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Break2「突入」



ここは工業の街「バーレリ」。
工業の街といっても、そこまで発展はしておらずこの街に一軒だけ立っている場違いな屋敷に住んでいる富豪のおかげでなんとか街を保っている、といった感じだ。

「さて、オレは宿をとってくる。お前はそこらへんの飯屋で何か食べておけ。」

それだけを言うと、バースを置いてさっさと行ってしまった。

一人ポツンと取り残されたバース・・・

「飯食っとけって・・・俺、金持ってないんだけど。」

ポケットに手を入れ、何かないか探す。

しかし、出てきたのはたった「30ガルド」

「これじゃあ、ハンバーガーも食えねぇ・・・」

仕方なく辺りをぶらぶらしていると、なにやら前方が賑わっている。

やる事も無いので少し近づいてみる。

「さぁさ!よってらっしゃい、見てらっしゃい!」

「何だ?なにやってんだ?」

よく見えないので、周りの人々を強引に押しのけて最前列に出る。

途中、蹴られたり殴られたりしたがそこらへんは気にしない。

「腕相撲大会だよ!掛金一回、一万ガルド!現在のチャンプは二十連勝!コイツに勝てば全部持ってけ泥棒だぁ!」

「へぇ・・・一回一万ガルドで、アイツが二十連勝だっけ?ということは・・・二十万ガルド!?」

二十万ガルドという大金に目を輝かせ、挑戦しようと司会者に話かけようとしたが、女性が先に席に座ってしまった。

「あらら、お姉さん。大丈夫なのかい?そんな細腕で?」

「・・・いいから始めなさい。」

司会者の言葉をほとんど無視し、腕を出す。

すると、目の前のゴツイ男が口を開いた。

「ぐへへ、姉ちゃんよぉ。女なんだからもっとおしとやかにしろよ?ぐはははは!!」

「!!」

(何だ?あの女、かなりの実力者だな・・・ここまでの「氣」が出せるとは・・・俺でも負けるかも・・・)

バースが言う「氣」とは特殊な技やスキルを使うと消費するという、一般の人間には使えないものである。

特別な修行を積むか、人間とは違う種族は持っているらしい。

バースも一応の修行を積んでいるため、「氣」を感じる事ができるが普通の人間では「氣」を感知する事ができないのだ。

「そんじゃ、姉ちゃん。後悔しなさんなよ?レディ・・・」

手を組み、集中する。

「ファイトぉ!!」

司会者が手を振り下ろすと同時に思い切り力を込める。

ズガアアァァァン!!!

物凄い轟音が響いた。

「ぎゃああ!俺の、俺の腕がぁぁぁ!!!」

そう言った男の腕は、ありえないほどに曲がって、骨が皮を突き破って見えていた。

「悪いけど・・・私、女だからって舐められるのは嫌いなの。」

そう言って、テーブルの上の賞金を手に取りその場を去った。

「あっ!待って!俺の飯代~・・・」

追おうにも混乱している人々に踏み潰され、蹴られでなかなか前に進めない。

やっと人混みを抜けたときには、女の姿は無かった。

「・・・・何者なんだ、あの女?」

結局、飯を食べれずに街の中を放浪(?)しているとベギウスを見つけた。

「お~い・・・ベギウス~・・・飯くれ~・・・」

死にそうな声で倒れこむ。

「?何だ、食べてないのか?」

「だって俺、金もってないからさ~・・・」

ポケットからなけなしのガルドを出し、ベギウスに見せた。

「はぁ・・・ほら、これでよければやるよ。」

手に持っていたハンバーガーをバースに渡してやる。

「ありがとよ~。」

ハンバーガーを貪りつつ、ベギウスがとってきた宿に向かう。

自分達の部屋に着いた時はすでに夕方だった。

「んで?あの屋敷の防犯は?」

「やはり、田舎の街だな。防犯カメラも番犬もいない。

数人の警備員だけだ。そして、金庫の前にターゲットがいる。」

見取り図を取り出し、侵入口を探す。

「なぁ・・・俺らは別にこの富豪の資産が目的じゃないんだからさ、
このターゲットだけをおびき出せないのか?」

「それはかまわんが・・・どうやって?」

「矢文!」

「バカか。」

一言で切り捨てる。

「・・・もう少し頭を使え。」

「ひでぇなぁ・・・」

仕事用の服に着替えながらも作戦を練り続けた。

その結果・・・

「いいか?お前がターゲットのところへ向かえ。俺が派手に他のやつらを
かき回してやる。」

「了解~。さぁって、そろそろ行きますか!」

バースはホルダーに鎖鎌を、ベギウスは背中のベルトに大剣を背負い。

宿屋を後にした。


「準備はいいか?」

「へっ!いつでもいいぜぇ!!」

「よし、行くぞ!」

ベギウスは大剣を振りかざし、正門の方向を向く。

「はああぁぁぁ!!ライトニング・ブレードっ!!」

雷を帯びた剣が門を破壊する。

「よぉっし!んじゃ、後で会おうぜ!」

鎖鎌をホルダーから外し、屋敷の中へと走っていく。

「さて、俺はそこら辺を適当に破壊するか!」

「悪いけど、それはさせないわ。」

「!!」

背中に激痛が走る。意識が朦朧とする。

かろうじてベギウスが見たのは、斧と槍を合わせたような武器をもった、

女性だった。



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