がんばにゃん!!!

病院治療と副作用



現代医学では、ウイルスによる免疫不全症や老化からの免疫低下といった「弱っていく免疫力」を回復させる方法はありません。

病院で行なっているのは、出ている症状を抑えるだけの薬の投与でしかありません。
これを「対症療法」と呼びます。
病気の原因を治療して病気を完治させる事を「原因療法」と呼びますが、免疫力を正常に戻すための「原因療法」は存在しないのです。

さらに病院で使う薬は全て多かれ少なかれ副作用があります。薬の「効果と副作用」は、「紙の裏表」と同じで、効果が弱ければ副作用も少ない、効果が強ければ副作用も強い。それが薬というものだと認識してほしいんです。
健常猫さんでしたらこの副作用はあまり出てこないのですが、エイズ・白血病といった免疫不全症の猫や、老化からの免疫低下が進行していく猫には、効果よりも副作用の方が顕著に発現してしまいます。そして薬自体の持つ副作用に加えて、さらに免疫力の低下、血行を悪くしたり、毛細血管収縮を起こしたり、吐き気、食欲不振、胃腸機能低下、その他たくさん出てきます。

が、猫にとって一番危険なのは薬によって肝臓・腎臓をやられる事です。
猫の肝臓は機能がもともと、非常に低いのです。犬よりも低いんです。肝臓というのは、体内に入った飲食物を解毒する働きがあります。ただでさえ肝機能が低いのに、そこへ大量に薬が毎日入ってきて分解・解毒と肝臓はオーバーワークを日々強いられる事になります。そして肝臓はだんだん壊れてしまうんです。嘔吐や黄疸が出てきたりします。
腎臓も、全身を巡った老廃物を最後に濾過して尿として排出させます。ここにまた大量の薬の老廃物がやってきて、肝臓と同じくオーバーワークです。腎細胞も壊れて慢性腎不全に移行していきます。
結果、ウイルス病で死ぬ前に肝不全や腎不全を起こして亡くなる猫さん達が多いんです。
たいていの薬には、黄疸や腎不全が出ている場合は使用注意や禁忌という注意書きがありますが、あまり気にしない獣医さんが多いのです。


<インターキャット(インターフェロン)について>━━━━━━━━━━━

 エイズ・白血病の子にとっては、インターキャットは効果よりも深刻な副作用の方が多いようです。本来はカリシウイルスの口内炎・口唇炎・舌や唇の潰瘍に効果があるということで発売され(平成4年に)、感染の初期にしか効果がみられないという薬剤でした。
 ところが、10年ほどの間にエイズ・白血病など他のウイルス病全般にステロイドと同じく万能薬のように使用されるようになってきました。初期には効果があってキャリアに戻ったという話もあるそうですが、治る例よりは副作用の話の方が多いようです。
この「猫の相談室」でも飼い主さん達の同じような報告があります。キャリアの維持のために打っていたのに発症してしまったとか、注射して数時間後に高熱を出して意識不明になり死ぬところだったとか、白血球(免疫細胞)の数値減少がどんどん進行していったとか、容態急変して亡くなったという報告もあります。
我が家でも、打ってから3時間後に、高熱・嘔吐の症状が出ました。命に別状は無かったから良かったんですが。。。
また1回に使用する量、回数が医者によりさまざまで、一気に大量投与されてしまう事もありますが、アナフィラキシーショックで亡くなる危険性もあります。 
こちらは発売元のサイトですが、使用注意・副作用については述べています。
↓インターキャットの副作用(発売元)
http://www.nval.go.jp/asp/asp_showDetail_DR.asp?argeCode=2951


<ステロイド(免疫抑制剤)>━━━━━━━━━━━━━

ステロイドは口内炎が出ていたら、必ず処方される薬です。
液体の飲み薬・錠剤・注射など幾つかの種類があります。
ステロイドは病院では数々の名称で処方されます。副腎皮質ホルモン剤・解熱剤・消炎剤・痛み止め・痒み止め・咳止め・食欲増進剤などと言って獣医さんが処方してくれますが、実はステロイドだったという場合の方が多いのです。

口内炎には初めは痛み止めとしてステロイド注射を月1回のペースで打っていきます。これが基本です。しかし、だんだん痛み止めの期間が短くなっていき、最後には数時間しか効かないようになってしまいます。痛みと炎症を一定期間抑えているだけで、治している訳ではありませんから、その頃には口内炎の症状も当然ながらかなり悪化しています。 。。。。。 
つまりステロイドというのは、治しているのではなくて、今出ている症状を抑えているだけなんです。
そのうちに健康な部分まで薬の副作用によって病気になっていきます。

副作用は、吐き気・食欲不振または食欲亢進(どちらが出るかは使ってみないと判りません)・貧血・倦怠感・骨粗鬆症・皮膚が薄くなって破れやすくなっていったり変色する・血行不良・皮膚炎・脱毛・筋肉量の減少・血糖値の上昇・感染症にかかり易くなるなど、たくさんあります。
また、長期的な(2年以上の継続)ステロイドの投与で発症する、「医原性糖尿病」という糖尿病や、「ステロイド性腎症」と呼ばれる慢性腎不全、「クッシング症候群」もあります。
ステロイドは肝臓での糖の生産を高める働きがあります。そのために、だんだん血糖値が高くなっていき、やがて糖尿病を発症します。この医原性糖尿病・慢性腎不全は発症してしまったら、完治不可能な病気です。

ステロイドは別名「免疫抑制剤」と呼ばれて、免疫細胞を抑える薬です。
免疫力細胞ウイルスや細菌の増殖を抑えたり殺す働きをしていますが、ステロイドによってそれを抑制されてしまうので、細菌感染性の病気の進行を早めたり、ウイルス増殖を早めたりして、エイズ・白血病・老猫性口内炎などの免疫低下から出ている病気の進行を加速させてしまいます。
つまり、自己治癒力&抵抗力(免疫力)が働かないようにステロイドが抑えこんでしまうという事なのです。だから免疫不全症がますます進行してしまうんです。
またステロイドは中止しても長期間体内に残留して、内分泌系のホルモンバランスを崩していきます。血液生産も体内の造血ホルモンが働いているからです。骨髄では血液を生産していますが、長期のステロイドで造血ホルモンを抑えるために貧血が進行して行きます。だから、ステロイドで貧血になりやすくなるんです。
ステロイドを中止しても体内に残留しているために免疫がなかなか正常に戻りにくく、ステロイドを全く使わなかった子に比べると症状の改善は非常に時間がかかる事も多いんです。

<抗生物質>━━━━━━━━━━━━

口内炎や風邪などで処方されます。上記の薬ほどの副作用はありませんが、免疫不全症の猫によっては、胃腸が荒れて食欲不振・下痢などを起こすこともあります。
抗生剤は腸内細菌も殺すために、善玉菌・悪玉菌のバランスが崩れて悪玉菌などが増えると、腸内で悪玉菌の出す毒素が多くなって、腸内細菌のバランスが回復するまではしばらく下痢が続く事もあります。
アレルギー的な症状としては、飲ませてから数時間で発熱・嘔吐を起こす事もあります。この場合は体質に合わないので、すぐに中止してください。

また、抗生物質も対症療法として使われます。細菌を殺す薬ですから、ウイルスには全く効果はありません。皮膚炎や口内炎などの菌感染用に処方されますが、自己治癒力や抵抗力が正常に戻らない限りは、体内の細菌を殺しても周囲にはいくらでも菌がいますので、自己免疫が回復しない限りは長期的に服用しなければならなくなります。

長期的に使用していると、菌がその抗生剤に対して耐性が出来てしまい「耐性菌」に変化します。この耐性菌に変化してしまうと、これまでの抗生剤では効かなくなりますし、真に抗生剤が必要な感染症を起こした場合に効く抗生剤が無いという事にもなりますので、抗生剤の安易な長期投与は控えるほうがいいです。
耐性菌だけでなく、抗生剤の種類によっては長期の副作用で体のどこかに疾患が現れることもあります。どんな抗生剤であろうとも、肝臓や腎臓の代謝機能に負担がかかっていくという事も忘れないで下さい。

ただし、体内で菌感染症(カビ系の菌)を起こしている場合は、免疫不全症のために菌の繁殖や患部の炎症を抑えきれずに敗血症まで進行して亡くなる危険もありますので、獣医さんと相談して抗生剤処方をしてもらって下さい。副作用(嘔吐・下痢・発熱など)の体調変化が現れた場合は、中止して別の抗生剤に変更してもらう事も重要です。


<ウイルス性の発熱の理由>━━━━━━━━━━━━━━━

身体の中で、細菌・ウイルスが増殖すると免疫力の攻撃反応で身体は発熱します。細菌・ウイルスは熱に弱いので、熱を出してこれらを攻撃して殺そうと頑張っているんです。人間も風邪(インフルエンザも同様)をひいて熱を出すのは、同じ理由からです。
ウイルス・菌の強さや増殖状態に応じて、熱も高くなったり、発熱期間が長く続く事もあります。
これを「ウイルス性発熱」、または「免疫性発熱」と呼びます。

ですから、ステロイドで免疫の活動を抑え込んで発熱を中止させると、たいていは熱が下がります。しかし、熱が下がるためにウイルスは活動が活発になり、増殖を開始します。
つまり、高熱を下げるために病院に行って、解熱剤(ステロイド)を注射してもらうと熱は下がるのですが、実は体内ではこういう事が起こっているのです。
つまり薬は、すぐに効果が出て一見良さそうに感じるのですが、治しているんじゃなくて抑えているだけなのでいつまでも薬に頼るしかありません。そうこうしているうちに、体内でウイルスは増殖し続けています。免疫力はどんどん低下していき、内臓は壊れていき、二次感染症も悪化していきます。血液の数値もどんどん悪くなっていきます。
また、副作用は薬を中止してもすぐには回復しません。ステロイドは他の薬と違って体内に長期間残留しますので、副作用もなかなか抜けずじわじわと身体を蝕んでいきます。
ステロイドの種類によって強さも違ってきますので、一概には言えませんが注射が一番きつい副作用があります。これは口内炎の痛み止めやウイルス性の発熱に対する解熱剤として注射されます。
解熱の方法としては、漢方では板藍茶が効果的です。
ただし40℃前後以上の高熱になると、動けなくなって水すらも飲めなくなるので、身体を冷やしたり給餌・水分補給(脱水防止)の介護も必要です。
弱っている時には、点滴も内臓機能に負担となりますから、口からの食事や水分補給が一番なんです。
体内の菌・ウイルスが減っていけば、熱は自然に引いていきますが、病状によっては1ヶ月くらい高熱~微熱が続く子もあります。薬の副作用で免疫が弱っている子も長引く事が多いのです。

(文責:Erie)



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