セカイのオワリとイウ名の…

セカイのオワリとイウ名の…

貴女


この手をつかんでくれた

あたしは
うれしくてうれしくて
ああ この人は
あたしをここから助けてくれるんだって
うれしくてうれしくて

でも 
あたしがひきあげられようとしたその瞬間
貴女はあたしの手を離した
あたしはあまりのことに声も出ず
またまっさかさまに
もといたところに
堕ちてしまった

貴女はあたしを助けてくれるんじゃなかったの?
あたしはもう
何が起こったのかも理解できなくて
かなしくてかなしくて

あたしはまた
真っ暗闇に
堕ちてしまった

貴女はあたしを助けてくれる振りをしたのね
あたしはまんまとそれに嵌って

貴女はきっときっと
楽しかったでしょう

貴女は今
あたしには届かない明るい光の下で
友達とか
きらきらしたものに囲まれて
笑ってる

あたしはそんな貴女を底から見つめるだけ

でももういいの

あたしは貴女をいつか
引きずり堕としてやる
絶対に絶対に

あたしは貴女に裏切られたことで
強さを手に入れた
人を信じちゃいけない強さを

そしてその強さは言った
同じ苦しみを与えろ と 

あたしはこの暗い穴の底から
じっと貴女を見つめている
その隙を見逃さないよう

あたしは貴女を見つめている
絶対に絶対に

貴女を引きずり堕としたら
きっとあたしは明るい光に包まれることができるだろう

あんなにあたしが求めたもの

それがもう手の届くところに

待っててください待っててください

今あたしが貴女の足に
手を伸ばしているところなんだから

貴女の歪んだ表情を

早く

あたしに

見せて



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