私が映画好きになったキッカケの作品は
【 クオヴァデイス 】でした
それから【 十戒 】で
【 ジュリアス.シーザー】で
【 風と共に去りぬ】で
そして【 ローマの休日】に出会ったことで
映画は一生の友になりました
オードリーに魅せられて
勿論のこと【戦争と平和】も見ました
ですが、原作のナターシャと
オードリーの演じるナターシャには
少し違和感を感じ続けてきました
後年【ひまわり 】で
リュドミラ・サヴェーリェワを見たとき
大きな青い目とふっくらとした愛らしい口元
気品のある美しさが目に焼きつき
これこそナターシャだと思いました
今回幸運なことにテレビから録画できて
待望のリュドミラ・サヴェーリェワの
ナターシャに会うことが出来ました
7時間を超える大作ですが
退屈など全く感じずに感動しながら観ました
物語の時代は1805年のロシア
ナポレオンがフランスの皇帝になり
ロシアに襲いかかる直前でした
モスクワやペテルブルグの生活や風景
豪華な衣装には帝政ロシアの
華麗な社交界が再現されています
ナターシャとアンドレが出逢う
大舞踏会のシーンには
息を詰めて目を見張るばかりです
戦闘場面では、今日を最後と着飾って
死に行く将校と兵士達
炎と煙の充満する戦闘場面に
主を失った馬達が走り去っていきます
これほど凄まじい戦いの場面は
見たことがありません
ナポレオンと軍隊は住民が避難して
空となった優雅な都モスクワに侵攻
都は略奪され燃え崩壊していきます
映画と知りつつも恐ろしい眺めです
主な登場人物の
あどけない少女ナターシャは
苦労を知らず裕福に育っていましたが
欺かれた恋と戦争の無惨な苦難を経験して
大人になっていきます
名門公爵家の御曹子の
高貴なアンドレイ.ボルコンスキーは
怠惰な社交界に満足せず
身重の妻を父に託して出征していきます
出生にコンプレックスを持ち
人生に意味を見つけられないピエール.ベズーホフは
はじめはナポレオンを英雄と見ていますが
戦場に立ち、その残虐を目の辺りにし
善と人間性を知らないナポレオンを殺そうとします
ピエールの放蕩な妻の美女エレン
ナターシャを誘惑する遊び人のアナトリー.クラーギン
モスクワを明け渡すという
信じられないような苦渋の英断で
国を破滅から救ったクトゥーゾフ将軍
ナポレオン
制作に12年の歳月を要したこの映画を
ソビエトは、国をあげて応援したそうで
これ以上の【 戦争と平和】は二度と観れないでしょう
リュドミラ・サヴェーリェワ以上の
ナターシャもなかなか登場しないと思います
偉大な原作者のトルストイは
なにを言いたかったのでしょうか
戦争の怖ろしさと人間の愚かさ
ひとはなんのために生きるのか