魂の叫び~響け、届け。~

湛増の誘惑

欠け逝く月に恋ひ願ふ。 -ヒノエ分岐SS-






ようやく手に入れたのは、戦いの無い穏やかな日々。

街灯ひとつ無い御簾越しの宵闇空に、黄金色の月が満ちる――――。



カタン・・・。


軽い物音に驚いて振り向くと、間近にある緋色の視線にぶつかる。

一体いつの間に・・・相変わらずの身軽さには舌を巻いてしまう。



「――――月からの使者でも待っているのかい?姫君。」


「・・・ヒノエくん・・・。」


「参ったな・・・そんな瞳をするなよ。オレはお前を哀しませたい訳じゃ無いんだからさ。」


肩を竦めてすまなさそうに微笑むと、彼は優雅な仕草で髪を掻き上げた。

そんな姿に目を奪われていた自分に気付き、慌てて意識を逸らした時には既に遅く・・・・。


腕を取って引き寄せられた次の瞬間には、

その腕の中へ背後からすっぽりと抱え込まれてしまっていた。

華奢で細いその腕は、想像していたよりもずっとたくましくて・・・熱い。






1.「・・・や、だ・・っ!誰か・・・っ」


2.「・・・・ヒノエ、くん・・?」


3.「もう、悪ふざけはよしてよ」




※選択肢をクリックして下さい。







© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: