ジャポニカ王国の馬鹿騒ぎ

ジャポニカ王国の馬鹿騒ぎ

第二話


 第二話 戦う上での理由


「グルルルゥゥウアァ・・・・。どうも以前襲撃に来た三体も
 テメェがぶちのめしてくれちゃたらしぃなぁ・・・。
 民間人のクセによぉ・・・・」

「民間人なめんじゃねぇっつの。
 これでも戦闘向けテクニスト検定の特S級ライセンス
 持ってんだけど」

男が、胸元で免許書を光らせた。

「ナァルホド。ドォォリで奴らザコがかなわんはずだゼェァ
 実力は十分ってワケダァ・・・」

刃を持った機械のモンスターが
感情を抑えるようによだれを拭く動きをし、己の刃を鳴らした。

「いい加減その狂った口調と顔をどーにかしろ。
 周りは民間人のギャラリーでいっぱいだぜ?」

「現在現場にいる皆さん。至急、避難してください。
 繰り返します。至急、避難してください」

町に放送が流れる。
周囲の民間人のほとんどがパニック状態である。
ごく一部の人たちも、モンスターと目が合って逃げ出した。

「[スキャン結果]型式番号 DD003BW 名称 ブレードウルフ か」

テクニストの男は、機械仕掛けのように棒読みした。

「グルルゥゥハッハ、十分な性能だ。
 だがよぉ。おまえも一般人ならこんな騒ぎに加わったら
 ヤバいんじゃねぇんカァァ・・・?」

「心配すんな。特S級もってりゃ防衛目的の戦闘は許されんだよ。
 こんな世の中だからな」

「ホォォウ・・・。テメェ、名前は?」

男は大きく息を吸って、放った。

「よく覚えとけやぁ!!俺はジャック!!!
 マルチプロトテクニスト、ジャック=ポッドだぁ!!!」

「イキのいいやつぁ、キルァイじゃネェゼェァ」

「ウゼェっつの!!
 てめぇみてぇなのは公害になるだけだっつってんだよ!!!」

「ウルルルルルグラァ!!」

ウルフはガレキの上のテクニストに刃を向け、一気に突っ込んだ。

「クッ!物騒だなぁオイ」

刃物がぶつかる音。

「そらよっとぉ」

「ウルルオォオ!?」

重ねた刃物ごとジャックがウルフの巨体を軽々はねた。

「クルルゥア。意外とパワフルゥじゃねえのよぉ・・・」

「・・・・バカ相手にただのナイフは通用せんか」

ジャックは、腰にさしてあった小さな棒を握って、振った。
そして小さく言った。

「マルチビームナイフON!!・・・・なんちて」

「グルルルゥゥ・・・。ハアァッ!!」

「ほいよ」

向かってくるモンスターに、
テクニストが軽々と閃光のナイフを投げつけた。

「グルルォ!?ずるいぞ小僧!!」

「オヤジかてめーは。最先端技術と言って欲しいね」

ビームナイフはウルフに大ダメージを与えた。
小さなビーム兵器がジャックの手元に遠隔操作で戻る。

「ならこっちにも手があるゼェァ」

ウルフの刃が増えた。それだけである。

「あっそ。ビームライフルON」

ジャックは、二本のナイフの柄を。「く」の字にくっつけた。

「撃つべし撃つべし」

「ルルルォォォ!?銃まで使うなキサマァ!!」

「誰がルール決めたんだよ。
 んで真っ先に秩序というルールを破ってるおまえが言うな」

もっともな意見を吐いてからも、ジャックは攻撃をやめなかった。



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