大作・大家でタジタジする

大作・大家でタジタジする


≫≫≫★蒼穹の昴★浅田次郎★講談社★≪≪≪
蒼穹の昴(上) ( 著者: 浅田次郎 | 出版社: 講談社 ) 蒼穹の昴(下) ( 著者: 浅田次郎 | 出版社: 講談社 )

 最初は歴史ものにジャンル設定しようかとも思ったけど、あまりのスケールの大きさと上下巻763頁という物理的な量に、大作にジャンル分けした。読んでもらえれば、納得! だろう。
 歴史的エンターテイメント。中国・清朝の終焉期、壮大なスケールの物語が幕を開ける。それは、小さな極貧の少年・春児(チュンル)から始まった。占い師の同情から「汝は必ずや世の財宝をことごとくその手中におさめるだろう」との嘘の予言を受ける。春児はそれを信じ、男性器を切り落とし「宦官」となる。強い意志とひたむきな情熱で様々な試練を乗り越えて、西太后のそばに仕える。一方春児の知人である史了は、春児とは別の道・科挙として不可思議な経験をしながら政治の世界に登り、二人は否応なく歴史の転換期の渦に巻きこまれていく。
 女傑としての西太后はあまりにも有名だが、孤独で寂しく苦悩する一人の女として描かれている部分もかなりあり、同じ女性として興味が湧く。
 歴史上の実在の人物や想像上の人物が、それぞれ個性的に絡み合い、中国という大国の行方を左右しながらも、さらに一人一人の心情も繊細に生き生きと描かれていて、どんどん惹きつけられていく。文句なしに、おもしろい!
工事中


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