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秋乱-АΚΙЯА-
[betrayal]
MASTER_CALL-B.B.D
betrayal 裏切り
約束・信義を破り敵に味方して、元来の味方にそむく行為。
内通。内応。
人の予期に反する行為。
高層ビルの屋上で星空を見上げている。美しく輝く数個の星は、何かを物語るように見下ろしている。風はない。足元には意味のない《情報》が無数に転がっていた。
青年は瞳に残る涙を拭き取ると、手に持っていた眼鏡を掛ける。そして、再び星空を見上げた。
青年:「…涼しいですね、今日は…」
青年は暗闇の中の誰かにそう言った。だが返事は返ってこなかった。
冷たい風が吹く。
青年:「…教えて下さい。貴方は誰なんですか」
暗闇に視線を移し、小さく尋ねた。すると、暗闇から一人の青年が現れた。
青年:「っ貴方は…!」
青年:「やぁ、中枝君。あの時以来だね。今夜は握手を求めても良いかい?」
暗闇の青年はニコリと笑ってそう言った。
中枝:「…まさかっ…!」
中枝は後退った。風が再び彼を打つ。
青年:「…やっと分かったか。俺は『アルデヴィル』の一人。今回は君の『削除』命令が下されてね。俺が引き受けたってわけ」
中枝:「じゃ…もしかして貴方が佐伯君をっ?」
青年:「あれ?佐伯が死んじゃったの、知ってたんだ。…鈍いよな、人間って。どこで誰が死んだかなんて、全く気付かないんだから…。まぁでも君は例外だね。『ムルタ』の中ではトップだろう、きっと…」
中枝:「な、何の事ですか?…『トップ』って何なんですかっ…?」
中枝は頭の中が巡りに巡って訳が分からなくなった。青年は尚も笑顔を見せ続けた。淡い月の光が彼等を照らす。
青年:「…俺にその事を教える義務など無い。ただ俺は命令に従っているだけだ…」
中枝:「…じゃぁ…これだけは教えて下さい。佐伯君は、貴方が殺したんですか…?」
中枝は一歩前に出た。すると、なぜか今まで吹いていた風がピタリと止んだ。生温い空気が広がる。
青年:「…違う…俺はヤッてねぇ…」
一瞬、青年の顔が曇った。だが中枝はそれには気付かなかった。
中枝:「じゃ誰がっっ!」
青年:「知るかっっ!…俺はお前を殺す!それだけだっ…!」
今度は中枝にも分かった。青年はやはり動揺している。だが彼は中枝に銃口を向けて立っていた。
中枝:「…知りたくないんですか?佐伯君を殺したのは誰か…」
青年:「黙れっ!そんな事どうでも良いんだよっっ!…黙らねぇとぶっ殺すぞっっ!」
青年は怒鳴りつけた。そして不気味な笑みを浮かべて、静かに言った。
青年:「…明日になると誰かが言うんだ。中枝はどこだ?あの成績優秀の中枝はどこだ?って…。はははっ!笑えるねぇ。どうせ直ぐ忘れるくせに、人間って馬鹿だよな。…どう思う?こんな世の中、捨てちまった方が良いよなぁ?」
中枝:「…そんな事、思うわけないじゃないですか。…異常ですよ…」
中枝は肩を震わせながら言い捨てた。
青年:「何とでも言え。どうせこれがお前の最後だ。とことん喋っておくんだ
な。…それとも何か?佐伯の仇でも討とうっての?」
青年はふざけて拳銃を持つ手を左右に振った。
中枝:「…そうですね。出来ればそうしたいです。しかし、貴方がそうさせてくれそうにないですから、無理でしょう…」
中枝は拳を握って冷静に答えた。それを聞いて、青年が舌打ちをした。
青年:「ったく、ムカつくぜその口調。…何か他に言いたい事でも在っか?」
青年は面倒臭そうに拳銃で頭を掻いた。
中枝:「…高木君。貴方は、人間の姿をした悪魔ですね。…そんなヒトと一緒に居た佐伯君の気が知れません…」
高木:「あぁあ。死んだヤツの悪口なんか言ってやるなよ、中枝」
高木は呆れた素振りを見せると、再び銃口を中枝に向けた。
高木:「アイツは好きだぜ?俺。…俺の嘘を普通に受け取っちまう。そんなヤ
ツ、嫌いになるわけねぇだろ?中枝」
不気味な笑みを浮かべて高木は言った。
中枝:「…くだらない」
中枝は呟いて思った。…どうしてですか、佐伯君。貴方はこんなヒトを信じた為に、命を失ったのに…貴方はそれで良いんですか?悔しくないんですか?
高木:「…恨むなよ?中枝。…恨むならお前をこんな状況に陥れた神様を恨むんだな」
高木は呟くようにそう言った。恨みますよ。佐伯君、弓原君…貴方達の仇を討とうとする僕を笑う、貴方達の事。…情けないですね、僕。中枝は思った。
高木:「まぁ、そんなモン居るわけねぇか…」
高木は拳銃を持っていない手で、また頭を掻いた。すると今度は中枝が、掛けている眼鏡を震える手で外した。
高木:「何だ?最後の眼鏡拭きでもするのか?」
苦笑いを浮かべて高木が中枝に尋ねた。中枝は眼鏡を畳み、右手の手の平に乗せてそれを見つめる。
中枝:「…いいえ、違いますよ。最後は眼鏡なんて必要ないでしょうから…」
そう言って、中枝は右手を思いっ切り握り締めた。眼鏡は簡単に曲がり、中江だの右腕は小刻みに震えた。そしてクシャクシャになったソレを地面に落とす。中枝はその塊を見下ろして静かに言った。
中枝:「…もう良いんです、眼鏡なんて…」
中枝は顔を上げると、最後の笑顔を見せた。そして心の中で思った。…佐伯君、弓原君。出来れば…貴方達と一緒に…僕は…笑いたかった……。
銃声が夜空に響いた。中枝は口から血を吐き出すと、終に力尽きてうつぶせに倒れた。
高木:「けっ!まだ笑ってやがる。気持ち悪い…」
中枝は微かに見える星空に笑いかけていた。…もう良いんです。今、僕は……。ふっと中枝の意識が途絶えた。
高木は中枝が死んだ事を確認すると、立ち上がって携帯電話を手に取った。そして番号を押す。
高木:「…もしもし。言う通りにヤッたぜ、上江。この後どうすれば良い?」
電話の相手は上江だった。だが次の瞬間、再び鋭い銃声が響いた。
高木:「…え?」
高木はわけも分からず音のした方向に振り返った。
高木:「だ、誰だっ!」
彼の声が暗闇に響く。だが返事が無い。
大粒の雨が音を立てて一気に降り始めた。高木は夜空を見上げて舌打ちをした。目に雨が降りかかる。
高木:「…悪い。ちょっと待っててくれ…」
そう言って上江に断り電話を切ると、彼は再び暗闇に視線を移した。
高木:「…答えろ!誰だっ……!」
すると暗闇の奥から微かに靴音がしだした。高木はハッとして、そちらに目を凝らす。靴音はゆっくりとこちらに向かっている。しかし、暗闇からその姿を見せはしなかった。
高木:「誰だっ!」
その声に反応するように、遂に姿を現した。
青年:「…ご苦労さん。言う通りにやってくれたんだな、高木」
高木:「お、お前は…!どういう事だ!この事は上江と俺しかっ……!」
青年:「上江と?…ぷっはははっ!面白い!」
高木:「何を言っっ…!」
次の瞬間、高木の背中に激痛が走った。
高木:「どう…なっているんだ…」
高木は自分の足元に視線を下ろした。
青年:「…聞いただろ?銃声。この銃でお前を撃ったんだ、俺が……」
高木は背中から太股を伝って生温い液体が滴り落ちるのを感じた。彼の足元の黒い影に、更に黒い液体が広がり始めた。ソレは雨水と混ざり合い、地面を這うように流れる血。
高木:「撃たれたのか…俺が……どういう事だ…?」
青年:「お前がさっきまで電話で話してた相手は、上江じゃなくて俺だ」
青年は手の拳銃を背中にしまうと、戸惑う高木に笑いかけてそう言った。
高木:「…な、何で…そんな事が…?」
青年:「出来るかって?簡単さ。声の『情報』をちょっと変えたんだよ。上江の声の『情報』を少し貰ってな。…勿論アイツは全く知らないぜ、この事」
高木は背中に手をやった。生温い血が手につき、食い込んだ服の凹みに触る。どうやら弾は残ったままのようだった。
青年:「お前も鈍いな。撃たれた事に気付かないなんて…」
青年は笑みを浮かべた。そして足元に倒れた中枝に視線を下ろした。
青年:「俺が手を下すより、こっちの方が楽かなぁって…まぁ元は幸空の仕事だったけど?」
再び笑みを浮かべると、青年は高木に向き直った。高木は既に意識が朦朧としていた。
高木:「ハァ…ハァ…俺が…何をした…ハァ…」
高木は息を切らして青年に尋ねた。
青年:「…お前、『へラート』に侵入しただろ」
高木:「…へぇ…『ヘラート』ぉ…?…ハァ…」
青年:「MASTERの書斎の事だ。お前は『ヘラート』で何を探していたんだ?」
高木:「…ハァ……何をって…ハァ……っ」
そう言って高木は最後の力を振り絞って素早く拳銃に手を伸ばした。青年も拳銃を手に取る。
青年:「吐けっ!お前の正体は挙がってんだ!消される存在さ、高木っっ!」
高木:「そんな直ぐに消されて堪るか!お前こそ消えろっ吉海っっ!」
銃声が響き渡り、大粒の雨を斬って飛び交う。吉海は地面に転がり込み、壁の後ろに隠れた。
吉海:「ふざけんなっっ!お前がこっちに来た時、何の挨拶もせずに侵入を謀
ったんだろうが!それがお前等『ドゥ・ル・ヴァン』のやり方だって事に気付いたのは、俺が最初じゃねぇぜ?それが俺達に対する『宣戦布告』って最初に理解したのは俺だがなぁっ!」
そう言って吉海は拳銃に弾を詰めると、再び戦場に転がり込んだ。
高木:「うるせぇっ!…ハァ…俺は『BOSS』の命令に…従ったまでだっっ!」
高木も残りの弾の数を数えると、向かってくる吉海の体に体当たりした。2人は地面に勢い良く倒れ込むと、その衝撃で手から離れてしまった拳銃の行方を捜した。
高木:「…ハァ…お前等悪名高き『ロワン・ロラージュ』の…ハァ…真相を暴く為にっ!…ハァ…」
だが先に拳銃を手にしたのは高木だった。
吉海:「へっ!情けなくも死ねなかった戦士のお前等に、言われる筋合いはねぇんだよっっ!」
吉海も拳銃を見つけ出す事がやっと出来た。だが遅かった。既に高木は銃口を吉海に向けていたのだ。それに気付いた吉海は素早く振り返ると、撃たずに高木の顔目掛けて左手のナイフを突き立てた。
高木:「ちっ!」
高木はソレに反射して顔を背けた。だが彼の胸倉を掴み取った吉海は、思いっきり彼の頭を地面に叩きつけた。鈍い音が雨音と重なって微かにした。
吉海:「お前等みたいな、ヘボ警官に何が出来るって言うんだっっ!えっ?」
高木:「頭の狂ったヤツに言われたくねぇなぁっっ!」
高木は吉海を押し退け、拳銃を再び手に取った。彼の頭からは大量の血が流れていた。既に足元もふらついている状態だった。
吉海:「はははっ!笑わせんじゃねぇ!若い野郎に警官やらせるヤツ等の方が気が狂ってらぁっっ!」
高木:「黙れっ!黙らねぇと撃つぞっっ!」
高木は的を絞ると、吉海に大声で言った。
吉海:「良いねぇその台詞。警官っぽい。らしさが出てるぜ?高木」
高木:「黙れっっ!」
そして次の瞬間、高木は勢い良く引き金を引いた。だがしかし、拳銃はカチャリという音を出しただけだった。
高木:「っなぜだ!」
少し遠くで吉海の笑う声が聞こえる。雨は一向に止む気配が見られない。暗闇の中、激しい雨音とともに吉海の笑い声が響く。
吉海:「はははっ!…駄目じゃないか、自分の拳銃と他人のとが見分けられないなんて。やっぱ情けないのはお前の方じゃん」
そして暗闇から吉海の飛ばしたナイフが、速いスピードで回転しながら高木に向かってきた。あまりにも速過ぎて、今度は顔を背ける事が出来なかった。
吉海:「言っておいてやるよ。…侵入した限り、どこまでもお前等を監視し続けるからな。俺達にはこの世の『情報』全てが手に取るように分かるんだ。…って、もう死んでっか…」
吉海が足で高木の体を仰向けに転がした。そして彼の額に刺さったナイフを抜き取った。
吉海:「ははっ…。悪いなぁ、高木。頭狂ってないとやってけねぇんだ、俺。…そういうふうに育ってんだよ…」
吉海はそう言って、雨に打たれたビショビショの髪を掻き上げた。そして顔に当たる雨も気にせず、夜空を見上げた。
吉海:「…お前等は知らないだろ?俺がどうやって育ったかなんて…。まぁ、分かるはずないか…」
吉海は雨水で重たくなった体を無理矢理動かし、二人の遺体を残してその場に背を向け歩きだした。
吉海:「…俺だけじゃねぇ。玲瑠だって……皆、心に闇を持っている…」
吉海は思った。今、俺は幸せだ。それが例え嘘であっても、昔より遥かに違うのは確かだ。
雷が鳴った。遠くで稲妻が走る。そうだ、あの日も雷が鳴っていた…。ふと吉海の中で過去が甦った。
そう、あの日は《情報戦争》勃発の前日だった。凍った夜空にオーロラのように降り注いだ、何百もの稲妻〈ル・ムルトゥル〉。それはまるで《情報戦争》を祝っているように、俺には見えた。俺が捨てられた、7歳の冬の夜の事だ。
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