目からウロコ

目からウロコ

着物パスポート1

★★ 着物で西陣散策、その1 ★★

02年10月16日(水)

西陣deゴッホ

温故知新の精神


京都は秋になると、「京都きものパスポート」なるものを発行する。

着物を着て町歩きをすることで、いろいろと特典を受けることができるんだけど、
どういうサービスがあるのかをリストアップしている冊子である。
イベントやお店の情報を、マップや写真で説明してくれている。
この素敵な冊子については、ホームページを参照。↓↓

http://www.fashion-kyoto.or.jp/passport/

大和撫子はお得よね。
オオサカテイストの大和撫子・モリユ、「割引」とか「○○%オフ」とか
「サービス」とかいう言葉は大好きだ。「タダ」が一番好き。



久々の着付けはタイヘンだった。
長襦袢から苦闘していた。やはり少しでも時間が空くと、もう手が忘れている。
納得いかないながらも何とかかんとか着終わって、12時半に京都の四条大宮で友と合流。
ここから市バスに乗って、 この度は西陣あたりを目指した。

西陣といえば、帯である。
つまり、帯の工房が集まるこの一帯を散策して、伝統工芸を堪能する町歩きなのさ。
ゲイジュツの秋だからな。

さてこの日はとってもお天気が良く、散策には丁度よい気候で、心底幸せだった。(おおげさ)
上記の「きものパスポート」以外に「西陣そぞろ歩きマップ」なるものを手に、
友とふらふら歩いていた。お昼なので、まずはランチだろう。
いきなり食うことから始まる大和撫子。和装姿でも食欲は隠せない。

目的のお店を探していると、友がいきなり
「ここ、見学させてもらおう」
といって、帯の会社に入っていった。こここここここら!!!!

止める間もなく、友はツカツカと会社に入っていき、
「ごめんくださ~い!」と中に声をかけてしまった。
し、仕事中じゃないのか...なんて大胆な友・29才主婦。
心配している内に、会社の中から着物姿のおばさんが出ていらした。
もともと一般の人間は入れないんだけど、着物も着てらっしゃることだし、
ちょうど問屋さん向けの展示をしていてお客さんも少ないので...
ということで、特別に入れてくださった。

嬉しいが、モリユ、本日のお召し物はとっても安価。
長襦袢は母のお下がり、着物は3000円の洗える着物、
帯はこれまた母のお下がりで思いっきり化繊。
しかも一目で分かる機械刺繍で、そのデザインはレトロ。
帯揚げ帯締めはセットで1000円、足袋も500円。
和装用の小物だって全て500円均一で揃えたというチープ和装である。
草履が一番高くて5800円だった。
全身合計したって、ここで扱ってるような帯締めの値段にも満たないだろう。

心底恥ずかしいぞと思いながら、こんな機会はめったにないだろうということで、
大胆主婦である友について、コソコソと上がらせていただいた。

並んでいた帯はどれもこれも素敵だった。(当たり前)

特に素敵だなぁと思ったのは、案内してくださったクマのようなおじさんが
「コレを見なバチ当たるで」と言って見せてくださった帯たちだった。
そのクマおじさんがデザインされたとのこと。デザイナーだったのね...
人は見かけによらない。
ネコやら楽器やら、外国の町並みのスケッチやら、すごく変わったデザインの帯だった。
ディズニーランドを絵柄にした帯まである。
セザンヌやらピカソを思わせるような奇抜な絵を織り込んだ帯もあった。
もちろん伝統柄を使ったデザインもされるとのことだったが、
イラスト風の帯を指して
「こういうのんやったら、すぐ描けるやけどな」と笑っていらした。
初めてみるような帯だったが、またぜひどこかで見たいなぁ(欲しいなぁ)と
思って「どこか百貨店みたいなところでも、見ることができますか」と尋ねたら、
「こういうデザインのモノは売れないので、なかなか業者さんも扱わない」
とのことだった。ホントに残念だなぁ。
ぜひぜひこういう帯も流通して、たくさんの人の目に触れるといいのに。

クマおじさんはとっても親切に案内してくださった。
突然の素人の訪問に付き合ってくださって、恐縮だった。
見学させていただいただけじゃなく、着物だからということで
「あぶらとりがみ」というお土産までいただいた。
クマおじさんは渡す時に「まだまだ出るやろ、あぶら」と言った。
あぁ、まだ枯れちゃいないぜ。あぶらノリノリだ。(ヤケクソの大和撫子)

丁重にお礼を申し述べて、いよいよランチをいただきにお店へ向かった。

町家
ランチをいただいたお店の中庭。

夜は水炊き専門のお店で、一人前で5000-6000円らしい。
目玉が飛び出た。
と、友よ...アンタはどこまで大胆主婦なの?

しかし主婦がそんな高いランチを食うワケがない。
お昼は親子丼のみで、800円なり。良かった。
ふわふわ卵と小口切りのとり肉はしっかりと甘辛く味付けされていて、
その上にはうずら卵が上品にのせられている。
違う種類の卵を混ぜて食ってしまった。
言わばタラコご飯の上にイクラを載せて食うような感じだろうか。
(違うな、全然)
そして、いかにも京都らしい薄味の鶏ガラスープが付いていた。
とっても美味しおすなぁ....(思わず舞妓さん)

とにかく腹が減っていたので、一気に食った。

お勘定の時に、ここの女将さんらしきおばさんに
「よう似おてはりますわぁ...自分で帯締めはったん?」
(よく似合ってらっしゃるわぁ、自分で帯を締められたのですか?)
と聞かれた。ヨシヨシ、正直な人だ。食べっぷりを見てないのは正解だ。
去年着付けを習ったので、まだまだ修行中の身で恥ずかしいが、
がんばって出かけるようにしている、と伝えると、非常に喜んでくださった。

その2へ、 つづく


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: