詩と映画と日記

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キング・アーサー

監督
アントワン・フークワ

出演
クライブ・オーウェン (アーサー)
キーラ・ナイトレイ (グゥイネヴィア)
ヨアン・グリフィズ (ランスロット)
ステラン・スカルスゲールド (セルディック)


キング・アーサー

現在でもイギリスでは
目覚しい働きをした男性に
女王さまからナイトの称号が与えられますね

騎士とは、弱い者の為、大儀のため
又は美しいものを守って命をかける
高貴な魂を持っていたのでした

その伝統が今も脈々と
英国紳士に伝わっているのだと思います

クライブ・オーウェンのアーサーは
抑えた情熱と王者の風格が感じられて
成功した配役だと思いました

ヨアン・グリフィズのランスロットも
目付き鋭くキリリと引締まった美男で
良い出来でした

キーラ・ナイトレイのグゥイネヴィアも
たいへんきれいでしたが
男が猛々しく戦うのは様になりますが
雄々しく顔を歪めて闘い殺す姫には興ざめです
女には女の闘い方が有る筈です

ガラハッドもガウェインもトリスタンも
それぞれに個性があり良かったです

ローマがブリテンを征服した際に
北の蛮族の浸入を防ぐために築いたとされる
"ハドリアヌスの城壁"をめぐっての
戦闘の場面は素晴らしい迫力でした


それなのに本質的に
なにか変だなぁと思い満足出来ませんでした

アーサーは伝説の王なのですから
顔を覆うベール越しの美女が
ロマンチックで美しく思えるように

緊迫した戦いの場面の連続だけではなく

霧を透かして目を凝らして見るような
ファンタジーが欲しかったと思います

ただ 休みなく続く戦闘場面を見ながら
20世紀も21世紀も戦争の絶えない事と思い
人間の変わらぬ貪欲さ、あさましさを
怖ろしく思いました

このことに視点を置かれたのなら
この映画は成功だと思います

アーサー・ランスロット・グゥイネヴィアの
哀しい恋が全然描かれていないのも
物足りませんでした

映画は監督次第と改めて思いました




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