愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2008/07/16
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「普通は、好きな相手の事は

 信じるなぁ……うーん」

「ヤッパリ……、信じるって

 疑わないってこと……?」

「しかし、わざわざ『信じて疑わない』って

 言う言葉がある位だからなぁ……。

 ……少し違うのかもしれん?」

「…………」

「なんか、ややこしいな……」



「………ヤキモチってさ、好きだから疑うのよね………」

「うん、そうだろう、何も感じてないヤツになんか、

 ヤキモチ焼かないぜ」

「そうよね……」

「まっ、プライドの強さから、愛しても無いのに、

 怒り心頭ってのもあるが……あれはヤキモチとは違うな……」

「ホンデ……疑うってのは信じて無いってことでしょう?」

「そりゃー、そうだ。……信じて無いってことだ」



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「好きだけど……疑う………そして許せない………」

「ウン…………?」

「角井田さんよ…………彼の相手」

「…!」

「……………びっくりした?」

「……!!!!!(>_<)」

「俊さん!」

「びっくりしたなんてもんじゃないぞ!…お前」

「やっぱり……」

「高校で同級生だった角井田さんだろう?……お前もダンナも」

「そう………。俊さんの一年後輩だったからね」

「確か……お前と彼女、中学時代から親友だったんじゃ……?」

「そうそう、その角井田さんよ」

「うーん…………」

「ねっ!……驚いた?……でしょ?……喜劇よね…フッ」

「……まさか……おい……」

「それが、そうなのよ」

「ホントか……、そう言えば…………」

「なに?」

「実は昔な……、麻チャンから、結婚式の案内状を貰ったろう?

 あの時、新郎の名前を見て、ちょっと違和感があったんだ」

「ああ……、彼が高校時代に、角井田さんと付き合ってたから

 でしょう……?」

「うん、確か……そうだったよなぁ」

「それはね、たいした話じゃないんだけど………」

「おいおい、どういうことなんだ?一体……」

「今度のことも、最終的には、二人には何の罪も

 無かったんだけど……」

「何だって?……罪がない?

 ややこしいな………どういう意味だ?

 それって?」

「イヤ!…………らしいのよ………」

「……?」



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「………人を信じるって、どういう事なんかね……」

「又、それか………」

「私の一人相撲っていうの?……思い込みって言うか……」

「思い込みぃ……?思い込みって言ったって、お前、

 簡単に言うなよ。夫婦一生の事だぞ……。ええっ?」

「………私が、彼の言葉を信用しさえすれば、

 問題なかったんだけどね……」

「信用しなかったのか?……なんで……又」

「イヤ!……そのう……」

「お前なあ、その、何でもかんでも、すぐ『イヤッ』っていう

 口癖……直ってないなぁ」

「……かねぇ」

「なんで、ダンナを信用しなかったんだ?」

「イヤッ!……あれ又、フフフッ………。でもさ、

 そういうことってあるじゃない?

 ……もう、カーッと頭に血がのぼって……」

「……まあ、ないことは無いが……。子供もいて……か?」

「イヤ!俊さん、やっぱり、よそう。

 ……昼間っからする話じゃないよ……やっぱり……」

「ウン……」

「……」



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「……麻チャン……会社の中にもな、ホントに色んな人間が

 いるわけさ。俺も時々、何だかんだと相談受けるのよ……」

「………」

「……夫婦の間のすれ違いの相談だって、今まで、

 無かったわけじゃない……」

「……そう………でっ、俊さん、聞いてあげてるんだ。

 丁寧に……ね。……昔からそんなんだもんね、俊さんは……」

「あのな……、俺んとこの職場ってIT職場だろう……?

 感性とか……頭脳使ってする仕事が多いのさ……。

 頭が健康でなきゃなっ、仕事もはかどらないし……、

 第一、本人が面白くないんだよ。

 ……気分転換といっても難しいしなぁ……、

 悩みなんか持ってた折りにゃー、

 能率もガタ落ちで、本人にストレスも溜まっちゃうんだ」

「フーン、色々、あるのねぇ………」

「その悩みってヤツも多種多彩でな。

 ………まっ、俺達の若い頃だって色々あったから、

 何も現代に限ったことじゃないが、

 ……けっこう男女に関する事って、……最近、多いぜ……」

「世の中、結局男と女だもの…………。

 弁護士の仕事も、そっちの方……多いよ……」

「まあ、俺の場合は会社の先輩って立場だから、

 職場の人間関係とか、仕事の技術上の悩みとか、

 仕事の適性上の相談っていうか……向き不向きの相談だけど、

 そういうのが多いけどな。

 しかし……以前から、結婚や離婚に関することも、

 決して少なくは無い……」

「会社の先輩って言ったって、いつも一緒に生活している、

 人生の先輩でもあるからね。色々と人生相談するのも、

 人間としちゃー自然な関係よね」

「……ウン、そうだな。考え様によっちゃー、家族よりも、

 一緒にいる時間が長いわけだ」



8734.jpg



「…………俊さん、私ね、私……絶対許せなかったもんね。

 ……子分のくせに……」

「子分?……ん?………角井田さんの事か……?」

「ウン、中学の時から、どれだけ私が助けてやったと思う?」

「………ウーン」

「冗談じゃないわよ………全く」

「そんな間柄だったのか…?………お前たちふたり」

「いじめられてる時も助けてやったし。……勉強だって……」

「勉強……?」

「うん、彼女……遅れてたから、どれだけ教えてやったことか」

「へえー……そんな関係には、見えなかったな」

「落ち込んでるときだってよ…………」

「支えてやった……か」

「………ホント……冗談じゃないわよ……」

「んんーん……(-_-)」

「スカーフだって、手袋だって……色々あげたよ」

「フム……」

「あの子だけは、許せないよ。……絶対」

「でもさ、何も無かったって、さっきお前言ったじゃないか?」

「イヤ、あったか無かったかなんて、そんな事関係ない……」

「オイオイ麻チャン、それって、法律屋らしくないぞ。

 だって、相手は無罪なんだろう?」

「イヤ……だってよ、だって彼女、私が消えるのを

 待ってたのよ」

「消える?おいおい穏やかじゃないな……冷静に冷静に………」


「………彼女、ずっとウチのダンナの事、想ってたのよ」

「知ってるよ。……でも、お前たちの結婚前のことだろう……」

「ううん、……ず~~っと、その後も、ず~~っと」

「ずっ~とって言ったって、彼は麻チャンと結婚して……」

「もちろん、彼の方は……冷めてたわよ」

「…………だろう?」

「……元々熱くも無かったし……」

「それは、そのはずだよな……お前と結婚したんだもんな」

「ウン」

「それが何で、そんなことになるんだ………?」



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「……あの二人ね、元々、プラトニック・ラブだったからね」

「そうだろう?それが、なんで、変な事になったんだ…?」

「彼女、よくウチに遊びに来てたのよ」

「えっ?……結婚後もか?……新居に……?…まさか」

「イヤ!その『まさか?』が事実なのよ………」

「……しかし」

「まぁ、彼女と私は、中学の時からの付き合いだったし……」

「それは知ってるさ。だからと言ったって………」

「何よ……?」

「一度は恋人同士だったんだろう?……ダンナと」

「……だから、学生のプラトニック・ラブだったって!」

「…………そんなもんかなぁ」

「クシャミしてる顔を見たとたんに冷めるってヤツ……あれ」

「ああ、そんなのあったよなぁ。そんなんだったのか……」

「……そうとしか思えなかったよ。ホントに………」

「…………?」

「だって、くったくない顔して、しょっちゅう家に来るし……」

「へぇー……珍しいケースだな。……で、彼の方は?」

「ダンナも、まったく平気な顔してたし…………」

「……という事は本当にプラトニックだったんだな。ふたり」

「ええ、少なくともダンナの方は……、妹みたいって言うか」

「妹っていったって、同じ年だろうが……?」

「あれっ、知らなかった?彼、年は二つ上よ」

「えっ?俺より上?……何だそれ…」



        <続>


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Last updated  2008/07/21 12:59:22 PM
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