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他のDVDの予告で見て、良さそうだと思ったのでレンタル。世界的な彫刻家イサム・ノグチのお母さんであるレオニー・ギルモアの半生を描いた作品です。イサム・ノグチは・・・恥ずかしながら名前を聞いたことがあるなってことくらいですが、そんな私でも女の一代記として、なかなかに興味深い映画でありました。
レオニーさんはアメリカで、日本人の詩人ヨネ・ノグチ(中村獅童)と出会い彼の編集者として働くようになるのですが、ヨネの子を身ごもってしまいます。ヨネは国際情勢の悪化で日本に帰国。未婚のままイサムを出産しますが、やはり父親がそばにいた方がいいだろうと言うことで、幼いイサムを連れて日本へ移住することに。
しかし1世紀前の日本なんて現代日本人の私からしても、十分得体の知れない国だと思うのに、レオニーさんは勇気があるなあ・・・と思う。しかしレオニーの妊娠判明後、ヨネが一貫して冷淡で男尊女卑のひどい男として描かれており(しかも日本に正式な妻がいた)、昔の話とはいえコレを見た外国人女子が日本男児を敬遠してしまわないかちょっと心配である。 獅童なだけにシドすぎる・・・ なんちゃって。
そんなわけでひどいヨネなんだけれども「草食男子」とやらが増え続ける昨今、アメリカ人女子をこんなに情熱的に口説けるってのは、同胞として「 でかした! 」という気分にもなる・・・(笑)。たまに彼女がわからない母国語で愛をささやく手口はエキゾチックで、男女問わず使えると思いますよ~。
レオニー役はエミリー・モーティマーなんだけど、不幸な役が多いね。ハリウッドの木村多江といったところか?!しかし、今回はただ不幸なだけじゃない。確かな演技力で気丈な女性レオニーを演じており、感情移入することが出来ました。ちょっとレオニーさんはダメンズ気質があるのかな~って思ったけど。
ヨネの口利きで、英語教師をすることになったレオニーですが、しばらくするとまた身ごもってしまうのですよ。ヨネの子供ではなくって、じゃあ父親は誰?ってことですが、彼女が英語を教えていた日本人男性ではないかという説があるそうです(レオニーは生まれた子にも父親が誰かを言わなかったそうな)。
茶人(中村雅俊)、イケメン青年(柏原崇)、軍人(山中聡)が授業を受けているシーンがあるのですが、この中のどの男性ともそういう関係があったのでは?という感じに演出されていました。私はどうも中村雅俊じゃないかと思うのですが、まあ真相はわかりませんね・・・。
しかし、1世紀前の日本で未婚のまま父親の違う子供を産み、自活していたっていうのがすごいと思います(残念ながら津田梅子には「力になれない(就職先を提供できない)」って言われたけど)。子供たちもグレることなくイサムは彫刻家、アイリスはダンサーと素晴らしく育ってるしな~。
医学部で勉強中の息子に、「あなたは芸術家なのよ!」と言って進路を変えさせるのもすごいっちゃすごいしね・・・。普通の親ならホクホク顔で息子を医者にしたいと思うだろうに。きっとレオニーはイサムの才能を見抜いていたのだろうなあ。やっぱり子供の才能を生かすも殺すも親次第。私もレオニーのようなお母さんがいたら、ひとかどの人間になれていただろうか?なれてなかっただろうなあ~(松鶴家千とせ風)。
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