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灰色猫のはいねの生活
6月
「まるこ、いくら長靴を履いてるからって、水たまりに入って遊ぶんじゃないよ。いっつも泥跳ねして洗濯が大変なんだから。」
外へ出ようとしたまるちゃんに、お母さんが言いました。
「はーい。」
そう返事をしたものの、まるちゃんの心はもう水たまりへとんでいます。
公園に着いた途端、大きな水たまりにぱしゃりと入りました。
「まるちゃーん。」
放課後、遊ぶ約束をしたたまちゃんもやって来ました。
毎日が雨降りで、昨日外で遊べなかった分、2人はしゃいで水たまりの中でばしゃばしゃします。
まるちゃんは赤い長靴を履いています。
たまちゃんは黄色です。
「こんなに楽しいのに、なんで大人は水たまりに入っちゃダメっていうのかなぁ。」
まるちゃんが言いました。
「本当にね。お母さんもやってみればいいのに。」
たまちゃんも言いました。
その時、ほっぺたにぽつんと雨があたった気がして2人は振り向きました。
公園の1番大きな水たまりの中に水色の長靴を履いた少女が立っていたのです。
「本当に、楽しいのにね。」
白いワンピースを着たその少女はにっこりと笑いました。
「でもね、大人が水たまりに入らないのは訳があるのよ。」
水たまりを出て公園のベンチに腰掛けた少女の長い髪には、水玉模様のリボンがゆらゆらしていました。
「私も昔は水たまりに入るのが好きだったの。長靴を履いていても、おろしたてのズックぐつを履いていてもね。ピンクの靴や水色のズボンが泥跳ねしてお母さんに叱られてもやめられなかった。」
まるちゃんもおんなじだと思いました。
誰に何と言われようと水たまりで遊ぶのはやめられません。
「雨の降る日は公園で遊べなかったり、お買い物に連れて行ってもらえなかったりしたけど、窓辺で子守歌みたいな雨の音を聞くのが好きだったの。次の日の水たまりを楽しみにしてね。」
たまちゃんも頷きました。
昨日の夜は雨の音を子守歌にして眠りについたのです。
「朝1番に起きて、雨に濡れた葉っぱを見るのが好きだった。葉の裏のカタツムリを見付けるのは誰よりも上手だったの。小川の水は濁っていたけれど、溜まった枯れ葉やゴミは跡形もなく消え去っていたわ。世界で1番雨上がりのきらきらした朝が好きだったかもしれない。」
本当に幸せそうにその少女は話しました。
「でもね、水たまりの底には何があるか知っている?」
ふいに声が変わりました。
まるちゃんとたまちゃんは、少し恐くなって首を振りました。
「よおく見て。何が映つって見える?」
「空。」
まるちゃんが答えました。
「それに?」
「白い雲。」
たまちゃんも答えました。
「雲は白いよね。でも、空は青くないでしょう?そう、灰色の空。まるで雨ふりの時の空に見えない?」
2人でのぞきこんだ大きな水たまりは、どんよりとした昨日の空が映つっていました。
「上を見上げみて。本物の青い空。高い高い、背伸びしても手を伸ばしても届かない空。それが水たまりの底にもあるのよ。どこまでも水たまりの底の奥深くに灰色の空は続いているの。」
見上げた青い空はどこまでも澄んでいて、白い雲のようにそこに浮かべたらと思います。
けれど、水たまりの中の空は、まるで地面にぽっかりとあいた穴のようです。
この世界へ入ったら、きっと2度とは戻って来られない。
そんな気がしました。
「大人はみんな気付いているの。だから水たまりに入ってはいけないって言うのよ。靴や服が汚れるからってことにしてね。私もそれにもっと早く気付いていたら、こんなことにはならなかったのに。」
少女は1つため息を吐きました。
「あの日、雨上がりの公園で1番大きな水たまりにはしゃいで飛び込んだわ。今日のあなたたち2人のようにね。昨日、お外で遊べなかった分、思い切り大きな声を出してね。その時、私は長靴の先から水たまりの底に引きづりこまれてしまったの。」
まるちゃんは驚きました。
たまちゃんもまじまじとその少女の顔を見つめます。
「あっという間だった。助けてと叫ぶひまもなかった。水たまりはぱしゃりとも音をたてずに私の身体をどんどん沈めていったの。」
その言葉とともに、少女の身体は足元からどんどん灰色に変わっていきます。
水色の長靴、そこからちょっとはみだした白いソックスと、もっと白いワンピース。
その半袖から出た肌色の腕や桃色の頬。
眉毛やまつげや瞳まで。
黒々とした髪の毛までが、まるで白髪まじりのおばあさんのようになり、水玉模様のリボンさえも薄暗い灰色になったのです。
「そうして、私は今も水たまりの底にいるの。灰色の空の中にね。元の世界が懐かしくなって今日のように水たまりから浮かんで来たりもするけれど。寂しくはないのよ。水たまり好きの子供たちが時々沈んで来るから。」
最後にそう言うと、少女は少し小さくなった水たまりの中へ静かに沈んでいきました。
まるちゃんとたまちゃんは顔を見合わせます。長い夢を見ていた気分でした。
はしゃいで水たまりへ飛び込んだのがずいぶん前のようです。
「まるこ、いくら長靴を履いてるからって、水たまりに入って遊ぶんじゃないよ。いっつも泥跳ねして洗濯が大変なんだから。」
家を出る時のお母さんの言葉がまるちゃんの心に浮かんで消えました。
【あとがき】~羽衣音~
羽衣音も水たまりに入ってぱちゃぱちゃと遊ぶのが好きでした。
けれどもある時、ふと水たまりをのぞき込んだ時から恐ろしくなりました。
白黒のどんよりした空の映った水たまりは、落ちたら2度とはい上がれない穴のようで。
そんな体験からこのお話は生まれました。
ちょっとシュールなお話です(笑)
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