内緒  その3




何だかなぁ・・・と思う事


今日は土曜で学校も休み。息子の校区で行われている子供学級では、今日は餅つき大会が有る。
私の実家も農家では無いので、家で餅をつく事などないから、息子はこの日をず~っと前から楽しみにしていた。
昨日、スイミングの後に買い物などしてそれから夕飯とお風呂だったので、少し夜更かしした事も有り、私もつい気が緩んで朝は寝坊してしまった。今週に限って土曜に保育を行う娘の幼稚園のバスの乗車時間に間に合わなかった為、息子の餅つき大会の会場も幼稚園に近いので、二人まとめて送って行く事にする。
今日は息子も忙しい。
午前中は、その餅つき大会。そして午後からは隣の建物で読み聞かせの会のクリスマス会が有り、誰でも参加できるので、それに行くと言うのだ。
以前より本を読むようになったとは言え、自分から読み聞かせの会も参加するなどと言うのは少し変だなと思ったら、案の定、クリスマス会と言う事で、何かプレゼントがもらえるのではないかと思っての事だったらしい。邪念丸出し。そこは子供だからしょうがないか。
餅つき大会は一時近くまで有ると言うので、おにぎりでも握って会場に行くつもりにしていた私は12時前の見ず知らずの携帯電話からの電話に驚いた。息子が会場に来ていたよそのお母さんの携帯を借りて電話して来たのだ。なんでも11時近くに終わったらしく、いつまでも迎えを待っている息子の姿を見て不憫に思った見ず知らずのお母さんが、家に電話をするように携帯を貸してくれたそうだ。もう、三十分以上待っている位なら歩いて帰って来れば良いのに!
今日は荷物になるだろうと思って、連絡用の小銭が入った財布を持たせてなかったのだ。こんな日に限って全く。
電話を貸してくださったお母さんに代わってもらってお礼を言うと、すぐに息子を迎えに行く。
そして帰宅後、娘の帰宅を待ち、昼食。今日は主人も珍しくお休みなので、みんなで読み聞かせの会に行く事にする。
会場は、あまりたくさんの人は居なかった。閑散としていたわけでもないが。子供の数としてはこんな程度がそこそこで良いのかもしれない。男の人が少ないと言って、主人は端っこでうずくまる(笑)
会場は、大人数の来場を見越してたのだろうか、いつも子供達が検診を受けたりする広い会場を借りてあった。前の方はクリスマスらしい飾り付けもして有り、クリスマスの雰囲気たっぷりなのだが、後ろから三分の一位は椅子もなく、がらんと場所が開いていて、なんだか尻切れトンボのよう。おまけに椅子席の後ろに風船でアーチを作って有るのだが、重石で両端を押さえて有るだけなので、子供達が、それも赤ん坊でも触ればふらふらと動く。この仕掛けを見た時、いやな予感がした。
間もなく、時間どおりに会は始まった。最初はクリスマスソングをみんなで歌ったり、ハンドベルの演奏を聞いたりと、和気あいあいと始まったのだが、ハンドベルが終わった頃から少し様子がおかしくなってきた。
会場に来ている子供達、とりわけ、大人の同伴無しで来ている子供達が後ろの風船を触って遊びだしたのだ。
プログラムは次のお話しの読み聞かせに入っている。
しかし、後ろで子供達が遊び始めたので、後ろでは読んでいる人の声がよく聞こえない。
主催者の一人が最後方にいた筈なのに、いつの間にかいなくなっている。一体何をしているのだろうか。それよりも、前方にいる主催者達は後ろで遊んでいる子の声や騒ぐ音が聞こえないのか?
たまりかねて傍で遊んでいた四年生ぐらいの女の子に注意した。
「大きい子がそうやって悪い見本を見せると、小さい子が真似するよ。」
その子達は、顔を見合わせて「はぁ~い。」と返事をするととりあえず遊ぶのをやめた。しかし、もう既に、お母さん連れでやって来ている小さい子供達が風船のまわりに集まって来ている。
話の幕間でトイレ休憩になったので、主催者側に伝えに行く。後ろがうるさいのと、危険な事なのを。
折から、風船のアーチは子供達が持ち上げて、動かそうとする瞬間。
「本当、危ないわ。」
慌てて、主催者のうちの男性二人がアーチを動かす。
子供達は未練たっぷりにアーチの行方を目で追っていた。それも、年端も行かぬ子供達が殆どだったが。
それにしても、遊んでいた小さい子達の親は、どう考えているんだろう?子供達が風船で遊んでいても何一つ注意するわけでもなく、下の子の世話や、ママ友達とのオシャベリに興じている。
お話しの会の読み聞かせを聞きに来たのではないのか?
いくら小さいからと言って、何をしても良いわけではないだろうに。少なくとも、風船のアーチなどは、会場の備品と同じ位の意識は無いのだろうか?それとも、彼女達はこの会の常連さんで、いつもこのような態度を取っているのだろうか。
彼女達の意識を疑う出来事が立て続けに有る。
お話しの途中、まだ一歳にも満たない位の子供が騒ぎ出した。
お腹が空いたのか、退屈なのか。真意は分からない。
しかし、遠慮と言う意識の無いこの年頃の子供があげる奇声は生半可なものではない。はっきり言ってウルサイ。
ここで、あなたならどうしますか?
1.子供をなだめすかしてこの場に留まる。
2.みんなに迷惑がかかるので、ひとまず会場から出て、子供の気をそらす。
3.しょうがないので、お菓子を与えて子供の気を紛らわす。
私は2を選択したいと思いますが、そのお母さんが選んだのは1でした。
おかげで会場は、マイクを使って話をしているにも関わらず、その子の声で半分近くが聞き取れなかった。
おまけに、そのお母さんは、その事に関して、何も罪悪感が無さそうなので、またまた驚き。
昔、学生の頃、実家に帰省する途中、2~30分に一本位しか無い、空港から市街地に向けてのバスの車中で、赤ちゃんが何に機嫌を損ねたか、ひどく泣き出して、無き止まなかった事が有った。そのお母さんは、しばらく一生懸命子供をあやしていたが、ついに決心して、運転手さんに途中で止めて降ろしてくれるように申し出た。理由はもちろん、子供がうるさくて車内の人に迷惑がかかるから。
やり取りの仔細は後ろの方で良く聞こえなかったのだが、結局そのお母さんはバスを降りた。そこまでしなくても良いんじゃないかと思った。だって外は寒かったか暑かったか(帰省の時期なので、どちらか極端だったのは間違い無い)で、赤ちゃん連れで次のバスを待たせるのは可愛そうだと思ったから。でも、他に引き止める人も無かったと記憶しているので、結局は公衆道徳みたいなものが優先されたんだと思う。
で、そのお母さんの場合はどうなるのだろう?
自分が子育てして居る時には、やはりこんな場所柄なら、やっぱり外に出て行ったのでは無いかと思う。・・・というか、その頃は息子はADHDだとは気付かなかったにしても、飾り付けをむやみに当たったり、壊したり、大人しくしてなかったりと言う事が有ったので、つれて行く事自体を控えていたように思える。これも一種の公衆道徳だと思うのだが。
それに比べれば、傍若無人では無いかと思う。
自分の考えを押し付けるのは大変良くないと思うのだが、少なくともそこに集まって居る人が何をしに来たかと言う事を考えれば、いくら赤ん坊でも静かにさせるのは常識以外の無い物でも無いはず。
『赤ん坊はうるさいものよ。』
そういう主張も有るだろう。否定はしない。
それなら、うるさくしても良い場所へ連れて行けば良いのだ。少なくとも、お話しを聞きに来ている人が集まる場所へ行くのなら、その妨害をするべきでは無いと思う。
『子供にも良いものを聞かせてやりたいの。』
その気持ちも分かるけど、小学生じゃないんだよ、相手は赤ん坊。我慢して聞くなんて芸当はできないでしょ?
赤ん坊の注意がそれた時点から、もう、何を聞かせても聞いて無いって。それなのに、無理強いする方が可愛そうじゃないの。子供の機嫌が良い時に、お母さんが頑張って聞かせてあげれば良い事では無いか。
私が怒りにふつふつと震えているのを、横から主人がいさめる。
「まぁ、落ち着け。落ち着け。どうどう。」
馬じゃないのよ、私は・・・!
そして、やはりママダチとのオシャベリに興じて、自分の子供を見ていない母親たち。飾り付けをあたって壊して、やっと気が付くバカっ母。オシャベリの会に来ているんじゃないのに。
主催者も、主催者だわ。これだけざわざわしてるのに、なんで何も言わないの?大人しく聞けない人は、出て言って下さい位の事を言えないのだろうか?静かに聞きたい人はたくさん居るのに。珍しく我が息子でさえ、前の方の小学生軍団がうるさいため、後ろの方に非難して聞いている。うちの息子が大人しくしてんのに、なんで他の子が出来ないのよ。何か、おかしいじゃない。
親に対しても何も注意しないから、親からもなめられるのだわ。いくら、珍しい事をしてみんなの気を引いても、根本がこうなら、結局は同じ。
最近こんなお話の会に良く行き当たる。せっかく息子が本に興味を持ち始め、私が勧めたのではなかなか読まないジャンルも、こう言う会で聞くと、面白かったと言うのに。
子供の躾を語る前に、大人の躾をきちんとして欲しいな。

ちょっと愚痴らせてもらうと、この会場には息子と同じ学校の子も来ていた。その子のお母さんは、見た目にもしっかりしていて、一年の時にはクラス役員まで引き受けてくれた人だった。そのお子さんと言うのが、結構いたずら坊主で、今年から開催されている子供学級で、息子と同じクラスの選択をしている。
有る日、珍しく娘の幼稚園が土曜保育をしていたため、私は息子を迎えに行くのが遅くなった。すると、息子とその子とその子のお母さんが私を待っていた。
どうしたことかと聞くと、子供学級の最中に二人があまりに喧嘩をするので、理由を聞いたら息子が手を出したからだとその子が言うので、話を聞いていたと言うのだ。
私は、「ん?」と思った。
自分の息子が悪くないと思った訳ではない。
しかし、その相手のお子さんと言うのが、お母さんが公民館の関係の仕事をしていて、自分に目が行き届かないと言うのを承知の上か、結構したい放題の子だと言うのを感じていたから。
先日、やはり子供学級で、みんなで戦争中の話をきいて、すいとんを食べようと言う事になっていた。さて、いざ出来上がって食べようかと言う時に、その子はみんな用にと出されたお漬物を、一人で抱えて、おまけに付け箸で食べているのだ。お茶碗を持って抱え込むように自分の口に流し込み、まるで、自分一人に与えられた食べ物のように。
おまけに、食べてる最中にの態度が悪い。正座して直立不動で食べろなんて言わないのだが、だらんと背を丸めて左手は遊んだままお茶碗を殆ど持たず、非常にだらしない。一目で、家でもこんな風にご飯を食べてるんだろうなと言う事が推察できた。
あまりに態度が悪いので、見かねた私が「きちんと座って食べなさいよ」と注意した所、ちょうどそのお母さんが傍に来て「もう、一人っ子なもんだから、ワガママで・・・」云々の言い訳をしていた。
ちょっと待ってよ、それは一人っ子にあまりにも失礼じゃないのよ。ちゃんとしている一人っ子も居るのよ。それはあくまでも躾の問題じゃないの?
もしかしたらあなたは仕事が忙しくて子供とご飯食べて無いんじゃないの?だから、子供がだらしなくご飯食べてるのに気が付かないんじゃないの?
喉元まででかかった言葉を飲み込み、私は苦笑した。
そんな記憶が蘇ってきたのだった。
事実関係を確かめるため、私は息子を問いただす。
すると、息子は、先に手を出したのは相手の方だと言う。その時間は卓球をしていたのだが、準備体操の頃から、わざと息子の近くに来ては、ちょっかいをだしたと言う。自分がよけても執拗に続くので、たまりかねて叩いたと言うのだ。
しかし、息子ははっきり言って口が立たない。これだけ説明をするのに私の力をかりて、やっと言える位だ。おそらく相手の子のお母さんに「何でそんな事するの!」と一喝されて、黙り込んでしまったのだろう。
息子の話を聞いて、相手のお母さんも慌てた。
てっきり自分の子供が被害者だと思って、息子と私に文句を言うつもりだったのかもしれないが、先に手を出したのが自分の子供だと分かると、やおら自分の子供を叱りだした。
喧嘩をしたのなら、どっちもどっちなので、その場を納める為、私も息子に注意をした。
いわれの無いちょっかいを出された時には、その場に居る大人に助けを求めても構わないと。喧嘩になればみんなが迷惑するから、喧嘩する位なら子供学級に参加する資格はないと。次に喧嘩すれば、子供学級は止めさせると。
息子も相手の子も納得して、その場は収まったが、その後、相手のお母さんが私に、「学校の先生なんですか?」と聞いて来たのには、はっきり言って不愉快だった。
良い先生も中にはたくさん居るのだが、先生と呼ばれるほどの馬鹿で無し。馬鹿にしないでよ・・・と言いたい気分だった。それより、自分の子供をもっと良く見ていたらどうなの?私は親バカだけど、自分の子供がいつでも被害者だとは思ってないのよ。どちらかと言えば行動に関しては何をして居るかは分かったもんじゃないと思ってる。だから、何か騒動が起った時には、必ず、理由を確認する。喧嘩にしても、当事者の言い分を良く聞くようにしている。それだけの事よ。特に、目を離しているアナタ、まだ二年生位では完璧に善悪の判断なんて出来ないのよ。
そう。そう思った例の子がその場所に居たのだ。
息子も落ち着きが無いが、その子も息子と変わり無い位落ち着きが無い。どう考えても、最初からお話を聞きに来ていると言う態度では無かった。
その日は、公民館絡みの行事が有って、当然その子のお母さんはそっちで仕事をしている。
家に居ても一人なので、時間潰しにここに来てみたと言わんばかりの状況。おそらくお母さんも、よその家に行って迷惑掛けるより、自分の近くにいて、仕事が終わるのを待っていてくれた方が良いと思っていたのかもしれない。途中、退屈そうに会場から外に出ては、寒くなったからと声高に言って、部屋に入って来る姿を見て、なんだかやりきれなくなってきた。
色んな事情が有って、その子のお母さんも仕事をしているのだろうけど、もう少し何とかならないものなのだろうか。
手は離しても、目は離さないで。
手も目も離せない私が言う事でもないのだろうが・・・。



© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: