時       by 管理人



その時・・・人はどれだけ悲しみ・・・心に傷を負うだろうか

そして誓うのだ・・・



             「忘れまい」


              と・・・


ところが・・・時はそれを許さなかった

いつしか心の傷は癒え・・・

忘れてしまう・・・

忘却・・・いや、時とは恐ろしいものだ・・・

なぜかって?

なら聞こう・・・

キミは祖母の命が失われ・・・

1年後に「今までで辛いことはあったかい・・・?」

そう聞いたとしよう・・・

祖母がキミの口から発せられるのは・・・

2、3個目だろうな・・・

1、2個も・・・

祖母の命よりも重い悲しみがあったのか?

祖母の命よりも・・・尊い犠牲だったのか?

時は恐ろしい・・・それと同時に・・・

喜ばしい・・・

人々はそういうだろう・・・

だが・・・私は違う

なぜ・・・人は誕生日を向かえるごとに

別れが近づいてるのに気付かないのだろう・・・?

なぜ・・・

喜ぶのだろう・・・

私は時が憎い・・・

忘却という闇から手を差し伸べてくる・・・

そして・・・私を苦しめる

もうすぐ・・・私の命の灯火が消え・・・

人々が悲しむだろう・・・

だが・・・それもひと時・・・

人が集中できる時間なんてほんの一瞬なんだ・・・

ならば私は生きよう・・・

その「一瞬」という光の中で・・・


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