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灰色猫のはいねの生活
その9
中学2年生の年の暮れは一度にいろんな事が起きました。
冠婚葬祭の当たり年。
一言で言うならば、本当にそんな年でした。
一瞬の紅葉の後の落ち葉の頃、二十二歳になったお姉ちゃんの結婚が決まり、十月に結納をしました。
結婚式を挙げるホテルの客室で、桜湯を飲み、結納の食事をします。
相手方の両親が由記ちゃんも出席出来るようにと、人数を合わせてくれました。
結婚式の日付も決め、衣装合わせも済み、新居のアパートに大型の家具類も買いそろえられました。
結納で納められた七品が床の間に置かれ、お姉ちゃんに持たせるためのこまごまとした物がそろえられていきます。
今年の年末と来年のお正月が家族4人で過ごせる最後だね、とお母さんがうれしそうに、少し寂しそうに言います。
そんな十二月の中頃でした。
夜の9時を少し過ぎた頃だったでしょうか。不意に電話が鳴りました。
夜中と朝方の電話には良いことは無い、お父さんの口ぐせはまさにその通りでした。
母方のおじいちゃんが倒れ、救急車で帯広市内の病院へ運ばれたと言うのです。
お父さんは会合で家に居らず、近くに住むおばさんがお母さんと一緒に病院へとかけつけます。
一命は取りとめたものの、地元の大きな病院へ移り、検査した結果がガンでした。
入院したまま年が明け、お母さんはおじいちゃんの看病に、お父さんは農作業、お姉ちゃんは結婚式の準備と、家族4人で過ごせるはずの最後の1ヶ月はてんでばらばらだったのです。
もって半年。
生きているのが不思議なくらいですよ。
病院に勤めていた親戚がレントゲン写真を見せてくれました。
内臓にあたる部分は恐ろしいほど黒ずんで見えたといいます。
お姉ちゃんはおじいちゃんにとって初孫にあたります。
初孫の初めての結婚式なのです。
それなら、車椅子に乗って、点滴しながらでも出なきゃね、そう病院の先生も言ってくれました。
それなのに。
1月末におじいちゃんは危篤状態におちいり、あと一週間の命と宣告されたのです。
よりによってこんな時に。
結婚式は奇しくもちょうど一週間後の2月1日でした。
良くも悪くも、何かが起こる時は、なぜこんなにいっぺんに起こるのでしょう。
4時のバスにゆられながら家に帰る途中でした。
北海道の1月とは言っても、もう陽は長く、まだ薄明るい夕方のことです。
何か根拠があった訳ではありません。
家まで8キロほどの距離をバスにゆられながら、いつも通りに由記ちゃんは窓の外を見ていました。
路肩から雄大に広がる畑は、未だ一面の雪景色です。
路面の舗装がきれいに出ているため、家までは約十五分。
その間に、何故か『予感』があったのです。
『胸騒ぎ』と言うまでもありません。
きっと、家に帰ればただの取り越し苦労だったとわかるはず。
そう、思っていたのに。
バスを降りてじゃり道を行き、左に曲がって私道を行きます。
家へ入る前に、奥まった裏庭が見渡せます。
だから、わかってしまったのです。
「ねえ、みつは?」
家に入るなり、お父さんに聞きました。
お母さんは、今日はおじいちゃんの付き添いの日です。
お姉ちゃんはまだ会社から帰って来ていません。
「みつは逃げた。」
外から上がって来たばかりなのでしょう。
お父さんは作業服と軍手をストーブの前で乾かしながら答えました。
こんな時、口数が少なくなるのはお父さんのくせでした。
「やっぱり。」
そう呟くように言った由記ちゃんの言葉は聞こえなかったのでしょう。
庭先の空の犬小屋を見たとたん、『予感』はこれだったと気付きました。
みつが、いないのです。
病院へ行ったお母さんに代わって、お父さんがみつの散歩を始めたのは午後2時頃。
舗装道路へと続く五百メートルほどの道のりを半分ほど行った時でした。
いきなり走り出したみつに、持っていた引きづなが手から外れたのです。
一目散に駆けて行くみつの姿はあっと言う間に見えなくなります。
歩いて探し、一旦家に戻って今度は車で探しました。
雪に閉ざされ、道路に沿うしかない道をどう走って行ったのか、みつは見つからなかったのです。
夕ご飯の肉じゃがをつくりながら、由記ちゃんは
「ふうん。」
と気にしない風に返事をしました。
1月とは言え、春先に出荷する野菜の苗のために、もうハウスをかけ、土を作っています。
お母さんの居ない今日、これ以上、みつを探す事はお父さんには出来なかったのです。
夕飯の後、みつが戻っていないのを確かめペットショップに連絡をしました。
「じゃあ新聞広告出しますね。」
と言う返事が返って来ました。
驚きもせず、慌てもしない声でした。
学校の行き帰りは目を皿の様にして窓の外を見ていました。
休みの日には、みつの散歩コースを一人でめぐってみます。
足跡でも無いかと見ると、いつの間にか猫がついて来ています。
舗装道路まで出ると、向こうから来る大介くんと会いました。
「みつ、早く見つかるといいね。」
大介くんも探してくれているのです。
「うん。」
頷いて、何も見つからないまま引き返しました。
猫は由記ちゃんの足下にじゃれつきながらも、きちんとついて来ています。
猫でさえ迷わずに帰られる道を、なぜみつは帰って来られないのか。
情けなさの混じる気持ちで、由記ちゃんは冬の青空を見上げました。
吐く息が、白く染まります。
こんな寒い日に、みつは今、どこにいるのでしょう。
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