あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

2008.01.08
XML
カテゴリ: あそび一般
【最先端の情報技術(IT)を使い、広島市安芸区の矢野南小で進められていた登下校見守りシステムの実証実験が昨年十二月で終了した。「子どもの位置が分かり安心」といった評価がある一方、通学路を外れた児童への即時対応がしにくいなど課題も浮かび上がった。】 (【】内は記事から一部引用、Google ニュース/中国新聞:2008年1月5日)

 今の世の日本のこどもたちは、自由と引き換えに「安全」を確保しなければならなくなるようだ。記事のような固定ICタグによる位置監視システムや、GPS付携帯電話などで、こどもたちは常に「監視」されることを親や保護者から余儀なくされる。今の物騒なご時世だから仕方がないのかも知れないが、こどもたちは歴史上最も不自由な時代に入ったことは間違いがないだろう。

 さて、こうしたICタグやGPSで監視されることをこどもたちに強いたおとなは、逆にそうした監視体制に置かれたなら、はたしてそれを甘受できるだろうか。おそらく、多くのおとなはそうした監視に耐えられなくなるだろう。少なくとも、私には到底耐えられない。

 そうしたITに頼る方法よりも、現在全国各地で取り組まれている、「見守り隊」などの地域の人々の献身的な善意による方法の方が、こどもたちに安全だけでなく、人々への信頼や敬意を育んでくれるだろう。こうした事態で浮き彫りになった「人を信じられなくなった世の中」だからこそ、そうした人の温もりのある対策が望まれる。

 こどもの安全で言えば、通り魔などによる犠牲になるこどもたちの数よりも、交通事故それも無謀運転により犠牲になるこどもたちの数はずっとずっと多い。また、不幸にも虐待で命を奪われたり、悲しくも自らの命を絶つこどもたちの数も少なくない。

 はたして、それらのこどもたちの生命を脅かす事態への対策は、「登下校時の見守り」のように熱心に取り組まれているだろうか。通学路の交通安全さえ後回しになっている所も少なくない。登下校時に通行禁止道路を平気で進入する車が後を絶たない。その点では、地域の有志の方による「見守り」は、その点をもカバーしている。

 こどもの虐待で言えば、未だに法的な整備が遅れているし、実際にこどもたちを守るための人的整備も遅れている。こどもの虐待はITや機械では防げないし、虐待されたこどもたちに優しく寄り添って癒せるのは「人」だけだろう。人に裏切られた心は、人が癒すことで、人への信頼が再び蘇生するのだ。




あそびセレクト





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.01.08 20:54:40
コメント(0) | コメントを書く
[あそび一般] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: