第３話 アビリティ
ＡＭ７：４０
佐々海 「あ、川崎君。オハヨ」
川崎 「おはよう」
川崎 「登校中に会うってことはこの辺にすんでるの？」
佐々海 「うん。歩いて５分もかからないかな」
川崎 「あれ？じゃあなんでこんな早い登校なの？」
佐々海 「こっからが時間かかんのよ」
川崎 「？？」
２人がしばらく歩くと一軒の家についた
佐々海 「ここ」
川崎 「この豪邸が・・・なんなの？」
佐々海 「裕平んち」
川崎 「ええ！！？？」
川崎 「裕平の家ってお金持ちだったんだ・・・」
佐々海 「さてと・・・ここで携帯を鳴らしてみる」
佐々海 「・・・・・」
佐々海 「はい出な～い」
川崎 「なんか当然なの？」
佐々海 「あったぼーよってぐらい」
佐々海 「次に・・・」
佐々海 「くおおぉぉぉぉらああぁぁぁぁ！！！！」
・・・・・
佐々海 「ま、毎日なんだけどね」
川崎 「まだ寝てるんだ・・・どうするの？」
佐々海 「ここで最終手段」
佐々海 「合いカギ～」
川崎 「なんで持ってるの？」
佐々海 「ん？ちょっとね」
ガチャ！
佐々海 「入るわよ～！」
佐々海はトットッと階段をのぼり正面の扉を開けた
川崎 「うわ～！」
そこは図書館のように本棚がギッシリしきつめられていた
川崎 「すごいな・・・この本」
佐々海 「こっちよ」
と言うと佐々海は奥の方へ進んでいった
川崎 「ちょ、ちょっと待ってよ！」
佐々海 「さて、今日はどこで寝てんのかな？」
川崎 「へ？裕平ここで寝てんの！？」
佐々海 「そ。飽きもせず野球の本ばっか見てるの」
川崎 「ほんとだ！コレ全部野球の本だ・・・！」
佐々海 「あ～あ！奥から３番目の本棚の金庫の中の
あの本処分しちゃおっかな～！」
川崎 「うわ！・・・なんでそんなおっきい声だすのさ。
ボクはとなりにいるのに・・・」
するとさらに奥の本の山から「ガサ」という音が聞こえた
川崎 「何？今の音・・・」
佐々海 「お目覚めね」
本の山が揺れたかと思うと噴火のように本が飛び散り
中から前田がすごいスピードで出てきた
前田 「そ、それだけはぁ・・・（ガク」
川崎 「死んだ！？」
佐々海 「バカやってないで！行くわよ。学校」
前田 「あと５分だけ寝させて・・・」
佐々海 「ダメ」
前田 「鬼。極道妻。怪物。妖怪・・・」
佐々海 「殺すよ？」
前田 「すいませんでした」
佐々海 「早く顔洗ってくる！」
前田 「へーい」
と言うと眠そうに歩いてった
川崎 「なんでこんなに本があるの？」
佐々海 「好きだからでしょ？」
川崎 「ふーん・・・それにしてもよくこれだけ集めたね」
佐々海 「うん。しかもあいつこの本全部の内容覚えてるってよ」
川崎 「マジですか・・・」
佐々海 「もう１００回は読み返したって。
私は１回読んだからもう充分」
川崎 「１回見るだけでもスゴイよ！」
と話してるうちに前田が帰ってきた
前田 「準備完了！」
佐々海 「よし。まだ間に合うわね。行こ」
川崎 「スゴイ毎日だな・・・」
３人は学校へと歩いていった
・
・
・
・
・
市立帝国高校
川崎 「ふぃ～。やっと着いた」
前田 「んじゃ悠恵。クツ頼むぞ」
佐々海 「はいはい。いってらっしゃい」
と言うと前田はクツを脱ぎ始めた
川崎 「まだ下駄箱じゃないのになんで脱ぐのさ」
前田 「ん？まぁ見てな」
前田はそう言うと軽く地面を蹴った
すると前田の体はフワッと浮き上がった
前田 「！？」
？？？？「ちょっとゴメンやっしゃ」
と言った男は前田にガシッとしがみついた
前田 「な、なんだお前！？」
？？？？「上まで頼むわ」
前田 「しょうがねぇなぁ・・・」
前田はあらためて地面を蹴るとフワッと１年の教室がある
４階へと飛んでいった
？？？？「お前のアビリティ便利やなぁ」
前田 「まあな」
？？？？「あら、オマエ前田ちゃうん？」
前田 「ああ。そうだけど」
？？？？「オレの名前は足立。足立昂拓や」
川崎 「なななななななななな！！！！」
佐々海 「どうしたの？」
川崎 「人間が空を飛んだ！！！！！！？？？？？？」
佐々海 「あれが裕平のアビリティよ」
川崎 「アビリティ？？」
第４話へ続く
© Rakuten Group, Inc.
