詩と映画と日記

詩と映画と日記

それから



原作
夏目漱石

キャスト
松田優作
藤谷美和子
小林 薫







「僕の存在にはあなたが必要だ。
どうしても必要だ。」

父親の命令で
見合いをさせられ

断ることは
勘当を意味する立場の代助が

愛しているのは
友人の妻の三千代でした

漱石が愛着をもって
書いたと察しられる

薄幸でありながら
愛らしく、たおやかな女

三千代を藤谷美和子が
壊れそうに繊細に演じています


藤谷美和子は
女優としての力を持ちながら

バラエティのテレビ等で
馬鹿らしいことをしていて
惜しまれます


小林薫もとっても良いです
難しい役柄を
厭らしくなく演じています


でも 何といっても
松田優作が素晴らしい

恵まれた境遇にありながら
何もかも捨て去ったような淋しさ
世の中を諦め切っている悲しい目

熱い心を押し殺して
口数少ない寂しい男を

185cmのスリムな身体と
見ているだけで哀しくなるような
虚しさを滲ませて
いい俳優でした


代助の役柄で
純粋な生き方を見せてくれます

将来を楽しみに思っていた名優なのに
早世されてとても残念です

日本映画にも
こんないい作品があります

原作の味わいを損ねない
こころに沁みる作品です



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