恋涙 ~ renrui ~

恋涙 ~ renrui ~

タイムカプセル~君の声5



亜希の病状は悪化していくばかりだった、抗癌剤の副作用で
亜希の髪も抜け落ち食べた物を吐き出すせいか細かった躰は
余計に細くなった。

亜希に僕達が病気の事を知っていると告げたのは亜希の母親だった
亜希は最初戸惑いを見せていた、亜希は泣きながら

「龍、蓮には知られたくなかった」

そう呟く亜希を僕達は二人で力強く抱きしめた
僕達が亜希に出来ること。それは亜希の願いを少しでも叶えてやること
亜希が最後まで笑っていられるようにしてあげること。

「でさ、龍が睨んだら一目散だった訳」

「へぇ、それでそれで」

亜希は抗癌剤と癌と懸命に戦いながらも笑顔を絶やさなかった
辛ければ辛い分亜希は笑っているかのように見えた

「あのさ、亜希。後悔したくないから・・・僕さ
亜希の事・・・好き」

言わなければと思った、言わないままで終るのは嫌だった
部屋に広がる沈黙。沈黙を破ったのは亜希の声だった

「ありがとう、龍にも言われたの。好きだって、本当に二人の
気持ちは嬉しい・・・・でも私は」

「まって!!病気だからとかそんな理由は認めないからね
ちゃんと龍と話してるんだから、亜希がどっち選んでも選ばなくても
恨みっこなしって。」

僕は亜希が口にするまえに言葉を遮り亜希の手を両手で
包む

「だからさ・・考えて。ゆっくりでいいから、もし駄目でもさ
僕も龍も亜希の傍にいるから」

僕の手に雫が零れ落ちた、それは亜希の綺麗な瞳から零れ落ちた
モノであった。

「亜希って意外に泣き虫だよね」

「うっ煩い。蓮が泣かしたんでしょ」

それから着実に亜希の躰を蝕む病は亜希を侵食していった
亜希と面会できない日も多くなっていった


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