恋涙 ~ renrui ~

恋涙 ~ renrui ~

タイムカプセル~君の声4



亜希は胃潰瘍だと言っていた、それでも学校に登校している
日数は少なかった。
僕達はそんな亜希の様子に病名に不信感を抱き始めていた

「なぁ・・・亜希ってさぁ本当に胃潰瘍なわけ?」

「・・・亜希はそう言っていたけど」

僕達は丁度、亜希の見舞いで病院を訪れていた
亜希の母親と話をすることが出来、僕達は思い切って亜希の病気の事
を聞いてみることにした

「あの・・・亜希の病気って本当に胃潰瘍?」

僕と龍一は小さい頃から亜希の家を訪れることが多く、亜希の両親は
僕達を自分の子供のように可愛がってくれていて僕も龍一も亜希の
両親が大好きだった

「龍ちゃん、蓮ちゃん・・・もう隠せないのね。亜希に口止めされて
いたのだけれど、亜希は・・・亜希はね」

亜希の母親は瞳に涙を浮かべ声震わせ始める、その唯ならない
状況に龍一も僕も息を飲む

「亜希の病気は・・・・」

大きな壁を蹴る音が響き渡る

「何でだよ、何で亜希なんだよ」

「龍・・・亜希、笑っていた」

亜希の母親と別れ僕と龍一は亜希に逢わずに病院を出て
そのまま家に帰る気分にもなれず途中にあるガード下で亜希の母親の
話を思い返していた。

「神なんていねぇよ、他にくたばるべき奴らなんていくらでも
いるだろう」

「僕達ができることってなんだろう」

龍一は顔を空に向け声を出さずに泣いていた、僕も
亜希の笑顔を思い出して泣いた。オレンジに染まる空が
亜希の時間を削っていっているように見えた

― 亜希は・・・脳腫瘍。悪性のつまり癌
それも末期で躰のあちこちに転移しているのよ。
お医者様にはもう来年の桜は見れないでしょうって言われたのよ ―

僕にどれだけのことができるのだろう。愛する人が死に
直面しているその状況で僕は亜希の為に何をしてあげれるだろう
僕はその夜眠ることが出来なかった。



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