旧約聖書のシラ書



「しつけと父親の役割」

我が子を愛するものは、しばしば鞭で懲らしめる。
そうすれば晩年、子供は彼の喜びとなる。
子をしつける親は、その子のおかげで楽ができ、
知人のあいだで自慢ができる。
我が子を教育するものは、敵にねたまれても、
友人達には、その子を誇りとすることができる。
父親が去ってしまっても、消えてしまったわけではない。
父親そっくりの子が、後に残っているからだ。
父親は、生きている間、我が子を見て喜び、
この世を去るときも、悲しむことがない。
敵に報復してくれるものを後に残し、
友人に恩返ししてくれるものを後に残すのだ。
子を甘やかすものは、傷のてあてにあけくれ、
子がわめき叫ぶのを聞くたびに心を煩わす。
馬は馴らさなければ手に負えなくなり
子は、しつけなければわがままになる。
子は放任すれば、お前を驚き慌てさせ、
溺愛すれば、お前を嘆かせることになる。
子供と一緒になって笑い興じるな。
さもないと、共に悲嘆に暮れることになり、
最後には、歯ぎしりをして後悔する事になる。
若い時には、気ままなことをさせるな。
また、過ちを大目にみるな。
若いときには、腰を低くさせよ。
さもないと、強情になり、言うことを聞かなくなる。
また、お前の心痛のもととなる。
お前の子供をしつけ、子供のために苦労せよ。
さもないと、その子は、非行に走りお前を困らせる。
                     シラ書30-1-13

     「誠実なとも」

のどの麗しい声は、友人を増やし、
下のさわやかな語りかけは、
愛想の良い返事を増やす。
多くの人と親しく挨拶を交わせ。
だが相談相手は、千人のうち一人だけに限れ。
友を作る時は、試してからにせよ。
すぐに彼を信頼してはならない。
都合の良い時だけ友となり、
苦難の時に離れてしまう者がいる。
また、心変りして、敵となる友もいて、
急いでお前がはいた悪口を暴露する。
食事の時だけの友であり、
苦難のときには、離れてしまう者がいる。
お前のはぶりが良いと、お前のように振る舞い、
お前の召使達になれなれしくする。
しかし、お前が落ちぶれると、背を向け、
お前の目から身を隠す。

敵からは遠ざかれ。
友達には気をつけよ。
誠実な友は、堅固な避難所。
その友を見出せば、宝を見つけたも同然だ。
誠実な友は、何物にも代え難く、
その素晴らしい値打ちは計り難い。
誠実な友は、生命を保つ妙薬。
主を畏れる者は、、そのような友を見いだす。
主を畏れる者は、真の友情を保つ。
友もまた、彼と同じようにふるまうから。
                   シラ書6-5-17



© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: