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Break3「竜人族の女」



「だぁ~!くそっ!ベギウスのヤツは何してんだっ!」

限りなく出てくる警備兵をまた一人殴り飛ばし、バースは叫んだ。

「こっちだ!射殺しても構わんという命令だ!撃ち殺せ!」

「んなっ、マジかよ!しゃーねぇ、コイツを使うか!」

警備兵達は各々銃を構え、同時にバースは懐から鎖鎌を取り出し思い切り投げた。

「唸れ、ディーゼス!『連鎖破壊(チェーン・デストラクション)』!」

バースが投げた鎖鎌は紫色に鈍く光り、まるで意思を持っているように警備兵の方へと向かう。

「なっ、なんだアレは!」

「撃ち落せ!」

ズガガガガガガガッ!!

銃声が響き渡るが、鎖鎌の勢いは全く衰えなかった。

鎖鎌の鎖は警備兵達を巻き込み、さらには辺りの壁や天井、床までも切り裂き、あるいは貫き砕き縦横無尽に動く。

「さぁてっ!フィニッシュといこうかぁ!!」

バースが言うと、鎖鎌は動きを止めた。

「ほらよっ!」

鎖を思い切り引っ張り、鎖鎌を手元へと手繰り寄せる。

すると鎌の部分が警備兵の肉を切り裂き、一気に屍を作っていく。

「ぎゃああぁぁあぁ!!」

「げはっ!」

鎖鎌が動くたびに断末魔が起こる。

「いっちょあがりぃ!」

手元に戻ってきた鎖鎌を手に取り、笑みを浮かべる。

「それにしても、ベギウスはなにやってんだ?全然かく乱できてないじゃねぇか・・・」

「あなたのお仲間ならココよ。」

背後から聞こえた声に少し驚きつつも、振り返る。

「アンタは・・・昼間の・・・」

「・・・受け取りなさい。」

バースの質問に耳を傾けず、手に持っている人間を放り投げた。

「どわっと・・・って、ベギウスじゃねぇか!・・・ひでぇ傷だ・・・!」

ベギウスを抱えるバースを尻目に、女は通路を進もうとする。

「オイ、ちょっと待ちな。・・・アンタがベギウスをやったのか?」

「・・・そうよ。余り騒がれたくなかったから。・・・それに、その子はもう助からないわ。」

「!!」

確かに背中の傷は深く、致命傷と言ってもいい位だった。

ベギウスの顔は青ざめ、息も弱い。

「・・・言っておくがな、俺は女だからって容赦しないぜ?」

「いいわよ。私、女だからって手加減されるの嫌いだもの。・・・それに、あなた如きにやられる程私は弱くないわ。」

「言ってくれるじゃねぇか。」

鎖鎌を構え、腰に差してある短剣を反対の手に持つ。

女はそれを見て、巨大な斧槍を下段に構えた。

「・・・いくぜぇぇっ!!!」

常人には見えないスピードで背後に回りこむ。

(もらった!)

「遅いわ・・・」

短剣の一撃を難なく避ける。

そして、距離をおき斧槍を振るった。

「受けなさい、『風刃(ふうば』!」

斧槍から真空破が生まれる。

シャッ!

耳に聞き取れるほどの鋭い真空破・・・喰らったら真っ二つだろう。

「当たるかよ!」

真空破に当たらぬよう高速で動き、間合いをつめる。

「でやあぁぁぁぁ!!」

さすがに超重量級の武器を振った後なので女は動きが取れない。

(腕、もらった!)

今度こそ捉えた。思い切り短剣で切り込む。

ガキイイィィン・・・

硬質な音が響いた。

「なっ、なんで・・・!」

確かに短剣の刃は女の腕に触れている。

しかし、いくら力を込めてもその皮膚は刃を通さない。

「邪魔よ。」

腹を思い切り蹴られた。

「が・・・はっ!?」

息が詰まる。

女はすかさず斧槍での攻撃に移った。

「はっ!」

バースはかろうじてその一撃を避けた。

距離を置いて呼吸を整える。

「げほっ・・・アンタ、ただの人間じゃねぇな?」

「ええ、そうよ・・・」

先ほど刃を受けた腕をさすりながら女は言った。

「私はノービア・・・」

斧槍を両手で持ち、バースの方に向く。

「かつて、人間によって滅ぼされた種族・・・」

「滅ぼされた?」

「そう、滅ぼされた・・・竜人族の生き残りよ・・・」



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