星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2021.02.11
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テーマ: 読書(8628)
カテゴリ: 読書 原田マハ
 原田マハ著「たゆたえども沈まず」を読み終えて、初めて小説で「ロス」感を味わっています。

​ゴッホの弟テオ、加納重吉(架空の人物)、林忠正、ゴッホ、テオの妻ヨーの葛藤や心の繋がりの中に自分ももう少し一緒にいたい気持ちです。

 本の最後の解説に大阪大学教授で美術史学者の圀府寺(こうでら)司氏が書かれた内容も「目から鱗」の箇所が多数あり、特に実在の画商「林忠正」とテオ、ゴッホが実際にパリで会ったことがあるという記録が無い中、ある証拠の品のような物を紹介していました。


「週刊美術館 ゴッホ」の中に写真がありました。下にある箱は日本の「赤漆の小箱」

 それは写真上段の楕円形の板の表にゴッホが描いた「静物画(芽生えた球根の入った籠 1887年)で、板の裏面には「起立工商会社」と刻印があります。その会社は一時、林忠正も働いていた会社でそこから原田マハ氏も林忠正とゴッホが実際に会っていたと考えたようです。

 この小説の主人公はあくまでもゴッホの弟でありパリで活躍した画商のテオで、彼を日本人ならではの心遣いで精神的に支える架空の人物「重吉」の存在は斬新でした。私の今までのテオのイメージは兄からの手紙に書かれている絵の具や画材を献身的に送り続けていた寡黙な人で、彼の思いや感情というものを想像することもありませんでしたが、「たゆたえども沈まず」の中で描かれたテオの兄を愛するがあまりの「心の声」には感動以上のものがありました。

 しばらくはテオとゴッホを偲んで画集や美術館で撮った写真を見直す日が続きそうです。








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最終更新日  2022.06.26 13:45:19
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