医療用医薬品 0
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134,000人の心房細動患者を対象とした米国FDAのメディケア調査により、プラザキサ®の有効性・安全性が裏付けられる出典:プレスリリース 2014年11月11日、べーリンガーインゲルハイム・ジャパンは2014年11月3日にドイツインゲルハイムが発表したプラザキサのニュースリリースの日本語訳を公開した。 プラザキサ®(ダビガトラン エテキシラート)またはワルファリンを新規に処方された心房細動患者134,000人を対象とした米国食品医薬品局(FDA)によるメディケア調査の結果が10月30日、Circulation誌に掲載されたことを発表。 文献は、高齢の非弁膜症性心房細動患者において、プラザキサ®はワルファリンと比べ、虚血性脳卒中および頭蓋内出血リスクを有意に抑制し、消化管の大出血リスクの有意な上昇が認められたが、生存率を有意に高めた、と結論。
2014年11月12日
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GE ヘルスケアと武田薬品、肝疾患に関するアライアンス契約を締結 出典:プレスリリース 2014年11月11日、GEヘルスケアと武田薬品工業は、肝疾患の診断・治療における肝線維化の診断技術に関するアライアンス契約を締結したこと明らかにした。 GE ヘルスケアは武田薬品工業が進める肝疾患に関する研究・開発において、線維化測定のためのイメージング診断技術を武田薬品へ提供。両社協力のもと、各々の強みを活かすことによって、治療薬のより早期の開発および新たな肝疾患診断技術の開発を目指とのこと。 初期の肝臓疾患は、自覚症状のないまま肝炎から肝硬変へと症状が進む場合がほとんどです。特に、炎症時に症状(黄疸、疲労感)がなかった場合には、ASTやALT等の肝臓由来酵素の臨床検査値から判断するしかない。その検査値も肝硬変が重度になった場合には正常化する。次の症状は肝不全という現状では肝移植しか治療法のない状態になる。 C型、B型慢性肝炎ウイルスの感染が減ったことにより、C型、B型慢性肝炎から肝硬変、肝不全になるケースは減少している(ただし、時期の関係で肝臓がんは増加傾向にある)、またウイルス性の場合にはウイルスは血液検査により検出可能。 メタボリックシンドロームの増加により、非アルコール性脂肪肝肝疾患(NAFLD)が増加している。この場合に、診断を確定するためには、侵襲性の検査である針生検しか、診断方法はない。そのため、GEヘルスケアのイメージ技術による肝線維化の診断は非常に重要な技術になる。GEヘルスケアが開発し、2009年より米国で(日本国内は2012年から)使用が開始されたMR エラストグラフィーでは、肝臓組織の相対的な硬さを MRI による非侵襲的な方法で鑑別することができるようになっている。 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療薬の開発には針生検が必要とされていたが、GEヘルスケアの技術を用いて針生検事故による危険性を減らせることから、開発も容易になる可能性を持つ。 現在NASHの治験薬としてはobeticholic acidのPOC試験が終了している。中間解析で効果の点からプラセボ群の中止が勧告されたが、実薬群においても掻痒感と総コレステロールの上昇のが問題となり、投与は中止とし、すべて、後観察期間に移行し、最終解析が行われることになった。 その結果は、有効性が高いがコレステロールの上昇はLDL-コレステロールの上昇とHDL-コレステロールの低下が明らかであった。 今後については明言されていないが、NASHは増加している疾患であり、肝移植の原因疾患の第3位になっていることから、心血管リスクの上昇と肝硬変リスクの減少でどちらが、患者にメリットがあるかを証明する非常に難しい試験を要求される可能性がある。
2014年11月12日
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オーキシンデグロン(AID)法を応用した細胞自死システムの開発 出典:プレスリリース 国立遺伝子研究所は、エジンバラ大学との共同研究で、オーキシンデグロン(AID)法を応用し、ICAD分解又はCADの活性化がフィードバックループで十分なアポトーシスを誘導することを証明したことを発表。 研究成果はThe Journal of Biological Chemistryに9月23日からオンライン版で公開され、11月7日に雑誌に掲載。 典型的アポトーシスではカスパーゼと総称される蛋白分解酵素がシグナル伝達およびその実行に中心的役割を果たす。そしてそのカスパーゼの基質のひとつであるインヒビター結合因子ICADの切断がCaspase-activated DNase (CAD)を活性化し、アポトーシスの特徴の一つであるゲノムDNAの断片化とゲノムの凝縮を誘導。 正常の細胞内で、アポトーシスの経路の中で下流に位置するICADの分解のみでCADを活性化できるのか、またアポトーシスが誘導できるかどうかを今回の研究で明らかにした。 アポトーシスは出芽酵母においても誘導可能。作製したICAD分解による人為的細胞死の誘導システムは、様々な真核細胞において機能することが期待され、将来の遺伝子改変生物の拡散を防ぐ手段として利用できる可能性があると考えられます。
2014年11月11日
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血小板上の受容体「CLEC-2」は糖鎖とペプチド鎖の両方を認識出典:プレスリリース 2014年11月10日、理化学研究所と東北大学は、血小板上の受容体「CLEC-2」が、糖タンパク質「ポドプラニン」と結合する際に、糖鎖とペプチド鎖の両方を認識することを発見したと発表した。 研究成果はStructureに2014年11月6日からオンライン版で公開されている。 血小板上のCLEC-2受容体は、ある種のがん細胞の表面に発現する糖タンパク質「ポドプラニン」と結合する際に、ポドプラニン上のO-結合型糖鎖を認識して結合する。一方、CLEC-2受容体は、糖鎖を持たないタンパク質性のマムシ毒「ロドサイチン」とも結合するが、ポドプラニンとロドサイチンのように性質の異なる2つのリガンド(受容体と結合する物質)をどのように特異的に認識し結合するのか、その仕組みは不明であった。 研究グループは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光科学研究施設「フォトンファクトリー」を利用し、CLEC-2受容体とポドプラニンとの複合体、およびCLEC-2受容体とロドサイチンとの複合体の結晶構造をX線回折により解析。 ポドプラニンと結合する際には、糖鎖だけでなくペプチド鎖を同時に認識し結合することが判明。一方、糖鎖を持たないマムシ毒のロドサイチンと結合する際には、ペプチド鎖だけを認識し結合。また、CLEC-2受容体は共通の領域を使ってロドサイチンおよびポドプラニンと結合していることを突き止めた。 ポドプラニンは一部のがん細胞の表面に発現している。また、ポドプラニンがCLEC-2受容体と結合し、血小板上に凝集する領域を認識する抗体は、がん細胞の転移を抑制することが知られてる。CLEC-2受容体がリガンドを特異的に認識する仕組みの詳細が明らかになったことで、これまで不明な点が多かったO-結合型糖鎖が持つ生理的意義の理解がさらに深まることを示唆。 ペプチド鎖は糖鎖に比べ合成が簡単なため、糖鎖を模倣したペプチド性薬剤の合理的設計など薬学分野への貢献や、ポドプラニンが関与するがん細胞の転移を抑制する抗体医薬品の開発など、医療分野への応用を期待。
2014年11月11日
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米国StemCells, Inc.社より幹細胞関連研究用製品に関する資産を取得することで合意出典:プレスリリース 2014年11月10日、タカラバイオと米国StemCells, Inc.は2014年11月10日に、SCI社が展開している幹細胞関連研究用製品に関する資産買収契約を締結し、当該製品の製造販売に必要な資産を取得することを明らかにした。 SCI社は、幹細胞技術を基盤に、中枢神経領域を中心とした幹細胞医療の開発や研究用製品の製造販売などを展開。 タカラバイオは、神経細胞分化用培地や幹細胞培養用培地を中心とした幹細胞関連研究用製品群について、当該製品群の製造販売に必要なすべての知的財産権を含む資産を取得。SCI社からの製造、販売の移行期間を経て、来年1月よりタカラバイオグループから製造販売を開始する予定。
2014年11月11日
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ゆめごはん1/35トレーシリーズ「特別用途食品 病者用食品 低たんぱく質食品」の表示許可取得出典:プレスリリース 2014年11月10日、キッセイ薬品ヘルスケア事業部が販売している「ゆめごはん1/35トレー」シリーズ3品が、消費者庁より、健康増進法(平成14年法律第103号)第26条第1項に基づく「特別用途食品 病者用食品 低たんぱく質食品」の表示許可を受けたことを明らかにした。 「ゆめごはん1/35トレー」は、エネルギーは通常のご飯と同等にしながら、国内最少の低たんぱく質化(100g当たりたんぱく質0.07g、通常のご飯の約1/35)を実現した商品で、このたび製造元である亀田製菓株式会社が、特別用途食品の表示許可を取得。(許可番号26001号、許可日2014年4月17日)。 主食のご飯のたんぱく質を減らすことで、副食のおかずの幅が広がり、食事がより豊かなものとなることから、厳しい食事療法を継続しなければならない慢性腎不全患者の食生活の向上に貢献を目指した商品。 「ゆめごはんシリーズ」は、全国病院用食材卸売業協同組合加盟卸や医薬品卸などを通じて全国の医療機関および在宅患者向けに販売するとともに、電話、ファクシミリ、インターネットによる通信販売も行うとのこと。
2014年11月11日
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介護応援食「やわらかあいディッシュ」肉シリーズ2品追加新発売のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月10日、キッセイ ヘルスケア事業部は介護応援食「やわらかあいディッシュ」の新しいラインアップとして、「ぶたにく」、「とりにく」の2品を11月7日(金)より発売したことを発表。 「やわらかあいディッシュ」は、舌でつぶせるかたさに加工した冷凍食品。噛む事や飲み込む事が困難な方に向けて開発。 色や形、香りにこだわり、素材そのものの風味を活かしつつ、栄養成分にも配慮した、“やわらかくなめらかで飲み込みやすい介護食”となっている。温めるだけで手軽につかえるので、食べる方にも調理する方にもやさしい商品となっている。 既存品「やわらかあいディッシュ」ラインアップ魚介類8種:さけ、たら、さば、さんま、あかうお、あじ、ほたて、かれい
2014年11月11日
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心停止後症候群に対して水素ガス吸入が脳障害を改善する効果を発見—救急医療現場に即した社会復帰率を改善する新たな治療法として期待— 出典:プレスリリース 2014年11月6日、慶應義塾大学と日本医科大学の共同研究グループは、心肺停止後に蘇生され心拍再開が得られた後に、濃度1.3%の水素ガスを低濃度酸素吸入下で吸入させることによって、生存率や脳機能低下を改善することをラットにおいて発見したと発表した。 研究成果はCirculationに2014年11月3日からオンライン版で公開されている。 研究グループは、脳や心臓の血管が詰まって生じる脳梗塞や心筋梗塞に対して、水素ガスを吸入させながら詰まった血管を広げて血流を再開通させると、虚血再灌流障害(きょけつさいかんりゅうしょうがい:血流を再開させた結果、臓器の組織障害が進行する現象)を抑制することによって、脳梗塞や心筋梗塞が軽症化することをラットやイヌを用いた実験で明らかにしてきた。 今回、これまでの研究と比較してより臨床現場の状況に即した条件で検証し、心肺停止後に蘇生され心拍再開が達成された後からの水素ガス吸入によっても、生存率や脳機能低下を改善することをラットにおいて明らかにした。 水素ガス吸入は、現在唯一、同病態に対し有効と考えられている低体温療法と併用可能であり、治療効果の向上および治療の選択肢が拡がる可能性がある。この治療法は濃度1.3%の水素ガスを吸入するもので、爆発等の危険性はないとのこと。
2014年11月09日
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精子や卵子が正常でも不妊になり得る出典:プレスリリース 2014年11月7日、理化学研究所は、β-カテニンタンパク質の機能を検索している際に、β-カテニンタンパク質の一塩基変異がマウスにおいて精子や卵子が正常であるにもかかわらず不妊になるマウスを発見したことを明らかにしました。 研究成果はScientific Reportsに11月7日からオンライン版で公開されている。 β-カテニンタンパク質はすべての細胞で発現しており、マウスとヒトで100%配列が一致しています。β-カテニンタンパク質の欠損は発生初期から成長できず胎生致死となることから、必須遺伝子であることが分かっている。 β-カテニンタンパク質は胎児の体作りや臓器の恒常性の維持などを制御する極めて重要な「Wnt/β(ウィント/ベータ)-カテニンシグナル伝達」において重要な役割を果たしている。 β-カテニンタンパク質の詳細な機能を解明するために、理化学研究所の持つ「マウスのゲノム情報を1文字(1塩基)レベルで機能解析するシステム」を利用して、 β-カテニン遺伝子の1塩基変異の機能解析を行っている段階で7種の変異マウスを発見。そのうちアミノ酸配列の429番目のシステイン残基がセリン残基に変異した系統(C429S)で精子と卵子が正常でも不妊となるモデルマウスを発見に至ったとのこと。この変異により、オスでは精囊の形作りに違いが生じたため、精子の輸送経路が変わって不妊になり、メスでは膣の形成不全による膣閉塞が不妊の原因。 C429S型変異がホモ接合になったマウスでは、身体中のさまざまな場所で働くWnt/β-カテニンシグナル伝達においてC429S型変異タンパク質はどこでもほぼ正常に機能し、例外的に精囊・膣でのみ異常を来たすことを意味する。 遺伝子を調べることにより、不妊症の原因を早期に確認できる可能性がある。さらに、この一塩基変異が具体的にどのような影響を与えているかが解明できれば、治療法が見つかる可能性も秘めている。
2014年11月09日
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iPS細胞等を用いた立体組織・臓器の開発に着手出典:プレスリリース 2014年11月7日、新エネルギー産業技術総合開発機構は、バイオ3Dプリンタや細胞シート積層技術などの立体造形技術を用いて、iPS細胞などから骨や血管、心臓などの立体組織・臓器を製造する技術開発に着手することを明らかにした。 今のところ、再生医療の技術開発は、万能細胞の作成、培養、分化誘導など再生医療に用いるパーツをどのようにして効率よく作成するかの段階です。 網膜のようにシート状のものに関しては、実用段階に入りましたが、骨、血管、心臓などの立体構造を持つものに関しては、現在のところ実現の目処はついていません。 NEDOではこの問題点を解消するために今年度から、バイオ3Dプリンタや細胞シート積層技術などによる立体組織・臓器を製造する新たな技術開発段階へステップアップを目指します。そのために基本コンセプトを募集し、研究委託先を決定しました。
2014年11月09日
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新規骨形成ペプチド創薬「リプロタイト(R)」のお知らせ 出典:プレスリリース 2014年11月7日、ファーマフーズは天然物由来の骨形成に関与する生理活性物質の単離・同定に成功し、特許出願を行ったことを明らかにした。 当該ペプチドは動物実験において経口投与による骨成長促進作用が確認されている。新規骨形成ペプチド「リプロタイト(R)」として、骨折治療や骨粗鬆症をターゲットにした新薬候補物質として育成する予定とのこと。 ステージはスクリーニングが終了し、大量合成と安全性、作用機序について研究を開始したところ。
2014年11月09日
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アストラゼネカとPHARMACYCLICS社、オンコロジー領域の臨床試験に関する提携契約を締結 出典:プレスリリース 2014年11月6日、アストラゼネカとPharmacyclics社は、固形がんおよび多数の血液がんを対象とする新規併用療法を評価する臨床試験に関する提携契約を11月4日に締結したことを明らかにした。 ひとつは、アストラゼネカの抗PD-L1抗体であるMEDI4736との併用におけるPharmacyclics社の経口ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤であるイブルチニブの有効性と安全性を評価するためのもの。 もう一つは前臨床試験で相乗効果が確認された、再発あるいは難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の治療薬として、アストラゼネカが開発中である2つの異なるPI3キナーゼ伝達経路阻害剤とイブルチニブとの併用療法をそれぞれ検証するためのもの。 アストラゼネカとPharmacyclics社は非独占的ベースで提携しており、複数の第I相および第IIa相の試験が検討、実施される可能性に対してコメントしている。固形がんに集中する試験はPharmacyclics社により主導され、血液がんに焦点を絞った試験はアストラゼネカが主導。各試験の第I相では推奨される安全な耐性量と本併用療法のスケジュールを確立し、第IIa相ではより多くの患者を対象に安全性と有効性を評価します。本契約の財務条件は開示していません。これら臨床試験の結果を受けて、その他の併用療法におけるさらなる臨床開発が正当かどうかの判断を行います。 MEDI4736はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)を標的とする開発中のヒトモノクローナル抗体製剤。PD-L1のシグナルは、がんの免疫システムによる探知を回避するのに対し、MEDI4736はこれらのシグナルを阻害することで、がんの免疫回避に対処。
2014年11月09日
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バイスペシフィック抗体「ACE910」 第1相試験成績の米国血液学会での発表について 出典:プレスリリース 2014年11月7日、中外製薬株は、血友病Aを対象として開発中の抗factor IXa x 抗factor Xヒト化二重特異性抗体「ACE910」に関し、国内第I相臨床試験の成績が第56回米国血液学会(The American Society of Hematology:米 12月6~9日)おいて発表することを明らかにした。 本試験は健康成人および血友病A患者さんを対象としており、今回発表される成績は血友病A患者さんにおける最新の成績となり、口述での発表を予定。
2014年11月09日
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第 56 回米国血液学会年次総会における、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」、多発性骨髄腫治療薬 ixazomib をはじめとする最新試験データの発表について出典:プレスリリース 2014年11月7日、武田薬品工業は第56回米国血液学会(ASH:American Society of Hematology)年次総会(米国:2014年12月6日~9日)においてベルケイド®(一般名:ボルテゾミブ)、アドセトリス®(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、CD30 を標的とする抗体薬物複合体)および開発中の経口プロテアソーム阻害剤である ixazomib(一般名、開発コード:MLN9708)の最新データが受理されたことを明らかにした。 再発あるいは増悪リスクの高いホジキンリンパ腫患者を対象に自家造血幹細胞移植後、アドセトリスを地固め療法として投与した臨床第 3 相試験「AETHERA 試験」の結果(オーラル)、あるいは再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)患者におけるアドセトリスの長期(4 年)生存成績(ポスター)、経口プロテアソーム阻害薬ixazomib を未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、長期維持療法として投与した臨床第 2 相試験の成績(オーラル)が含まれている。
2014年11月09日
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国内初の慢性肉芽腫症患者に対する造血幹細胞遺伝子治療の実施-原発性免疫不全症に対する遺伝子治療としては国内で2疾患目-出典:プレスリリース 2014年11月7日、国立成育医療研究センターは、国内初となるX連鎖慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞遺伝子治療を2014年7月22日に実施し、無事退院したことを明らかにした。 原発性免疫不全症の一つである慢性肉芽腫症は、白血球が細菌などの病原体を殺菌するために必要な活性酸素を産生できないため、乳幼児期から重い感染症を繰り返す難治性疾患。 感染症に対しては抗生剤等が投与されますが、これら内科的治療で根治治療とはならない。根治療法として造血幹細胞移植(骨髄移植)が行われますが、移植に必要な HLA が一致したドナーが見つかる可能性は3割程度で、さらに患者は移植前より重度の感染症に罹患しており、造血幹細胞移植自体がリスクとナル可能性がある。 患者造血幹細胞にウイルスベクターを用いて正常遺伝子を入れ、再び患者に投与する造血幹細胞遺伝子治療が欧米では行われ、一定の治療効果を上げている。今回の共同研究者である米国国立衛生所はすでに3例ののX連鎖慢性肉芽腫症患者に対して同一の遺伝子治療を行い、うち 2 名でその有効性を確認していた。 対象患者は X 連鎖慢性肉芽腫症の 20 歳代男性で、これまでに複数の抗生剤等による内科的治療を行いましたが多臓器にわたる感染症は改善みられていなかった。造血幹細胞移植のためのドナー検索も複数年行いましたが、現在まで適当なドナーは見つかっていない。 治療後、一旦は前処置のためのブスルファンにより白血球が減少し、治療前にあった感染症が悪化しましたが、1 週間目より徐々に造血機能が回復し、白血球が増加することで炎症反応は低下した。ま現在まで患者末梢血中に正常に機能する白血球(正常遺伝子を有する白血球)が存在し、画像上でもこれら感染症の改善を認めている。患者は治療後、全身状態良好にて退院しており、現在は外来診療にてその経過を観察中です。 遺伝子治療は移植ドナーを必要としない、移植片対宿主病の可能性がない、幹細胞移植に比較して前処置が軽度のため、リスクが少ない可能性がありますが、日本では遺伝子治療の実施体制が整っていないことから、欧米に対して遅れを取っている。
2014年11月08日
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認知症患者への向精神薬処方の経年変化に関する研究の概要出典:プレスリリース 医療経済研究機構は、2002~2010 年の全国レセプト情報 15,591 件より、認知症患者への向精神薬処方に関して調査した結果を明らかにした。調査結果はInternational Psychogeriatricsに2014年9月12日から公開されていたが、11月5日に訂正版が公開された。多くの認知症患者では、妄想、幻覚、攻撃性などの行動・心理症状 (BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia) がみられます。諸外国の BPSD の治療ガイドラインでは、非薬物的介入が第 1 選択肢とされているものの、重度の BPSD に対して抗精神病薬の使用が推奨されている。一方で、死亡などの重篤な副作用の発現リスクが上がることが指摘され、諸外国の規制当局は、抗精神病薬使用への警告や規制を行い、その後、抗精神病薬の処方割合は近年、大幅に減少。 我が国での抗精神病薬の適応症は統合失調症などに限られていますが、BPSD の非薬物的介入による対応困難な症例へは、抗精神病薬などが使用されていることが予想されるが、、実際、どの程度の認知症患者へ向精神薬(抗精神病薬、抗不安薬、気分安定薬など)が使用されているのか、報告がありませんでした。 本研究では、65 歳以上のドネペジル (抗認知症薬) が処方された外来患者、延べ 15,591 人の処方を分析。 5 人に 1 人へ抗精神病薬、9 年間で微増傾向、第二世代抗精神病薬への切り替え。 2002~2004 年と 2008~2010 年を比較すると、第一世代抗精神病薬の処方割合は 17%から 12%に減少し、第二世代抗精神病薬は 5%から 11%に増加。この切り替えは、死亡リスクの観点からは、望ましいが、BPSD は抗精神病薬の適応として承認されてないい。諸外国のプラセボ対照試験で有効性が認められている第二世代抗精神病薬の治験を国内においても推進することが喫緊の課題。諸外国で実施された無作為比較試験のシステマティックレビューで、BPSDに対するバルプロ酸ナトリウムは使用を推奨する根拠がないとされている。しかし、日本では2008~2010 年の認知症患者のうち、気分安定薬であるバルプロ酸ナトリウムの処方割合は 1.9%で2002~2004 年の患者と比較すると、2.3 倍増 (調整済オッズ比) と増加傾向があることは問題である。
2014年11月08日
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記憶に関係する新たな分子メカニズムを解明出典:プレスリリース 2014年11月6日、名古屋大学は、記憶に関わる新たな分子としてGirdinを同定したと発表した。 研究成果はThe Journal of Neuroscienceに2014年11月5日からオンライン版で公開されている。 記憶はシナプス可塑性に基づいている。神経活動に依存して、科学的又は電気的な信号伝達の効率を長期的に変える仕組みをシナプス可塑性と呼ぶ。海馬神経細胞は様々な記憶の形成に関与していると想定されている。シナプス可塑性を変化させる脳内物質としてはて脳由来神経成長因子(BDNF)や NMDA 受容体が知られている。今回発見したGirdinは、 海馬由来初代培養神経細胞を BDNF で刺激すると Girdin のリン酸化が亢進し、その下流で NMDA 受容体の活性化をもたらすことを発見。 リン酸化Girdinが欠失した遺伝子変異マウスを用いてGirdinのリン酸化がシナプスの構造的及び機能的な修飾と長期記憶の形成に関与していることを示した。 記憶は認知症や統合失調症などの神経精神疾患で認められる認知障害に関わっており、本研究成果は神経精神疾患に認められる記憶障害の病態解明だけではなく、新規の治療薬や診断方法の開発に役立つことを期待。
2014年11月08日
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紙や電子の多様な診療記録を統合管理するソフトウェア 「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.2」発売-量的カルテ監査支援オプションにより、診療記録の有無を一覧することが可能に-出典:プレスリリース 2014年11月6日、富士ゼロックスは医療現場で発生する、紙や電子のあらゆる診療記録の統合管理を可能にするソフトウェア「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.2 (アペオス ピーイーマスター プロレコード メディカル 1.2)」を11月6日から発売することを発表した。 「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.2」では、前バージョン「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1」を導入した病院からの意見・要望を反映し、外部システムで印刷したQRコード付き帳票の取り込み機能の追加や、DocuWorks注1形式の文書を、束ねる・ばらすといった編集が可能なソフトウェアDocuWorks Deskと連携して、取り込んだ文書の編集機能を強化するほか、「量的カルテ監査支援」オプションを新たに提供する。 今回新たに提供する「量的カルテ監査支援オプション」を使用する事で、診療記録の有無を一覧表示することが可能になる。一覧画面では、患者が入院したときからの診療記録が種類ごとに表示され、本ソフトウェアへの登録の有無を視覚的に確認可能。記録管理業務の生産性および監査効率が大幅に改善し、説明責任への対応や診療報酬の請求根拠に対する開示要求の増加といった、病院経営の課題解決に貢献するとのこと。 「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.2」は大阪大学医学部附属病院医療情報部が提唱するDocument Archiving and Communication System、媒体によらず、システムの種類によらず、患者に関するすべての文書情報を統合的に収集管理し、永続的に閲覧可能とするシステムで、「ここになければどこにもない」を実現する、「診療記録統合管理ソリューション」のプラットフォームソフトウェア。
2014年11月07日
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ドーパミンが無くても歩けることを発見-パーキンソン病や統合失調症の新規治療に繋がる可能性-出典:プレスリリース 2014年11月5日、東京都医学総合研究所は、福島県立医大、東京大学、ノースウェスタン大学と共同で遺伝子操作によりドーパミンを欠乏させたマウスにおいて、その行動や薬への反応性を調べ、ドーパミン欠乏マウスがほぼ正常に歩行でき、むしろ多動を示すことを発見し、この多動はクロザピンという抗精神病薬によって抑えられるが、ハロペリドールという抗精神病薬では抑えられないこと発見したことを明らかにした。 研究成果はNeuropsychopharmacologyに11月4日からオンライン版で公開されている。 ドーパミンは神経伝達物質の一つで、人格、運動、動機など、極めて重要な脳機能を担っています。パーキンソン病ではドーパミン神経細胞が脱落して運動失調を示し、ドーパミン前駆体のL-ドーパを摂取して脳内のドーパミンを補充することで治療が可能。 統合失調症では多くの場合ドーパミン量が上昇することで幻覚や妄想が現れ、ドーパミン神経伝達を抑制するハロペリドールなどの抗精神病薬によって症状が消失。 パーキンソン病患者が火事など特殊な状況下では動けるという奇異性歩行(kinesia paradoxia)や、ハロペリドールなどの抗精神病薬では治らないけれどクロザピンという抗精神病薬では治る統合失調症症状があることが知られている。 ドーパミン欠乏マウスは、ドーパミンやアドレナリンなどのカテコラミンの合成酵素の一つであるチロシン水酸化酵素の遺伝子を欠損させ、さらにアドレナリン神経細胞やノルアドレナリン神経細胞でチロシン水酸化酵素を発現するように遺伝子を組み換えたマウスで、アドレナリンやノルアドレナリンは有るけれどドーパミンが無いマウス。 通常は生後2週齢ほどで死亡するが、L-ドーパというドーパミンの前駆体を投与しておくと生体内でL-ドーパがドーパミンになり生存が可能になる。 ドーパミン欠乏マウスの解析を行い、ドーパミンが無くても歩けることを発見しました。L-ドーパを投与して成獣に育てたマウスを用い、L-ドーパの投与を中止してから24時間後に脳での細胞外ドーパミン量をマイクロダイアリシス法によって計測したところ、ドーパミンが検出、L-ドーパ投与中止72時間後に測定したところ、ドーパミン量が検出限界以下となりました。また、L-ドーパ投与中止72時間後にマウスの活動量を調べたところ、ドーパミン欠乏マウスは最初はあまり動きませんが、徐々に動くようになり、数時間後には普通のマウスよりもよく動くことがわかりました。 ドーパミン欠乏マウスが示す多動に対して、ハロペリドールとクロザピンという抗精神病薬を投与したところ、ハロペリドールは全く効果が無く、クロザピンは多動を抑えました。 選択的な薬剤を用いることでクロザピンがもつ複数の作用を1つ1つ個別に調べたところ、クロザピンが持つムスカリニックアセチルコリン受容体を作動させる作用が、ドーパミン欠乏マウスの多動を抑えることが判明。 ドーパミン欠乏マウスにおけるアセチルコリンシステムについて調べたところ、細胞外アセチルコリン量が低下していることとアセチルコリンの合成酵素の量が減少していることを見出し、ドーパミンが欠乏するとアセチルコリンの量が低下して、異常な多動が現れた可能性がある。 今回の結果から、パーキンソン病患者におけるドーパミン補充療法以外にドーパミン神経伝達を抑えることによっても治療効果期待する可能性がある。 総合失調症に関してもある種の病態で、クロザピンおよびムスカリニックアセチルコリン作動薬で抑制されるドーパミン欠乏マウスの行動異常は、このような未解明の統合失調症の病態メカニズムの解明に繋がる可能性が期待できる。
2014年11月07日
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エドワーズライフサイエンス、低侵襲の心臓手術用製品 「ペリビューソフトティシューリトラクター」を発売開始 出典:プレスリリース 2014年11月5日、エドワーズライフサイエンス社の日本法人、エドワーズライフサイエンスは、このほど「ペリビューソフトティシューリトラクター」を、全国の医療機関に向けて発売開始したことを明らかにしました。 心臓手術の際に肋骨を完全に切開すると患者の負担は大きくなることから、心臓弁膜症の治療においても肋骨の間から手術を行う「低侵襲」手術が行われる場合があります。この際に視野を確保するために用いるのが、ペリビューソフトティシューリトラクター。 素材はポリエステル(タブ、基部リング)、アクリル樹脂(タブ)、ポリウレタン(フイルム)、サイズはS、M、Lの3種類、価格は40,000円
2014年11月06日
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「エージーノーズ®アレルカット®」シリーズ「エージーアイズ®アレルカット®」シリーズを新発売出典:プレスリリース 2014年11月5日、第一三共ヘルスケア11月7日、アレルギー専用薬ブランド「エージーノーズ」「エージーアイズ」から、4つの有効成分を配合した、点鼻薬「エージーノーズ アレルカット」シリーズと点眼薬「エージーアイズ アレルカット」シリーズ(いずれもOTC医薬品:第2類医薬品)を新発売することを発表した。 各シリーズともに使用感の異なる3タイプ(ソフトタイプ・クールタイプ・モイストタイプ)を揃え、計6品目を同時に発売。 エージーノーズ」「エージーアイズ」はクロモグリク酸ナトリウム配合のOTC医薬品として、日本で初めて開発されたアレルギー専用薬です。クロモグリク酸ナトリウムは体内においてアレルギー誘発物質の放出を抑制する抗アレルギー剤で、1997年に医療用医薬品からOTC医薬品に転用され、豊富な使用実績を有している。 従来品の処方に抗炎症成分“グリチルリチン酸二カリウム”を新たに配合し、4成分となります。この処方強化により、アレルギーの発症における初期段階から悪化してしまった炎症症状に至るまで、幅広く優れた効果を発揮。 クロモグリク酸ナトリウム:アレルギー誘発物質の放出を抑え、つらいアレルギー症状を緩和クロルフェニラミンマレイン酸塩:アレルギー症状を起こすヒスタミンの受容体結合をブロックし、くしゃみや鼻水を抑える。ナファゾリン塩酸塩:鼻粘膜のはれや充血を抑え、速やかに鼻づまりを改善します。グリチルリチン酸二カリウム:アレルギー反応による鼻の炎症をしずめます。OTCは配合剤が比較的簡単にできる。医療用医薬品では、豊富な使用経験があってもこんなに簡単にはいかないような・・・
2014年11月06日
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そう痒症改善剤「ナルフラフィン塩酸塩」の国内における慢性肝疾患そう痒症に関するライセンス契約締結および承認申請について 出典:プレスリリース 2014年11月5日、東レと東レ・メディカルは、東レが国内において開発を進めていたナルフラフィン塩酸塩の慢性肝疾患に伴うそう痒症について、共同開発、製造販売権に関するライセンス契約を締結し、東レ・メディカルが厚生労働省に承認申請を行ったことを明らかにした。 慢性肝疾患患者さんにおけるそう痒症は、皮膚局所での炎症を伴わない場合でも、全身の強い痒みが生じる疾患。痒みのひどい患者さんでは、痒みのために夜間に十分な睡眠がとれないなど、生活の質(Quality of Life)の低下が問題となる。慢性肝疾患患者におけるそう痒症には複数の因子が関与する可能性があるが、はっきりとした原因はまだわかっていない。この痒みは従来の痒みに対する治療薬(抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など)では十分に抑えられないことが知られており、有効な薬剤の開発が望まれている。 ナルフラフィン塩酸塩は、オピオイドκ(カッパ)受容体に選択的に作用して作動活性を示し、従来の止痒薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬など)とは異なるメカニズムを有する。ナルフラフィン塩酸塩は慢性肝疾患患者さんにおける抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などで既存治療では抑えられなかった強い痒みに対し有効性を示すと期待。また慢性肝疾患患者さんの生活の質(Quality of Life)向上に大きく貢献するものと考えているとのこと。 なお、日本においては、2009年より、血液透析患者における経口そう痒症改善剤「レミッチ®カプセル2.5μg」として、東レが製造販売承認を取得し鳥居薬品株式会社が販売している。
2014年11月06日
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「イクセロン®パッチ」の用法及び用量追加に関する承認申請 出典:プレスリリース 2014年11月5日、ノバルティス ファーマは11月5日、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症の治療薬で、経皮吸収型製剤の「イクセロン®パッチ4.5mg, 9mg, 13.5mg, 18mg」(一般名:リバスチグミン)について、1段階で維持量まで漸増する用法及び用量(1日1回9mgを開始用量とし、4週後に18mgに増量し、維持量として1日1回18mgを貼付)を追加する、製造販売承認事項の一部変更承認申請を行ったことを明らかかにした。 2011年4月に「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能又は効果として製造販売承認を取得した「イクセロンパッチ」は、1日1回、背部、上腕部、胸部のいずれかに貼付する経皮吸収型製剤。 イクセロンパッチ」を含むコリンエステラーゼ阻害薬では、忍容性の観点から、低い用量から投与を開始して徐々に維持量まで漸増するのが一般的。一方、進行性の神経変性疾患であるアルツハイマー型認知症の治療では、進行抑制のための治療を、いかに早期に開始できるかが課題となるため、薬剤の有効用量に到達する漸増期間はできるだけ短くすることという治療サイドの希望がある。 今回の製造販売承認事項の一部変更承認申請はその希望に答えたもの。 「イクセロンパッチ」は、ノバルティス ファーマが創製した薬剤で、日本では2007年より小野薬品工業と共同開発を行い、2011年4月に製造販売承認を取得、同年7月にそれぞれ「イクセロンパッチ」、「リバスタッチパッチ」として両社より発売を開始している。
2014年11月06日
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細胞内情報伝達分子Aktの活性化による、生殖細胞の再プログラム化 出典:プレスリリース 2014年11月4日、東北大学は、大阪大学、北里大学との共同研究で、未分化な生殖細胞である始原生殖細胞の過半数が、それらのサイトカインに加えて、細胞内情報伝達分子のAktの活性化により、数日ほどで多能性幹細胞へ容易に変化することを明らかにしたと発表。 研究成果は、Developmentに2014年10月30日からオンライン版で公開。 精子か卵子に分化する生殖細胞は、Steel Factor, LIF, bFGFなどのサイトカイン存在下で培養すると、その一部が多能性幹細胞に変化することが知られている。 今回の研究では、それらのサイトカインに加えて、細胞内情報伝達分子のAktの活性化により、未分化な生殖細胞である始原生殖細胞の過半数が数日ほどで多能性幹細胞へ容易に変化することを明らかにした。 多能性幹細胞の作成にはiPS細胞の方法があるが、遺伝子の操作を含む複雑な操作が必要で、またその変化の効率は通常、非常に低いことが知られている。始原生殖細胞の場合は、情報伝達系の活性化のみで非常に高い効率で変化することが判明。この研究結果は、生殖細胞と多能性幹細胞が類似した性質を共有していることを示しており、また分化細胞の再プログラム化機構の解明にも繋がることを期待。
2014年11月06日
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関節リウマチの進行を抑えるシグナルの発見 出典:プレスリリース 2014年11月4日、東京大学はプロスタグランジンD2の受容体であるCRTH2がマクロファージの活性を抑えて、炎症を抑える作用を発見したことを明らかにした。 関節リウマチ(関節炎)は関節内への炎症細胞の浸潤、滑膜細胞の増殖、骨軟骨の破壊を示す原因不明の自己免疫疾患で、現在日本に70-80万人の患者がいると推定されている。 関節リウマチ患者の滑膜組織内では、好中球やマクロファージ、肥満細胞、T細胞といった炎症細胞の浸潤が確認されており、中でもマクロファージは関節リウマチ患者の関節内にもっとも多く存在する細胞の1つであり、症状の進行と持続に重要な働きをもつ細胞として注目されている。 関節リウマチの発症と進行にはプロスタグランジン(PG)の産生と活性が深く関わることも報告されている。これまでプロスタグランジンの産生を阻害するシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬が関節リウマチ治療に有効であることや、主要なプロスタグランジンであるPGI2やPGE2がマウスの関節炎を増悪させることが報告されており、プロスタグランジンはリウマチの増悪因子として認識されている。 正常なマウスの(WT)足関節周囲にアジュバントを皮下注射すると、肢組織中のPGD2含有量の増加や肢の腫大、足関節への炎症細胞の浸潤、関節軟骨の破壊が観察された。CRTH2の遺伝子を欠損させたマウス(CRTH2-/-)では、正常なマウスと比べて肢の腫れや足関節への炎症細胞の浸潤、関節軟骨の破壊といった症状が悪化。 さらにCRTH2の欠損は炎症を起こした関節に浸潤するマクロファージの数を増加させることが判明。マクロファージの活性化を抑制したり、マクロファージを除去する薬を処置するとCRTH2の遺伝子を欠損させたマウスで見られた関節炎の症状が改善することが分かりました。さらに、CRTH2を欠損させたマクロファージを追加移入すると、正常なマウスでみられる関節炎の症状が悪化。 本研究はマウスの関節リウマチモデルを用いて、CRTH2受容体の刺激がマクロファージの活性や浸潤を抑えることで炎症症状を抑制することを初めて示した報告。CRTH2受容体を標的とした治療への応用が期待されます。今後は、CRTH2受容体がどのように細胞内へ情報を伝達し、炎症を抑制するのか、その機序のさらなる解析を進める予定とのこと。
2014年11月06日
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霊長類研究所で早老症モデルザル出典:プレスリリース 2014年11月4日、霊長類研究所は早老症のニホンザルを発見したことを明らかにした。 この研究成果はPLOS ONEに11月3日からオンライン版で公開されている。 早老症は、実際の年齢よりも急激かつ顕著に、老化と共通した身体変化が生じる疾患。ウエルナー症候群やハッチンソン・ギルフォード症候群が早老症として知られており、非常にまれな遺伝疾患です。 原因はDNA修復能力の低下や染色体の不安定化とされていますが、ヒトの早老症の原因遺伝子をもつマウスでも、症状は限られており、モデルとしては不十分なものであった。 今回、霊長類研究所の中の子ザルの1匹に外見上の異常が見られることから、検査を行ったところ、白内障、皮膚の萎縮、大脳皮質や海馬の萎縮、神経の伝達速度の低下、糖尿病マーカーの増加など老齢ザルや早老症患者と共通した検査結果を示した。皮膚から培養した細胞は増殖速度が低く、DNA修復能力も低下していた。 ヒトの早老症で原因とされる遺伝子には異常は無かったことから、ヒトの早老症とは異なった起源の早老症と推定されている。しかし、症状はヒトの早老症と類似していることから、早老症や正常老化のメカニズムを研究する上で重要なモデル動物になることが期待できる。 今後は霊長類研究所が飼育しているニホンザルのゲノムを網羅的に探索することを予定。また、このサル由来のiPS細胞を作成することにより、早老症モデル細胞の実験系を構築することを予定しているとのこと。
2014年11月05日
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iPSアカデミアジャパン株式会社との契約締結について出典:プレスリリース 2014年11月4日、タカラバイオはiPSアカデミアジャパンとiPS細胞の作成に関する特許を分化細胞ビジネスにおいて利用するための特許実施許諾契約を締結したことを明らかにした。 タカラバイオはこの契約により、、iPS細胞由来の各種分化細胞を利用した製品販売、サービスが可能となる。 タカラバイオは本年6月に京大発ベンチャーiHeart Japanより心筋細胞の作製技術を導入し、本年8月には幹細胞を肝臓細胞や膵臓細胞などへ分化させる技術を持つCellectis AB社(旧Cellartis社)を買収し、肝細胞関連技術や製品の拡充を行っている。
2014年11月05日
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JT が開発中の JAK 阻害剤「JTE-052」について LEO Pharma A/S へのライセンス契約を締結 出典:プレスリリース 2014年11月4日、日本たばこ産業はJAK阻害剤「JTE-052」を、日本を除く全世界における皮膚外用剤としての独占的開発・商業化権に関するライセンス契約をLEO Pharmaと締結したことを明らかにした。 JTE-052は、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌス・キナーゼ(JAK)の阻害剤。免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、自己免疫・アレルギー性疾患に有効性を示すことが期待されている。JTE-052の炎症性皮膚疾患を対象とする外用剤は、現在日本において第1相臨床試験段階。
2014年11月05日
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選択的SGLT2阻害剤-2型糖尿病治療薬-デベルザ錠20mg 発売5か月間の副作用発現状況出典:プレスリリース 2014年11月4日、興和はデベルザ錠20mg「市販直後調査」の結果を公開した。 内容は発売開始(5月23日)から2014年10月22日までに報告のあった副作用のまとめ。報告された副作用は265例354件。重篤な副作用は32例46件。 治験時に見られなかった重篤な副作用は脱水、腎盂腎炎、敗血症、肺炎、尿路感染、高血糖、低ナトリウム血症、代謝性アシドーシス、高血糖性高浸透圧性非ケトン性症候群、脳幹梗塞、小脳梗塞、昏睡、意識消失、ラクナ梗塞、低血糖性意識消失、多尿、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、静脈虚脱。 脱水に関しては注意事項の周知が指示されている。 尿路感染症から腎盂腎炎を引き起こし、敗血症を引き起こした例もあった。 「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」より、「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が公開されてる。(策定:2014年6月13日、改訂:2014年8月29日) 「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」は尿路・性器感染症だけでなく、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など、SGLT2阻害薬の広範で複雑な代謝や循環への影響をきたすことから策定されている。
2014年11月05日
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アステラス製薬:Dana-Farber Cancer Instituteとのがん治療薬創製に関する提携のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月4日、アステラス製薬は、Dana-Farber Cancer と、肺がんをはじめとする様々ながんに対する新規がん治療薬・変異KRAS阻害剤の共同研究契約(開発・商業化に関するオプション権を含む)を締結したことを明らかにした。 ras遺伝子は細胞の増殖に関与し、変異による機能活性化が、がん化を引き起こす発がん遺伝子であることが知られている。 がん全体の約30%にras遺伝子の変異があるとも報告されており、中でもk-ras遺伝子の変異は、肺がん、大腸がん、すい臓がんをはじめとする様々ながんで見られることから、その産物である変異KRASタンパクは、新規がん治療薬の有望な標的分子と考えられてきたが、過去20年の研究では成果は得られていない。 Nathanael Gray, Ph. DのKRASタンパクのG12C変異(KRASタンパクの12番目のアミノ酸が、グリシンからシステインに変異)に結合する阻害剤の開発に対して3年間の期限付きでライセンス契約を締結。
2014年11月04日
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神経ガイド分子セマフォリン3Aの新たな作用メカニズムを解明出典:プレスリリース 2014年10月31日、横浜市立大学は、東京女子医大、横浜国立大学との共同研究により神経ガイド分子セマフォリン3Aがアクチン骨格を制御する分子機構を解明したと発表しました。 研究成果はNature communicationsに10月31日からオンライン版で公開されています。 神経回路が形成される時に、神経ガイド分子とよばれるタンパク質が神経突起の伸長をコントロールします。 神経ガイド分子は神経突起を導く誘引因子と遠ざける反発因子の2つに大きく分類されます。 反発因子の一つであるセマフォリン3A(Sema3A)は、神経の伸びを阻止します。 神経突起の先端には、成長円錐と呼ばれる動きに富む構造があります。成長円錐は神経ガイド分子を感知して神経突起が伸びる方向や速度を決めます。この運動には成長円錐内のアクチンなどの細胞骨格とよばれるタンパク質の急速な骨組みの変化が伴います。 CRMP1からアクチン骨格のコントロールに至る仕組みが不明でした。我々はその間をつなぐ分子を検索してアクチン結合蛋白質の一つであるフィラミンA(Filamin-A)が、CRMP1と結合してこれらのタンパク質の構造を大きく変えてアクチン骨格をコントロールしている事実を発見しました。 モデル生物の線虫を用いてCRMP1(線虫ではUNC-33)と相互作用する分子を検索し、アクチン結合蛋白質Filamin-1(脊椎動物ではFilamin-A)を見いだしました。 脊椎動物を用いた検討を行い、Filamin-AはCRMP1と結合することや、この相互作用がSema3A情報伝達に関わることを明らかにしました。 私たちは原子間力顕微鏡というナノサイズの分子を見ることのできる顕微鏡を用いてFilamin-Aの分子形態を観察し、CRMP1が結合すると形が大きく変わることを見いだしました。さらにSema3A刺激に伴いFilamin-AはCRMP1と複合体を形成してアクチン骨格から解離することを明らかにしました。 このためFilamin-Aによる架橋を失ったアクチン骨格は脆弱化し、崩壊すると推測されました。今回の研究によりSema3A反発作用の分子機構に、CRMP1とFilamin-Aを介したアクチン骨格制御が存在することが明らかになりました。 Sema3AやCRMP1は神経回路形成に関わるだけでなく、アルツハイマー病や神経損傷後の軸索再生を阻害する因子としても知られています。今回の研究においてCRMP1とFilamin-Aの相互作用部位を詳しく調べています。今後は2者の相互作用を抑制する薬物を見いだし、Sema3Aの反発や軸索阻害作用を打ち消して新たな治療薬の開発へと発展させていきたいと考えています。
2014年11月04日
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ホルモンが一人二役を演じる仕組みを解明出典:プレスリリース 2014年10月31日、名古屋大学はシカゴ大学と共同で、一人二役を演じるホルモンが血液中で情報の混戦を防ぐ仕組みを解明したことを明らかにしました。 研究成果はCell Reportsに10月30日からオンライン版で公開されています。 下垂体前葉と隆起葉で合成・分泌されるTSHはそれぞれの組織で、異なる制御を受けていることが示唆されています。ノックアウトマウスを用いて検討を行った結果、前葉と隆起葉では制御を行うホルモンが異なっていました。 どちらの起源のTSHも血中に放出されていましたが、隆起葉によって分泌されたTSHは生理活性を持たず、甲状腺を刺激することができないことが判明しました。 前葉から分泌されるTSHと隆起葉から分泌されるTSHのタンパク質そのものは同一でしたが、結合している糖鎖構造が異なっていました。 隆起葉から分泌されたTSHの糖鎖構造は血中の免疫グロブリンやアルブミンにトラップされ、活性を失うことが判明しました。 血中TSH濃度は高いのにかかわらず、甲状腺ホルモンが正常という「マクロTSH血症」という疾患が知られています。中枢性甲状腺機能低下症の人でも、血中のTSHの糖鎖に以上が見られることが知られています。今回の発見はこの病態に対して、理解が進む可能性が期待されます。
2014年11月03日
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加齢による記憶力低下はグリア細胞の機能不全によることを発見-加齢による記憶力低下の治療に期待-出典:プレスリリース 2014年10月31日、東京都医学総合研究所はショウジョウバエを用いて加齢による記憶力低下の分子下にズムを発見したことを明らかにしました。 研究成果はNeuronに10月30日からオンライン版で公開されています。 加齢による記憶力の低下は、高齢者のQOLを低下させます。 分子レベルで加齢による記憶力の低下を調査するためには寿命の長い哺乳類を利用することは困難です。そのため、ショウジョウバエがモデルとして使われています。 東京都医学総合研究所ではショウジョウバエでも加齢性記憶障害を起こすこと、さらに加齢性記憶障害をおが起こりにくくなっている変異体をすでに見いだしてます。 加齢性記憶障害に関しては、加齢により低下する神経細胞の機能に注目が集まっていました。また、酸化ストレスが加齢性記憶障害を引き起こすという仮説も有力視されています。 加齢性記憶障害が起こりにくくなっている変異体を検討した結果、加齢によりピルビン酸カルボキシラーゼが増加し、エネルギー代謝バランスが崩れると加齢性記憶障害が起こることが野生型と変異型の比較により明らかになりました。 ピルビン酸カルボキシラーゼ活性が上昇するとD-セリンの産生が低下しました。D-セリンはグリア細胞から放出されるアミノ酸。学習記憶に必要な、神経細胞にあるNMDA受容体の機能を亢進させます。 加齢性記憶障害はグリア細胞のD-セリンの放出の低下が原因です。D-セリンを野生型に与えることにより記憶障害が改善しました。 ショウジョウバエはD-セリンを摂取することにより、脳のグリア細胞まで到達し、記憶障害の改善が認められましたが、人間ではD-セリンを以下にして脳に到達させるかが問題になります。 今回の研究ではグリア細胞の代謝バランスがD-セリンの低下を引き起こしていることから、この観点からの治療薬の可能性があります。また、ピルビン酸カルボキシラーゼの量の低下に関しては酸化ストレスとは無関係ということが分かっているため、この方向から体の老化とは異なる、脳の老化メカニズムの発見につながる可能性が示唆されます。
2014年11月03日
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テルモ、骨格筋芽細胞シートの製造販売承認を申請-日本発、世界初の心筋再生医療の実用化へ向けて-出典:プレスリリース 2014年10月31日、テルモは、虚血性心疾患による重症心不全を対象とした骨格筋芽細胞シートについて、10月30日厚生労働省へ再生医療等製品として、製造販売承認申請を行ったことを明らかにしました。 患者さんの大腿部より筋肉組織を採取し、組織内に含まれる骨格筋芽細胞を体外で培養してシート状にします。それを傷んだ心筋の表面に貼ることで、重症心不全の病態改善が期待できます。この細胞は患者さん自身から採取するため、拒絶反応がないことが特徴として挙げられます。 iPS細胞を用いた細胞シートは現在、動物実験が終了した段階です。心筋再生医療品としては骨格筋芽細胞が随分先行しています。 申請のもとになった試験はUMIN000012906重症心筋症に対する骨格筋筋芽細胞シート移植による治療法の開発 と思われます。登録開始日は2014/01/22、目標症例数は40例です。
2014年11月03日
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米国食品医薬品局 諮問委員会が 第一三共の抗凝固剤「SAVAYSA(R) (エドキサバン)」の承認を勧告出典:プレスリリース 2014年10月31日、第一三共は、10月30日(現地時間)に開催された米国食品医薬品局(FDA)の心血管用薬及び腎臓用薬諮問委員会が、当社が創製した抗凝固剤SAVAYSATM(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)の「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」に関する適応症について1日1回60 mg(及び用量調整30 mg)の用法・用量で承認を勧告(賛成9、反対1)したことをお知らせします。 FDAは、審査の過程において必要な際に助言を求めることができますが、必ずしも諮問委員会の勧告に拘束されることはありません。 日本においてエドキサバン(リクシアナⓇ錠)は、本年9月26日に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制及び静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制の両適応症で効能追加承認されております。
2014年11月01日
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ポリアミンを小胞へ輸送するタンパク質を発見 出典:プレスリリース 2014年10月31日、岡山大学は記憶・学習などの脳の働きに深く関わっているポリアミンを小胞へ輸送するタンパク質を世界で初めて発見し、VPATと名付けたことを明らかにしました。 研究成果はScientific Reportsに2014年10月30日からオンライン版で公開されています。 ポリアミンは脳の神経細胞や神経感の情報伝達を調節したり、神経細胞への栄養分の補給を行っているアストロサイトの小胞体に蓄えられています。 小胞体に刺激がくるとポリアミンは細胞外へ放出されますが、ポリアミンを小胞体へ運搬する仕組みは明らかになっていませんでした。 ポリアミンはVPAT(Vesicular Polyamine Transporter, 小胞型ポリアミントランスポーター)と世ばっれるタンパク質によって小胞体に輸送されていることを今回の研究で明らかになりました。 VPAT働きはは人工膜小胞の輸送活性とVPATタンパク質を作れなくした小胞体でポリアミンが蓄積しなくなることによって確認。 今後の展開、VPATを指標として神経伝達の化学信号部分の調節を検討することができるようになれば、脳の働きの仕組み解明につながり、アルツハイマー病やてんかん、パーキンソン病などの神経疾患や依存症に対する薬の開発につながる可能性があります。
2014年11月01日
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福島の土壌が僅かなセシウムの取り込みにより多量のセシウムを呼び込むメカニズムを解明-放射性セシウムが吸着した粘土鉱物のミクロな構造変化-出典:プレスリリース 2014年10月31日、日本原子力研究開発機構、法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)、電力中央研究所、国立大学法人山形大学の共同研究グループは、土壌成分のひとつである粘土鉱物「バーミキュライト」が、セシウムイオンを多量に取り込むメカニズムの解明に成功したことを明らかにしました。 粘土鉱物は、厚みの薄いシート状の無機物が積み重なった構造をとっており、上下のシートの隙間(層間)に陽イオンを取り込む性質を持っています。これまで、福島県内の汚染土壌中で、バーミキュライトの層間にセシウムイオンが強固にかつ選択的に取り込まれることに関して、大きな関心が寄せられていました。 バーミキュライトの或る場所に放射性セシウムイオンが1個だけ吸着すると、その隣にもセシウムや化学的性質の類似したイオンが吸着しやすくなるため、その粘土層に多くのセシウムイオンが取り込まれることを明らかにしました。 このことがきっかけで、2つの粘土層がはがれ、それぞれの粘土層の表面にもセシウムが吸着しやすくなり、バーミキュライトに対してドミノ倒しのように、次々とセシウムイオンが吸着していくことを解明しました。 バーミキュライトのセシウム汚染の場合は、単純な拡散による汚染よりも高濃度に汚染される可能性を示唆します。逆に周りのバーミキュライト以外のセシウムイオンをバーミキュライトが吸着する可能性もあります。 福島県内の土壌には、バーミキュライト以外に黒雲母やスメクタイトなど、セシウムイオンと相互作用がある粘度鉱物が多数存在します。 今後は従来の土壌からのセシウムイオンの除染の効果や新しいセシウムイオンの除染方法等を天安したいとのことです。
2014年11月01日
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パーキンソン病の悪化に関連する因子の発見出典:プレスリリース 2014年10月31日、東北大学の研究グループはパーキンソン病患者53名を6年間追跡し、 認知症を発症する前の段階における記憶や視知覚の障害は、側頭・頭頂・後頭葉の広範な機能低下と、その後の認知・運動症状の急速な悪化に関連することを発見したことを明らかにしました。研究成果はPLoS Oneに2014年10月20日からオンライン版で公開されています。 パーキンソン病は運動機能の悪化を主症状とします。長期経過後に約8割の患者が認知症になることが知られています。現時点では認知症に対する予後因子は知られていません。 今回の研究では53例の認知症のないパーキンソン病患者を対象に、3年間隔で2回の検査を施行し、初回の検査成績の変化との関係について検討。 検査項目は運動機能、認知機能(記憶、視知覚、遂行機能)、局所ブドウ糖代謝。 その結果3年後に記憶障害だけ、あるいは記憶およびその他の認知障害をきたしたグループでは、3年後に認知障害のないグループに比べて、局所ブドウ糖代謝の側頭・頭頂葉の代謝が低下していました。 この結果より、パーキンソン患者では早い段階で大脳新皮質(側頭・頭頂・後頭葉)の神経変性が起こっており、このような変性が先の認知障害や運動障害を起こすことが分かりました。 パーキンソン病の予後予測に使用でき、認知機能障害に対する早期介入に対する動機付けになる可能性があります。
2014年11月01日
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増加する外国人患者様とのコミュニケーションをサポートポータブル通訳サービスを開始出典:プレスリリース2014年10月30日、アークレイは医療機関向けの通訳サービス「ARKRAYスマイル通訳」を11月1日(土)から開始することを明らかにしました。 iPadやiPhoneのテレビ電話機能(FaceTime)を利用したポータブル通訳サービスで、外国語(英語・中国語・韓国語)を離す患者と医療従事者のコミュニケーションをサポート。 対応言語は英語、中国語、韓国語で、1回の通話時間は15分まで。英語は24時間対応。中国語、韓国語は午前9時から午後10時まで対応。日曜・祝日も利用可能。 料金は定額性で、何回利用しても料金は変わりません。初期設定費用は52,500円、月額使用料は37,800円。通訳したい言語をタッチするとオペレータからコールバックがあります。その後はオペレータが通訳する方式。
2014年10月31日
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植物で組織ごとに異なる体内時計が働いていることを発見 出典:プレスリリース 2014年10月30日、京都大学は植物組織の遺伝子発現をモニタリングする新規解析手法を開発し、それを用いてシロイヌナズナの時計遺伝子発現を組織レベルで定量的に測定することに成功したことを明らかにしました。研究成果はNatureに2014年10月29日(現地時間)からオンライン版で公開されています。 各組織での時計遺伝子の発現を迅速に測定するために、組織単離時間を従来法の1/3以下に短縮しました。また、時計遺伝子の発現を非侵襲で測定できる「TSLA法」を世界で初めて開発し、維管束に存在する時計遺伝子の性質が他の組織と大きく異なり、隣接する葉肉組織の時計遺伝子の発現に影響を与えていることを明らかにしました。さらに、維管束の時計機能を阻害するだけで植物の花の咲くタイミングを遅らせることにも成功しました。
2014年10月31日
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バイエル薬品、ニューキノロン系注射用抗菌剤「シプロキサン(R)注」(シプロフロキサシン注射剤)の効能・効果の追加及び用法・用量の変更の承認申請のお知らせ出典:プレスリリース 2014年10月30日、バイエル薬品は、ニューキノロン系注射用抗菌剤「シプロキサン®注」(シプロフロキサシン注射剤)について、本日、小児に対する尿路感染症(複雑性膀胱炎、腎盂腎炎)及び嚢胞性線維症の効能・効果の追加ならびに成人における用法・用量の変更を厚生労働省に承認申請しましたことを明らかにしました。 今回の申請は、日本小児感染症学会及び公益社団法人日本化学療法学会からの要望が「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討され、厚生労働省よりバイエル薬品に小児における本適応症及び成人における用法・用量の変更に関する開発が要請されたことを踏まえたものです。
2014年10月31日
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精子形成不全に関わるストレスタンパク質の機能を発見出典:プレスリリース 2014年10月28日、岡山大学、九州大学、大阪大学と京都大学の研究クループはHSP90アルファ(ストレスタンパク質)が哺乳類の生殖細胞におけるレトロトランスポゾンの再活性化抑制機構に関与していることを明らかにしたことを発表しました。 研究成果はNucleic Acid Researchに2014年9月27日から公開されています。 HSP90α欠損マウス胎生期の精巣を詳細に解析し、生殖細胞の発生過程で産生されるべきpiRNA(小分子RNAの一種)の生成異常及びレトロトランスポゾン(利己的に転移する因子で哺乳類ゲノムの約半分を占めている)の抑制異常があることを明らかにしました。 これまでの研究でHSP90α欠損マウスで精子形成不全が見られ、不妊となることを明らかにしていまが、今回の研究で変異体の生殖細胞ではレトロトランスポゾンの抑制が見られないことやpiRNAの発現量が顕著に減少していること等を報告し、piRNAを介したレトロトランスポゾン抑制系にはHSP90αの働きが重要であることを哺乳類で遺伝学的に初めて示しました。 HSP90α欠損マウスではpiRNA結合タンパク質が細胞質から核内へ移行できず、HSP90αが細胞質の情報と核内の活動を繋ぐ重要なタンパク質である可能性が示唆されました。HSP90αは昆虫や植物でもpiRNAやmiRNAなどの小分子RNAの生成に関わっているので、この機構は進化的にかなり保存されていると推察されます。 ストレスタンパク質は発見がヒートショックタンパク質とも呼ばれていました。(HSP:Heat Schock Protein)細胞が熱などのストレス条件下で発現するタンパクで細胞を保護します。RNAからタンパク質ができたさいに立体構造を維持するための分子シャペロンとしても機能します。 HSP90αはHSPCファミリーに属しています。このファミリーは非ストレス環境下でも細胞内発現量が高く、分子シャペロンとして機能することが知られています。今回の研究もHSP90αの分子シャペロンとしての新しい働きの一つの可能性があります。
2014年10月30日
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[医学部] 2型糖尿病治療薬GLP-1の作用を増強し血糖値を改善する新しい方法を発見しました出典:プレスリリース 2014年10月29日、自治医科大学は、研究者がマウスを用いた実験から、電位依存性Kv2.1チャネルが膵β細胞のGLP-1受容体シグナルとして機能し、Kv2.1チャネルのわずかな阻害によりGLP-1作用の感受性が亢進し、低濃度のGLP-1アナログによってインスリン分泌が大きく増大することを明らかにしました。 研究成果はEndocrinologyに2014年10月22日からオンライン版で公開されています。 Glucagon-like peptide-1(GLP-1)は、食事により腸から放出されてインスリン分泌を促進する消化管ホルモンであり、食後のグルコース誘発インスリン分泌を促進します。 GLP-1が血糖値依存的にインスリン分泌を促すことから、GLP-1受容体活性化薬(GLP-1アナログ)やGLP-1分解酵素(DPP-4)阻害薬等のGLP-1関連薬は、近年、低血糖の危険性の低い新規糖尿病治療薬として注目されています。 公開の研究ではKv2.1チャネル阻害薬とGLP-1アナログのそれぞれ低用量の併用投与により、2型糖尿病モデルマウスのインスリン分泌が飛躍的に増大し、血糖値を低下させることに成功しました。 本研究によって、Kv2.1チャネルが生理的なGLP-1作用を仲介する重要な因子として機能しており、Kv2.1チャネル阻害薬の併用はGLP-1関連薬の有効用量を低下させ、嘔吐などの副作用を低減させるより優れた糖尿病治療効果が期待されます。
2014年10月30日
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肥満症治療剤 lorcaserin と phentermine の併用投与の臨床試験結果について-12週間投与による安全性と忍容性を確認-出典:プレスリリース 2014年10月29日、エーザイは、子会社のエーザイ・インクと米国 Arena Pharmaceuticals, Incが共同で実施している肥満症治療剤 lorcaserin (米国製品名:BELVIQ® )のphentermine との併用投与の検討試験において、安全性と忍容性に関する所期の目的を達成したことを明らかにしました。 研究成果はObesityWeek2014(米、2014年11月2日~7日)で発表予定。 今回の主要評価項目であるlorcaserin と phentermine の併用投与群は、lorcaserin 単剤投与群に比較して、事前に規定した有害事象の発現率を増加させないことが達成されたとのことです。 具体的には試験開始から終了までに、セロトニン作動性の有害事象として一般的に予想される頭痛、めまい、悪心、疲労、口内乾燥、下痢、嘔吐、不眠、不安のうち少なくともひとつの症状が発現した被験者の割合を指標として用いています。 試験方法は過体重および肥満の成人 238 人を対象とした、12 週間投与における lorcaserin 単剤投与に対するlorcaserin と phentermine 併用投与の安全性と忍容性を比較する二重盲検、無作為化臨床試験です。 lorcaserin 単剤(1 回 10mg 1 日 2 回)投与群、lorcaserin(単剤群と同量)に phentermine を 1 回 15mg 1日 1 回併用投与する群と phentermine を 1 回 15mg 1 日 2 回併用投与する群の 3 群が設定され、無作為に1:1:1の割合で割り付けられました。また試験中には、体重管理のカウンセリングが実施されました。
2014年10月30日
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アルドステロン拮抗薬が慢性腎臓病患者の蛋白尿を抑制することを証明―塩分を過剰摂取する日本人の慢性腎臓病に適した治療―出典:プレスリリース 2014年10月28日、EVALUATE研究グループは、血液中にあるナトリウムとカリウムの濃度を調節するアルドステロンの働きを妨げるアルドステロン拮抗薬がCKD患者のアルブミン尿を抑制することを二重盲検比較試験によって証明したことを明らかにしました。 研究成果はThe Lancet Diabetes & Endocrinologyに10月28日からオンライン版で公開されています。 動物実験にて塩分摂取がアルドステロン受容体を活性化することにより腎障害を引き起こされることから、EVALUATE(Eplerenone Combination Versus Conventional Agents to Lower Blood Pressure on Urinary Antialbuminuric Treatment Effect )グループはRA系抑制薬を投与中の高血圧を伴う非糖尿病性CKD患者にアルドステロン拮抗薬を投与する臨床試験を行いました。 この臨床試験は、医師主導の二重盲検比較試験です。その結果、アルドステロン拮抗薬を投与した実薬群では、偽薬を投与したプラセボ群に比べて尿中の蛋白質であるアルブミンの排泄が有意に減少しました。 抗アルドステロン薬エプレレノン(セララ®)の腎保護(抗アルブミン尿)作用を検討するために、レニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬投与中のアルブミン尿を 伴う高血圧患者において尿アルブミン/クレアチニン(Cr)比の変化を1次エンドポイントとしてセララ®50mg/日とプラセボの効果を比較する研究です。スクリーニングを行った症例は551例、登録症例は336例、 解析対象例は314例。 現在、RA系抑制薬は高血圧を伴うCKD患者の第一選択薬として用いられていますが、塩分の過剰摂取により、その効果が半減することが知られています。本研究結果はこの“塩分摂取によるRA系抑制薬の不応性”の機序としてアルドステロン受容体の活性化が関与していることを示唆しています。 本薬はアルブミン尿を伴う糖尿病患者では高カリウム血症の副作用のため禁忌となっています。しかし、増加する糖尿病が透析導入の原因疾患の一位の座を占めており、かつ糖尿病性腎症に対して有効な治療法がない現状において、将来、糖尿病性腎症を対象として少量の本薬を用いたアルブミン排泄を抑制する効果、腎機能低下を抑制する効果及び副作用についての検討を目的とする二重盲検試験の実施が望まれます。
2014年10月29日
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ミクロなゼリー球を多様な形に成形することに成功~ミクロ材料の形成法が日常を変える~出典:プレスリリース 東京農工大学と九州大学のグループは、温度を介した相分離とゲル化の速度を変化させることで、100分の1ミリメートルスケールのミクロなゼリー球を、従来の球型やカプセル型だけでなく、三日月形や星形などへ成形することに成功したことを明らかにしました。研究成果はProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaに10月27日(現地時間)で公開されています。 ゲル化するゼラチンに、ゲル化せずゼラチンと相分離する分子(PEG)を混ぜた水溶液を準備し、それを脂質膜で覆うことで細胞モデルを作成しました。細胞モデルは、温度を介した相分離とゲル化の速度、そして脂質膜とゼラチンとの親和性(濡れ性)に応じて、球形やカプセル形だけでなく、三日月形や星形、円盤形など、多様な形のミクロゲルを自発的に形成することを見出しました。 この方法は細胞の多様な形に着目した結果とのことです。 食品や医薬品など日用品に広く用いられている様々なミクロ材料の形成法へ応用することで、形による食感や薬剤放出の速度制御など、多彩な機能付与が期待されます。
2014年10月29日
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経口アンドロゲン受容体阻害剤XTANDI(エンザルタミド) 化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がんの追加適応症 欧州で販売承認勧告採択のお知らせ出典:プレスリリース 2014年10月27日、アステラス製薬は欧州医薬品審査庁(EMA)において医薬品の科学的評価を担当する欧州医薬品委員会(CHMP)が、経口アンドロゲン受容体阻害剤XTANDI(一般名:エンザルタミド、開発コード:MDV3100)の追加適応症について、販売承認勧告を採択したことを明らかにしました。 今回の勧告の対象となる適応症は、「アンドロゲン除去療法が無効で化学療法施行歴のない成人男性における無症候性または軽度の症候性の転移性去勢抵抗性前立腺がん」です。 通常、欧州委員会は、CHMPの勧告に従いおよそ2か月で欧州での承認可否に関し最終的に判断します。 XTANDIは、ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの効能・効果について、2013年6月に欧州委員会より販売承認を取得しています。 日本では「去勢抵抗性前立腺癌」を適応症としてイクスタンジの商品名で2014年5月23日から発売されています。
2014年10月28日
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真核生物の鞭毛モーターの原子レベル部分構造を解明出典:プレスリリース 2014年10月24日、東京大学、リーズ大学(英)は、真核生物の鞭毛が運動するために必要な分子である鞭毛ダイニンの微小管との結合部位(MTBD)の立体構造を原子レベルで解明したことを発表しました。 研究成果はStructure誌にオンライン版で公開されています。 クラミドモナスや精子は鞭毛の運動によって水中を自由に運動することができます。鞭毛ダイニンに異常が生じると男性不妊や内蔵逆位等の原因となります。一方で細胞質に存在するダイニン(細胞質ダイニン)は微小管上の小胞輸送などの役割を担います。 真核生物の鞭毛モーターの動作機構の解明を目指し、クラミドモナスの鞭毛内腕に存在するダイニンの一種であるdynein-cのMTBDの溶液中での原子レベルの立体構造を核磁気共鳴(NMR)技術により明らかにした。その結果、鞭毛ダイニンMTBDの基本構造は細胞質ダイニンMTBDと同様、8本のα-ヘリックスからなることが分かった。ただし、細胞質ダイニンには見られない特徴としてフラップと命名されたβ-シートからなる突起構造が見られた。また、フラップが柔軟に可動する構造であることも分子動力学計算などにより明らかにしました。鞭毛ダイニンの部分的な構造と微小管との結合の性質が明らかになった。これにより、その駆動機構に不明点が多い真核生物の鞭毛の運動機構の解明に一歩近づくことができた。また、この成果は鞭毛の巨大分子機構の仕組みを利用した人工機械の構築や男性不妊などの医学的問題の解明に貢献することが予想されるとのことです。
2014年10月28日
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細胞分裂を正しく導く中心体出典:プレスリリース 2014年10月27日、国立遺伝研究所は中心体複製の開始段階における分子の働きを明らかにし、複製が一つに限られる機構をモデル化したことを発表しました。 研究成果は2014年10月24日(日本時間)からNature Communicationにオンライン版で公開されています。 細胞分裂時に染色体が分かれ、新たに生じた2つの細胞それぞれに分配されます。 この機構に中心的な役割を果たすのが中心体と呼ばれる細胞内器官です。 1つの細胞には中心体は1つしかありませんが、細胞分裂時に複製されて2つになり、対極に分かれて染色体を引っ張ることで、細胞分裂は正しく行われます。 中心体は柱状の部品(中心小体)2個から構成されています。細胞分裂時には、この2個が母中心小体となり、それぞれに娘中心体を1個作ります。娘中心体が作られる過程の顕微鏡写真を解析したところ、母中心小体の周囲に中心小体形成促成因子がたくさん集まりますが、そのうちの1カ所だけに娘中心小体が形成され、他の分子は壊されてしまうことが推定されました。娘中心小体の形成が1個に限定させることにより、中心体の複製を1つに限定するモデルを想定したとのことです。 この仕組みにはPlk4という分子が働いていることも分かりました。娘中心体の形成が阻害されるとPlk4分子が局在せず、娘中心体が一つできるためのフィードバック機構にPlk4分子が関与しているとのことです。 中心体の不活化は様々な遺伝子病や男性不妊の原因となっていることから、今回の発見がこれらの病気の原因解明や新しい治療法の開発に繋がる可能性を示唆しています。
2014年10月28日
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生きた細胞を光エネルギーで操作する技術を開発出典:プレスリリース 2014年10月27日、産業技術総合研究所は、フランス国立科学研究センター、ストラスブール大学、東北大学と共同でカーボナノホーンからなる分子複合体を作製し、この分子複合体を用いて生きた細胞の機能を操作できる新たな光制御技術を開発したことを明らかにしました。 研究成果はAngewandte Chemie International Editionに10月25日から公開されています。 ナノモジュレーターはCNH 表面に近赤外蛍光色素(IRDye800CW)を結合させたもので、水溶液中に分散させ、生体透過性の高い近赤外レーザー光を照射すると、熱と活性酸素種を効果的に発生します。 この熱・活性酸素種発生システムにより、細胞へのカルシウムイオン流入や細胞膜に流れる電流を遠隔制御でき、生体深部における一つの細胞の機能制御技術を実現可能となります。脳疾患の分子・細胞レベルでの病態メカニズムの解明や新たな治療法を開発するためのツールとして期待。 オプトジェネティクスを用いると、光のスイッチを切り換えるだけで細胞同士の接続や特定の細胞集団の機能を操作できるため、未知の細胞ネットワークを解き明かし、病気の治療にも役立つと期待されています。しかし、基本的に、紫外光や可視光などの生体透過性の低い光を用いるため、生体深部にある細胞の機能を制御できない。また、ウイルスを用いて遺伝子改変を行う必要があるため、医療への応用は難しいという課題があります。 CNHは生体透過性の高い近赤外の波長領域(700~1100 nm)のレーザー光により容易に発熱する。今回開発したナノモジュレーターは、CNH表面に水溶性の近赤外蛍光色素(IRDye800CW)と水溶性のジアミノトリエチレングリコールを化学修飾しています。 活性酸素種は、細胞内外へのイオンの出し入れに関わるタンパク質の活性を制御することで、ストレス、ホルモン伝達、免疫応答といった生命活動に欠かせないプロセスに関与しているため、ナノモジュレーターによる細胞機能制御が期待される。 今後は、この技術を応用して、単一の細胞レベルでの細胞機能解析技術を構築していく予定である。また、パーキンソン病やアルツハイマー病などの脳疾患に関わる新しい治療法につながる周辺コア技術の開発にも取り組むとのこと。
2014年10月28日
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