ほんとの日々

ほんとの日々

2023年09月01日
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カテゴリ: 朗読時光




8年ぶり(もうそんなに経っているんですねえ)に
野村胡堂の『食魔』を読みこんでいます。

『食魔』の一つの特徴は「カリカチュア」

私はこの作品に触れるまで
「カリカチュア」という言葉に
あまり馴染みがなかったのですが
皆様は御存知でしたか?

「カリカチュア」とは
人物の性格や特徴を際立たせるために


美術においてよく使われる言葉のようですが、
文学的な表現に関して使われることもあるそうで
「なるほど!」と思った次第です。

というのは、この『食魔』
5人の語り手が出てきてお話をするというスタイルなのですが
喋りだす前にとても細かく
この語り手たち自身のことが説明されているのです。

例えば
(この前に更にちょっとした生い立ちも入っています)

小柄で少し粗野で、
そのくせ存外に神経質な身拵をした
四十を越した男、
弁舌はなかなか達者で、
口辺に不断の微笑を湛えながら、
会心の皮肉や洒落が出ると、
小さい眼をパチパチさせながら、
少し仰向いて四方を睥睨する男


いかがでしょう!
かなり具体的ではないですか?



このカリカチュアで、戸田樹一の風貌を想像して下さい

という読者へのメッセージ付き!!
斬新!!!

黙読ですと当然、
文字からひとりで人物を想像するわけですが
朗読には「読み手」が存在します。


読み手が想像した「声」という情報も合わさって
人物が浮き上がるのです。

これぞ、朗読の醍醐味。

ぜひぜひ会場で一緒に
5人の登場人物を作り上げていきましょう^^

第Q藝術地下セラールームでお待ちしていますよ。





朗読 「私の一冊」
Vol.12  春日玲 野村胡堂の『食魔』を読む

2023.10.13(金)
19時開場/19時30分開演

会場 
アトリエ第Q藝術 地下セラールーム
(小田急線成城学園前駅徒歩3分)

演目
『食魔』(奇談クラブ戦後版より) 野村胡堂/作

【 私はもう、この世でなんの望みも無くなりました。
  が最後にたった一つ、ほんの一つだけ、味わい残したものがあります。】

親しい友人たちを招いて自慢の料理を振るまう
美食主義者の伯爵・海蔵寺三郎。
美味追求のために破産宣告を受けた海蔵寺の最後の望みとは。
「食」への執着心が恐ろしいホラー奇談。

作/野村胡堂(のむらこどう)

1882年~1963年。小説家・音楽評論家。岩手県出身。
新聞社勤務の傍ら本格的に小説の執筆を始めたのは40歳の頃。
『銭形平次捕物控』の存在があまりにも大きいため
一般的には人情派の捕物作家という印象が強いが、
数多くの怪奇、探偵、伝奇小説の名作を残し
「胡堂の真髄は綺談と冒険物にある」とも言われている。
『奇談クラブ』シリーズは胡堂の伝奇小説を代表する連作集である。


チケット ¥2,000(25名限定 ご予約優先)


ご予約・お問い合わせ

第Q藝術 
メール  q.art.seijo@gmail.com
電話 03-6874-7739


または 

kirakiracrayon(あっとまーく)yahoo.co.jp へお願い致します。


☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆♪☆.。.:*・゚☆♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆

「私の一冊」シリーズは
演目が読み手に委ねられている
文学解説付きのソロ朗読会です。

というと普段私がやっていることそのものなのですが
第Q藝術のYou Tubeチャンネルで配信する朗読作品を 
ライブ(公演)で一発録音するという企画で、
いわば朗読版のファーストテイクになっているんです。

ライブ録音、大好きなんですよね。
なかなかスケジュールが合わず
のびのびになってしまいましたが
出演したいなあと、実は昨年から動いていたんですよ。

まずは会場でお会いできますように。

そしてそして、「あの話はこれの伏線だったのか!!」と
配信でもお楽しみいただけると嬉しいです^^





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最終更新日  2023年09月11日 17時47分48秒
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