たのしい作品ですけど
ウキウキするような楽しさではなく
ほろ苦く切なくもあります
少し妻のお尻にしかれ気味ながら
ふくれっ面の気難しい母に向って
「ママ おはよう」と挨拶をして
おでこにやさしくキスをするような
暖かみと責任感を持つ息子と
頑固な母デイジーと
黒人の運転手のお話です
息子は親を案じていますが
頑固者の母に手こずります
デイジーにも、親としての立場があり
矜持もありますから
息子の言いなりになんてなりません
買い物に行くのは
自分で運転して行きたいのです
運転手に連れられて行くなんて
恥ずかしいのです
自分の力で生抜こう
なるべく子供に迷惑をかけず
生涯を終えたいとの考えなので
息子にも、嫁にも、へつらうことはなく
誇りを持って暮らしています
ほのぼのと心温まるコメディですが
老いる悲しさや
計画通りには行かない
人生の終わり方に胸が痛みます
愛し合う親子でも
同じ考えには至らないのも
切なく哀しい余韻を残します
愛しながらも難しい家族関係や
長生きし過ぎるかも知れない我が身の
余生に思いを馳せたりします
母のジェシカ・タンディは
この作品でアカデミー主演女優賞を受けて
最高に格好いい老婦人です
私もこんなふうに生きたいと思います
モーガン・フリーマンの運転手も
ユーモラスで楽しませてくれます
何度見ても、又見たくなる傑作です
ご覧になっていない方がありましたら
ぜひお勧めしたいと思います