セカイのオワリとイウ名の…

セカイのオワリとイウ名の…

溺れる魚


僕はいつか窒息するだろう
愛も夢も何もかも光も見えないから
呼吸するのも忘れて泳ぎ疲れて溺れる魚

光を無くした盲目なもぐら
飛べない鳥は何を歌う
とっぷり沈んだ太陽は明日も僕を焼くのでしょう

あの日僕が口にした言葉に何一つ嘘は無かったと思う
一秒でも長く一秒でも長く一緒に居たいと思っていたんだ
愛しさ故に気でも狂いそうで理由や理屈じゃはかれやしない
失うことへの恐れはあったけれど考えぬようにおどけてみせていた

もうすべてに疲れたと君は一言呟いて
僕たちの過去は嘘色に変わった
散り散りになって真っ白にかえった
いつからだろうか魚の目は白く濁り
この街の流れにもはじかれて
おどけてみたって笑えやしないだろう
あの日の少年は大人になっていた

今になって思うのだけれど
あの日僕は何もかも死んでしまったのでしょう
記憶は僕にのしかかり事実は僕へのやり場に変わった
懐かしむ事は弱い行為ですか
でもすがる事しか今はできず
死にたくたって死ねやしない
惨めな僕を笑ってくれるかい?

僕はいつか窒息するだろう
愛も夢も何もかも光も見えないから
呼吸するのも忘れて泳ぎ疲れて溺れる魚





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