&解答・解説集(追加)」(100問)がある。
そして7月27日,試験結果のメールが届いた。「不合格」だった。「Your total scaled score is 72. A scaled score of 75 is required to pass.」とある。72点。合格ラインの75点に対して,わずか3点の不足である(ちなみにこの点数は科目ごとの得点の単純平均や加重平均ではない)。 6つの科目の得点は以下の通りだった。
73 IS Audit Process 75 IT Governance 76 Systems and Infrastructure Lifecycle 75 IT Service Delivery and Support 69 Protection of Information Assets 66 Business Continuity and Disaster Recovery
そして2007年2月2日,試験結果のメールが届いた。合格だった。「We are pleased to inform you that you successfully PASSED the exam with a total scaled score of 78.」とある。78点と,点数は思っていたよりも低かった。6つの科目の得点は以下の通りである。
73 IS Audit Process 80 IT Governance 75 Systems and Infrastructure Life Cycle 81 IT Service Delivery and Support 75 Protection of Information Assets 90 Business Continuity and Disaster Recovery
試験概要:CISA(Certified Information Systems Auditor,公認情報システム監査人) 情報システムの監査,セキュリティ,コントロールに関する高度な知識,技能と経験を持つプロフェッショナルとして,ISACA(情報システムコントロール協会,本部は米国イリノイ)が認定する国際資格。毎年2回,6月と12月の第2土曜日に,全世界約70カ国180都市(日本は東京,名古屋,大阪,福岡)で試験を実施。全試験会場で日本語,オランダ語,英語,フランス語,ドイツ語,ヘブライ語,イタリア語,韓国語,中国語,スペイン語で受験可能。資格取得には,最低5年間の情報システム監査,コントロール,セキュリティ分野の実務経験の証明が必要。
新福 保隆(しんふく やすたか) 1983年大学卒業後,教育系出版社の編集記者,大手予備校・資格スクールの出版部門などに勤務。その後,FC経営コンサルタントやIT講習講師,書籍執筆,内部監査,システム監査,ISOコンサルティングなどを経験。趣味は資格取得で,上級システムアドミニストレータ,第一種情報処理技術者,DB2エンジニア,MOT(Microsoft Official Trainer )といったIT関連資格のほか,特定社会保険労務士,宅建,行政書士,衛生工学衛生管理者,一般旅行業務取扱主任者,防災士など134の資格を取得している。現在はCISA,簿記などの資格試験受験対策講座の講師,ハローワークの若年者向け公共職業訓練メイン講師,小中学校教職員向けICT講師,ITサポートエンジニアとして幅広く活動中。