波と戯れるように  風に揺れるように

波と戯れるように 風に揺れるように

2006年01月18日
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テーマ: 寂寞の中で(1008)


始めは正座をしていたが少し体を左にずらし腰を畳みにつけ

しな垂れる様にSの字に座りなおした。

左手で乱れた髪の毛を少しまさぐり、ふぅとため息を一つ。 

指に絡まる髪の毛を少しづつほどきながら昨夜のことを思い出していた。


明かり取りの飾り障子をほんの少し開けると、

待っていたかのように朝の緊張した冷気が裏庭で暮れから

咲いているろう梅の香りを連れて入ってきた。


裏座敷にはまだ朝日は届かず昨夜のことを思い出すのには



優子は一人でしょざいげ無しに時間と戯れていた。


「なぜ あんなものを

        どうして 」


右隣の文箱の中から手鏡を取り出すと、

後ろからあて 合わせ鏡にして

左手で髪の毛をかき上げながらうなじを見た。


「あら」

小さな声を優子はあげた。

そこには昨夜の戯れのあとが微かな赤みを帯びて残っていたのだ。

「まあ いやだわ 

  そうだったのね、 そう 激しかったもの」




大丈夫よこうしておけば ばれないから。

優子は首にスカーフを巻き髪の毛を整えようとした。


あン もう 嫌だわ 

私の言うことを聞いてくれないんだから


全く 馬力が有ればいいんじゃぁ無いのよ。



店員さんが教えてくれたけど激しすぎて髪の毛が乱れ飛び

もう 首筋にも焼けどもするし・・・

取り替えてきたいわ。







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最終更新日  2006年04月01日 22時25分45秒
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