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グッド・シェパード



少しは冬の気配を覘かせるようになったか、朝夕にその兆と気温の変化に夏の次は冬に移り変わる今日この頃だ。今日は久々に時間が取れたので、朝から映画三昧。とりあえず4本観ることができた。一つは「エラ・エンチャンテッド」にほん未公開作品だが、スターダスト・ライン作品のファンタジーもの。ついで、12月後半からの「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」に先立ち、「ナショナル・トレジャー」の観直し、そして「ダ・ヴィンチ・コード」を経て、「グッド・シェパード」と連続して観た。
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「グッド・シェパード」は「ブロンクス物語/愛につつまれた街」以来13年ぶりにメガホンを執ったロバート・デ・ニーロ監督2作目となる人間ドラマだが、あらためてこの作品はかなり良く出来ていると思った。と、同時に実話からの映画化であることも再認識した。
製作総指揮のフランシス・フォード・コッポラほか一流スタッフが結集、仕事と家族の狭間で揺れる主人公の葛藤を軸にCIA誕生秘話を壮大なスケールで描く。主演は「ボーン・アイデンティティー」のマット・デイモン。共演に「Mr.&Mrs. スミス」のアンジェリーナ・ジョリー。


1961年、キューバのカストロ政権転覆を目論んだピッグス湾侵攻作戦がCIA内部の情報漏れで失敗し、指揮をとったベテラン諜報員エドワード・ウィルソンの窮地の選択を強いられる。第二次世界大戦前夜、イェール大学在学中に秘密結社スカル&ボーンズに勧誘されされたのを機に、この道に足を踏み入れて以来、戦中、戦後と優秀な諜報員として暗躍してきた話だ。

詩を愛する青年は優秀であるがゆえに政治と歴史の闇の部分を担うことになる。愛国心と亡き父の無念を晴らしたいという思いを胸に…。米国の諜報機関CIAの誕生秘話と冷戦期のスパイ活動を軸に一人の男の葛藤に満ちた生き様を描く。


脚本に『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞脚本賞受賞のエリック・ロスを迎え完成させた9年越しの企画。そこには、輝かしいサクセス・ストーリーとは無縁なリアリティがあり、快活さと笑顔を失ってゆく様を丹念に演じたマット・デイモンら俳優陣の確かな演技と相まって見応え十分、静かなる作品だが、久々の出来のいい映画を満喫した。いま最も熱い俳優といえば、たぶんマット・デイモンといえるだろう。何よりもこの映画は含蓄がある。言葉の重みと深さ、こういう作品は少なくなった。デ・ニーロ監督の哲学とも言えるものだ。

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