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”壮絶なるシーン”に挑んだ「マトリックス」のモニカ・ベルッチ主演!その映像描写が物議を醸...
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大好きなモニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセル夫婦。これまでも「ドーベルマン」を始め「アパートメント」、「 ジェヴォーダンの獣 」、「 スパイ・バウンド 」、「 変人村 」(これは共演とは言えないかもしれないが)・・・と夫婦共演作はチェックしてきました。
そして「アレックス」ですが・・・。映画史最長9分間のレイプシーンだとか、画面がぐるぐるしたりフラッシュしたりで気分が悪くなる人続出だとか、カンヌの試写会で途中退席した人多数だとか(しかも吐き気を催した人もいるとか)、とにかく 半端な気持ちで見ると大怪我するよ!! という前情報いっぱいで、尻込みしてしまい長年借りれずにいました(ちなみにR-18)。
が、清水の舞台から飛び降りる決心をして、思い切って観てみることに・・・。幸福なカップルの彼女アレックス(モニカ・ベルッチ)の方がゲイにレイプされてしまい、彼氏(ヴァンサン・カッセル)が友達(アルベール・デュポンテル。 PARIS や モンテーニュ通りのカフェ に出ていたおじさん俳優)と犯人に復讐するというストーリーを時系列とは逆の順に並べた映画です。
クレジットのアルファベットが鏡文字になってたりして(日本語で言うと GANTZ の文字みたいな感じなのだろうか?)、最初から不穏でイヤ~な感じのバイブスがビンビンです。 嫌だな、嫌だな~、怖いな、怖いな~ (稲川淳二風)。
時 系列とは逆なので、悲惨な場面が前半、映画が進むに従って幸福になっていくという作りなのが、救いようがあるっちゃあ、救いようがあるような気もす る・・・。しかし凄惨なレイプシーンはやっぱり見たくないなあ~と目を覆ってしまうとともに、モニカ・ベルッチの恐れを知らない女優魂に「 ここまで、やるか・・・ 」とドン引きにも似たリスペクトを感じてしまうという感想でした。
しかし・・・しかしだよ、パリの治安の良くなさそうな場所に真夜中一人歩きをする、しかも人気のない地下道、しかもノーブラのスリップドレス、これはアウトだろう。喧嘩したとはいえ、彼氏も友達も女性を一人で帰すとかあり得ない。 夜中の地下道はゼッタイに一人で歩かない。ダメ、ゼッタイ!! と心に誓ったのであった。
し かも地味にコワイのが、レイプ犯行中に地下道に入って来る通行人が奥の方でチラっと写るのに、その人が助けにもこないし、通報もしないっていうことであ る。ヤバいことには関わりたくないってことなのかもしれないけど、せめてそこで通報なり何かしてれば、アレックスが最悪の状態になることはなかったのにな あ・・・。
この後からは、まるでモニカ&ヴァンサンの寝室を覗いているかのようなラブラブシーンがたくさんで、スター夫婦の寝室覗き見!って宣伝されてた「 アイズワイドシャット 」なんかより ずーーーっと覗き見感覚でお得なんです。 いや~ええもん見せてもらいました~(思わず拝む)って言う感じ。しかし、後の(映画の時系列では前だが)悲惨な運命を予感させるセリフもあったりして凹むのであった。
「アイズワイドシャット」と言えばキューブリックの「2001年宇宙の旅」(寝室のポスター)や「時計仕掛けのオレンジ」(アレックスという名前)オマージュみたいなのもありましたねえ。そこまで詳しくないので、どういう意味かよくわからなかったけれども・・・。
結局この映画が言いたかったことは「 覆水盆に帰らず 」(原題: Irréversible は「巻き戻せない」みたいな意味)ってことだけど、スタンダードな格言のように見えて、劇中での取り返しがつかない惨劇がヘビーすぎただけに、ずっしりとイヤ~な重みを感じるのでした。
DVDの特典で、時系列再生があったけど、これ観る人いるのかな・・・。逆時系列だからまだ救いがあったのに、普通に時系列で見たら立ち直れないのでは・・・。「 ブルーバレンタイン 」どころの騒ぎじゃない鬼畜の所行ですが・・・(「鬼畜の所行」出典はこちらの タマフルポッドキャスト を)。
あ とギャスパー・ノエ監督のオーディオ・コメンタリーもついてた!こちらはかなり興味あったけど、もう一回映画を観なきゃいけないわけで、これは何と も・・・ちょっと精神的にキツイので見送ってしまいました・・・。コメンタリーを見た人のブログよると、ゲイクラブで殴られたのは本当の犯人じゃないらし い・・・ううう・・・。やはり救いようのない話だったのだった。
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