ロベルトとクララは相思相愛の仲でしたが
父親の猛反対のために裁判沙汰を経て
ようやく結婚することができました
3mとは離れていらないような狭い部屋で
ふたりの貧しい生活は始まりました
新婚の夜に妻クララは
ロベルトへの愛を綴った日記帳を贈りました
ロベルト・シューマンは
一篇の詩に曲をつけて捧げました
「献呈」
君は私の魂、私の心
私の悲しみ、私の喜び、私の片割れ
私を写す、天と地と永遠の鏡
仲むつまじいふたりは
7人のこどもに恵まれますが
ロベルトは病に倒れてしまいます
「トロイメライ」
「謝肉祭」
「ハンガリー舞曲」
数々の美しい調べに彩られて
キャサリン・ヘップバーンは
10代の娘時代のクララから
髪が真っ白になった老女までを演じきります
クララ・シューマンがそこに居るかのような
ピアノ演奏も素晴らしいかぎりです
ヨハネス・ブラームスに熱愛されながらも
受け入れることをせず
クララは生涯ロベルトの曲を演奏しつづけて
夫との想い出に生きました
どんなにむつまじい夫婦も
共には生きはしても
共に死すことは出来ない
そのような悲しみに胸が痛みます
シューマン夫妻の愛の調べです