へっぽこのととほでくだらなな生活録

へっぽこのととほでくだらなな生活録

第三話


旧貴族日野家の跡取り息子。
容姿端麗眉目秀麗成績優秀冷静沈着。
自然と芸術を愛す優しき色男。百九0の長身と長い手足を持て余している。美しくも甘く切ない程の魅惑のバリトンは聞いた者を魅了し、中には失神者もいるとかいないとか。



~第三話~

 日野ひむら様の朝は美しくも優雅に始まる。
 小鳥のさえずりに邪魔されて幸せな夢から醒めると、真白いカーテンの隙間から冬独の優しい陽の光がふんわりとこぼれている。しばらくまどろんでいると、またちちちと鳴かれる。
 長い手足をベッドからするりと抜くと、ヒンヤリとする早朝の心地好さ。
肩にガウンを掛けながらさあっとカーテンを開ける。とたん、眩い光の洪水におそわれる。
 陽に光る長い睫。
 ゆっくり瞳を開くと、部屋から続くバルコニーにつぐみがとまり、可愛らしく歌っていた。
 木机の引出しに入れてある木の実を取り出してまだ冷たいバルコニーに出ると、つぐみはうれしそうに鳴いた。
「おはよう。ぼくのちいさなオルゴールさん」
 ああ、なんと!
 小鳥でさえも気を失いそうになるような甘いバリトンが響く。
 そっと差し延べる美しく長い指に怖がりもせずに乗って、つぐみはうれしそうに、また、ちちちと鳴くと真紅の実をついばんで空へと飛び去った。
 目下に広がる見事な英国風庭園が朝露にきらきらと瞬いている。
「この世はかくも美しい」
 思わず感嘆するひむらに可愛らしい笑いがおきた。
「おはよう、兄様!お寝坊さんね!まだ夢をみているの」
「まあ、はつさんってば。からかっては駄目よ。おはよう、ひむらさん。ご一緒しませんこと」
 愛犬数十匹と庭を散歩していた姉のうめつと妹のはっとりだ。お二人ともに美しく気高い姉妹である。
「おはようございます。姉様、はっとり。散歩か、いいね。しかしその前にぼくは何か飲むことにしよう」
 ひむらは部屋へ戻り、サイドテーブルに置かれたガラス製の小さなベルをちりんちりんと鳴らした。
「おはようございます、ぼっちゃま。お目覚めですか」
 すぐに女中頭の早川が現れた。
「ああ、おはよう」
「けひぃをお持ちしましょう。あめりかんに致しましょうか、かふぇおぅれに致しましょうか」
「うん、頼むよ。そうだな、今朝はミルクをたっぷり入れてもらおうか。ノンシュガーでね」
「かしこまりましてございます」
 やがて運ばれてきた香しい珈琲の湯気がたゆとう。
 ひむらでなくとも思うだろう。
 ああ、なんて素晴らしいのだ! 全てこの世は事もなし!

 ~つづく~










え、エーと、ワタくシ、オヌーと申しマース。予告ナビ下ぇ駄つとめテミルね。今回VERYLONGLONG! ビックリしたヨ。BUTメイン、WHO? だあれもでってまっせ~ん! ツマラナイネー。ご期待しっなーいように注意してクーだサーい! 以上デース! バイバイ


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