【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

2006/06/28
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テーマ: 旅の写真(3534)
カテゴリ: 日帰り近郊旅行
韓国シリーズを少しお休みして、首都圏近郊の日帰り観光レポートをお送りします。今回は大人の社会科見学風ですけど、東海村営無料定期観光に参加した際の様子をレポートします。今年のゴールデンウィーク前半戦に訪れました。

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これが移動手段のバスです。

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このような無料巡回バスが村の手で運行されています。この村ほど原子力に理解のある村はありません。反原発系の村とは大違いなのです。

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回る場所は三箇所でした。時間の関係でそのうち2箇所に参りました。素晴らしい…。こういうツアーにこそ参加せねば。JR東海駅からは完全無料です。バスも入館料もただです。

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このように原子力に理解を示す村を裏切る事故が起きました。JCO臨界事故です。英語でも表記があります。JCO Criticality Accident Exhibitionです。勉強になります。臨界のことをCriticalityというんですね。

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最初の訪問場所は原子力科学館です。茨城県の施設です。

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こちらが本館の外観です。

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こちらが別館です。JCO事故の展示は別館で行われていました。

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本館内部はこんな感じのパネル展示が続きます。余り面白くありません。子供心が分かっていないなあ…。子供が楽しめるのは「驚きのある実験」です。幼い頃に楽しい体験を積めば、自然に自然科学志向が強まり、原子力学科を目指すというものでしょうに。

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原子力はこんなところでも利用されています、という企画展です。どーでもいいですけど、どうして日本では放射能と放射線の違いを教えないのでしょう…。原子核分裂反応からエネルギーを取り出し利用するのと、放射能から発せられる放射線を利用するのでは全然違うじゃないですか…。核と共に生きる私たちはもっと核に関心を持たねばならない。無関心は恐ろしいのです。皆が関心を持っていれば、電力会社もしっかりと安全策を講じます。無関心が手抜きを生み、事故を生んでしまう、という構図は十分にありえるのです。

さて、いよいよJCO臨界事故の展示に進みます。

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先ずは「臨界とは何か」という説明です。私の世代では常識なのですけど、ウラン235原子核が核分裂を起こすと中性子2~3個が飛び出します。普段からウラン235は一定の割合で崩壊(分裂)しています。だからいつも中性子が飛んでます。

ウラン235原子核に中性子が当たるとウラン原子核は核分裂を起こします。核分裂を起こすと中性子が出ます。中性子がウラン原子核に…。こういう状態になるのが臨界です。このように、核分裂が連鎖反応により持続して進む状態を臨界といいます。

ウラン235にせよプルトニウム239にせよ、一定以上の量を集めると、勝手に核分裂を始めてしまいます…。恐いですねえ…。広島・長崎でも同じことが起きました。もちろん、核兵器の場合は、一瞬の内に全部の核物質を「燃す」ために色々と工夫をしていますし(プルトニウムが燃え残ると物凄く厄介なことになります)、原発や原子力潜水艦ではじわじわ「燃す」ためにこれまた色々な工夫をしています。

JCO事故では意図せずにこの臨界に達してしまったのです…。臨界に達すると、相当の熱が発生しそうなんですが、JCO事故では建物を破壊するほどの熱は出ていません。但し、臨界に達すると猛烈な放射線が発せられます。作業員2名はこの放射線で命を落としました(被爆量は諸説ありますが数シーベルトというものすごい量だったと言われています、ちなみに年間許容量は50ミリシーベルトです)。

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これが事故を起こした沈殿槽の模型です。

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前から見た様子です。

臨界を起こさないようにするためには、非常に単純なことですが、ウランを小分けにすることです。この事故の際はウランを含む溶液を一度に大量の処理しないことで求められていました。

このルールを長年にわたって無視していたのです。しかし、それでも事故は起きませんでした。最初にルール破りした人々は臨界の可能性を知っていました。だから、臨界を起こしにくい形状の容器で処理を行っていました。球体に近い形だと中性子が外に逃げませんので臨界に達しやすくなります。これを防ぐために非常に細長い容器を用いていました。

無関心と年月の経過は恐ろしいものです。何時の間にか作業をする人々は代替わりしました。「何故細長い容器を使うんだろう…、使いにくいじゃんか、このバケツみたいな奴を使ったろ」と思ってしまったのです。

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事故の説明とともに内部のようすが展示されていきます。バケツが開くのです…。もちろん、これらはレプリカです。

この事故の際に、我々は原子力事故に対し何の備えもしていなかったことが判明しました。例えば…、この作業員を助けに行った救急隊員に、事故の模様は語られませんでした(その結果、救急隊員も十数ミリシーベルト被爆しました)。臨界は数時間から十数時間も継続しましたが(猛烈な放射線を出しつづけました)、その間、県にも村にも連絡は中々行われませんでした。警察も事故の模様を把握できず、 非難 の要否も判断できませんでした…。



チュルノブイリの例もそうですが、原子力事故の際の消防隊や救急隊の役割は非常に大きいのです。



原子炉から放射能が漏れ出すと言うのは非常に恐ろしいことです。近くにいたら助からない可能性が高い。しかし、原子炉の中の放射能の多くは非常に半減期が短いのです(プルトニウムは物凄い半減期ですけど)。つまり、的確な状況把握と避難誘導(更には沃素剤の配布)によって、少し離れたところにいる人の被害を抑制することは十分可能なのです(ゼロには出来ません)。

東海村は日本で一番原子力に理解のある村でした。日本で初めて原子核分裂を実現したのも東海村でした。東海村並びに村民は原子力産業及び原子力研究施設を信頼していました。しかし、この事故では、その信頼は裏切られました。村や県に事故の報告がなされたのは遥か後のことでした。

この事故は幸いにして少ない犠牲者で済みました(犠牲になられたお二方のご冥福をお祈りいたします、合掌)。この事故から多くの教訓を引き出すことが出来るはずです。私たちは原子力発電なしで現在の生活水準を維持することはできません。かの環境大国ドイツだって、今でも原発が稼動中です(建設は止めてますけど)。原発と共に暮らさざるを得ない以上、今すぐ原発の運転を止められない以上、原子力事故に対する備えをせざるを得ない。

だから…、この事故を風化させてはならない。東海村の人々はこのように考えて、この展示を行っているのだと感じました。

さて、気を取り直して、もう一度本館に戻って、実験展示を撮影しました。

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これは放射線の強さを測るモニタリングポストです。原子力発電所は通常運転中、殆ど放射能や放射線を外には出しません。自然放射線より極僅かなレベルの放射線しか観測されません。きちんとマニュアルを遵守して運転すれば十分安全は確保できるのです。しかし…、多くの事故はマニュアルを守らないことから発生します。私たちは、彼ら彼女らがマニュアルに沿って適正な運転を行っていることにいつも関心を持たねばなりません。

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こちらは、α線・β線・γ線の透過実験です。α線は紙一枚も透過できません(その代わり、重いヘリウム原子核が飛んでくるので、食らうと影響が大きいのです)、β線は数ミリの鉄板で防ぐことができます。

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大きな「霧箱実験装置」です。この箱の中は過飽和状態の水蒸気で満たされています。過飽和状態だと、ちょっとした刺激でも、直ぐに水に戻ってしまいます。自然放射線が通過した時も、その航跡が水滴(白い)の線となります。

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こんな感じの展示物の施設でした。

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出来れば、たくさんの人々に見て欲しい、と思いました。

次回は「げんでん東海テラパーク」の模様をレポートします。今までご紹介した原子力科学館が高校生レベルの物理学の説明であったのに対し、げんでん東海テラパーク(もちろん運営は日本原子力発電)は原子力発電そのものにスポットを当てた施設です。

【昨日の成果】
ポプラ(EDY) 2マイル(NH)
E電乗車(SUICA) 3マイル(JL)
人間ドック(JALC) 399マイル(JL)
楽天ブックス(SP) 3÷2≒約1マイル(NH)
楽天ブックス(JCB) 3×1.5倍≒約4マイル(NH)
Infoseekモバイルラッキーくじ当選 1÷2=0.5マイル(NH)

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Last updated  2006/06/28 08:57:25 PM
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