論文の共同執筆者で、米ワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine)のマイケル・ダイアモンド(Michael Diamond)教授(医学)は「現行の治療法に対して抵抗性を示し、患者に死をもたらすグリオーマを、ジカウイルスが殺傷する可能性があることが今回の研究で示された」と話す。
米医学誌「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(Journal of Experimental Medicine)」に掲載された論文によると、研究チームはジカウイルスまたはプラセボ(偽薬)の塩水をマウス33匹の脳腫瘍内に直接注入。2週間後「ジカウイルスを注入したマウスは、腫瘍が有意に小さく」なり、さらにその生存期間も「塩水を与えたマウスより有意に長かった」という。