あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

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2011.01.02
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カテゴリ: あそび一般

【 三田市弥生が丘6の県立人と自然の博物館で1月3日、伝統の正月遊びが楽しめる企画「ひとはくのお正月~日本の昔遊び」が開かれる。(中略)同館と連携して活動するNPO法人「人と自然の会」が企画。ススキの茎を骨組みに使ったたこ作りやぶつけ合って遊ぶコマ回し、はねつきなどがある。また、ピーナツやメロンの種などの素材を使ったウサギの置物づくり(材料費100円、定員50人)や、キリの板やムクロジの種、野鳥の羽根を使った羽子板と追い羽根づくり(同500円、同10人)に挑戦できる。】 (【】内は記事から一部引用、Google ニュース/毎日新聞:2010年12月31日)

 前回は、「けんかゴマ」の成立要件について述べてきたが、実はこれらの成立要件の前提となる条件が、まだ存在するのだ。それは、コマを回せるこどもたちが、同じ地域内(施設内・団体内)に存在しなければならないことだ。

 そして、この条件は簡単にはつくりだせない特徴も持っている。それが、昔のような「けんかゴマ」が衰退する理由ともなっている。コマは、回す以前の、コマに紐(ひも)を巻くことが難しいのだ。特に、ベイゴマは細い紐を特殊な方法で巻かなければならないので、それだけ「けんかゴマ」の成立条件のハードルが高くなる。

 さらに、たとえ紐が巻けても、上手に投げてコマを回すにも、一定期間の練習が必要なのだ。このように、あそぶために難しい関門があるコマ回し、その関門をクリアした多数のこどもが、同じ地域(施設)内に存在しなければならないので、「けんかゴマ」の成立は、極めて難しいものとなっている。

 しかし、これは私の学童保育所での保育経験でもそうであったように、学童保育所や保育所などでの、保育や取り組みの中に見られるように、今の時代でも多くの成功例がある。それらは、あそびの指導者の存在が、大きな要因となっているが、実は指導者の存在だけでは「けんかゴマ」まで発展させえないのだ。

 それは、昔のこどもたちの誰もがもっていた、あそび成立の三要素である「あそびの三間(時間・空間・場所)」が決定的な条件となっているからだ。この「あそびの三間」が確保されていれば、少なくともコマ回しが伝承されていた地域(施設)では、指導者無しに「けんかゴマ」は自然成立するのだ。

 コマを回してするあそびの、一つの傑作「けんかゴマ」、再び街のあちこちで、こどもたちが熱中する光景を見るためにも、「あそびの三間」を取り戻すことが必要だ。「けんかゴマ」が大好きだった私も、そのために微力ながら頑張っていきたい。これを、新しい年を迎えての、ささやかな抱負とする。



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最終更新日  2011.01.02 19:10:12
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